第34話.被害予測
「これは…」
- 『こちらが全域の衛星写真です。そしてこちらが、街と川と街道の上空写真です。』
「スグル殿、これは一体…」
「レギルさん、このままでは街の2割りに被害が出ます。あと、全域に水質の悪化が一時的に起こります」
「いや、だからこれが何なのか…」
「サンラの街がここ。で、ブルーと会った場所がここ。川がこう流れて、溜池がこれね。で、今問題視しているのが、山のこの場所だ」
街の大きさと比較すると、ダム湖の面積は街の3割ほどの広さを持つ。
「レギルさん、シミュレーションの話をしましたよね?」
「あ、あぁ、条件を変えてどう変化するのか考えるのだろう?」
「そうだ。それで、ダム湖が決壊した場合の被害をシミュレーションしたのがこれだ」
- 『スグル殿、なぜシミュレーション済みだと?』
「へへ、そりゃランドさんだもの、地質調査はお手のものだろ?」
- 『ははは、じゃ結果を見ますかな』
決壊から1時間でブルー達の住む溜池が鉄砲水に飲み込まれる。
川に沿って進み、2時間後に領主とブルーが面会した場所が飲まれる。
さらに川に沿って、3時間から4時間後には街に到達。
おそらく、井戸に水を呼び込むための窪みに嵌まり、街へ向かって進む。
外壁が崩れ濁流が街を襲う結果となっている。
「す、スグル殿、これは幾らなんでも、ここまで酷くはならないのでは?」
- 『スグルー、持ってきたよー』
「ミーありがとう」
「これは?」
「1/50000スケールの地形の模型だ」
なぜか3Dプリンタにもなる間道具と化したプリンタ
「先ほどの絵と同じ…なのですかな?」
「そうだ、見てろ。ティファ、そこの仕切りを外してくれ」
『はい』
そうすると、水は街に到達し、壁を乗り越えて浸水した。
「これと似たような事が、恐らく10日以内に起こる」
ダム湖の決壊は水圧に耐えられずダムの土砂が押し流されるものと、一部から水が流れだし、周囲の土を削り取って崩壊していくものの2パターンがある。
今回は後者が有力だ。水面がダムの縁に届く所まできており、乗り越えるのも今後の雨次第だ。
2018.03.10 台詞部分修正




