第32話.お次は
あ、冒険者ギルドの場所を聞けばよかった。
ステータスウインドウを出して、ティファに確認を取る。
「ティファいま大丈夫か?」
『はい主、なんでしょうか』
「冒険者ギルドの場所を教えて欲しいんだけど」
- 『ステータスウインドウに送りますね』
「ありがとう」
『商業ギルドの方はどうでしたか?』
「あぁ、蟠りはなく話しができたよ。なんかお礼も言われたし」
『良かったですね』
「あぁ」
『それでは送りましたので、ご確認ください。あと、ルート案内が必要なときは、ナビボタンを押すとミーが直々に案内してくれます』
「ふぇ?」
『それでは』
え?、振り?
押せってこと?
視線を感じる!
パッと振り返ると、サッと物陰に隠れる何か。
押して見るか、
──スカッ
- 『よn』
「ん?」
ピッ
・・・・・
ピッ
- 『よ、呼んだ?』
「あぁ、ナビを頼もうと思ってな」
どうも待ちきれなくて近くに隠れていたようだ。
- 『んじゃ、行こっか』
「うん、頼むよ」
街並みを見ながら進むと、それらしい建物が見えてきた。
- 『あれが冒険者ギルドだね』
「おお、ありがとう」
心なしか寂しそうだ。
「あー、その、なんだ、時間があるなら、帰りは館まで案内してもらえると助かる」
- 『ほんと?、じゃあ一緒に居ても良い?』
「ああ、ただ絡まれるかもな」
そう話しながら扉を開け建物に入る。
中に入ると品定めするような視線を感じる。
窓口は総合的な物らしく、登録や依頼といった個別窓口にはなっていない。
つまり、周りから見れば、街に来て数日の者が女を連れてギルドにやって来た格好の絡み対象なのだ。
なのだが、誰も絡んで来ない。
不思議だ。
窓口には行くと
「いらっしゃいませ、スグ ル さんですね?」
「えぇ、そうですが、何で知っているんですか?」
「申し遅れました、受付を担当させていただく、ネフカと申します」
「どうも、スグルです」
- 『ミーです』
「普段一緒にいらっしゃる彼女とは違いますね」
(殺気を感じる!?)
「えぇ今日は家に居て、ミーには街を案内して貰ってたんだ」
「左様ですか」
「はい」
「そして今日はどの様なご用件でしょうか」
「ギルドに登録に来た
ガタッ
おい、兄t
と言えば、絡まれそうなんで、今日は依頼で来た」
「依頼ですか?」
「はい。こちらに天気の記録があると伺いまして、残っていれば過去3年分の写しを買いたい」
「お買いになられるという事ですね?」
「えぇ、一応、商業ギルドにも寄って来ましたが、あちらは3年分と今月分で、38Enyでした」
「え?、38Enyですか?」
「はい。こちらではお幾らになるんですか?」
「えーっと、少々お待ち下さい」
「どうぞ」
・・・
「お待たせ致しました。こちらで提供できる情報となりますと、この街と、鉱山、あと視認できる範囲で街周囲の草原や山がございますが」
「それで幾らになりますか?」
「申し訳ございませんが、こちらは───」
紙の枚数が38枚、観測地点毎に情報量が一月につき1Enyとのこと。
なので37ヶ月分、街、鉱山、街外周(草原や山を1地点とする)で111Eny。
さらに転写代金38Enyを含め合計は187Enyとなる。
「計算が早いですね」職員が驚く
「それでご購入されますか?」
「そうだなぁ、うん、それで良いよ。はい187Eny」
「は、はい。丁度戴きました。それでは転写して参りますのでお待ち下さい」
- 『スグル』
「ん?」
「おい兄ちゃん」
「何だ?」
さっき、声を掛けそびれた男が側に立っていた。
「うちらの仲間を助けてくれて感謝する」
「あぁ気にするな」
「領主の甥とつるんで悪ふざけをしてたんだが、あれ以降は憑き物が落ちたように真面目になった感じがするよ」
「それは良かったな」
「だからありがとうな」
そう言って男は離れ、もと居た席に戻り仲間と話し始めた。
2018.03.10 台詞部分修正




