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伏流水のように
伏流水のように/
伏流水のように
見えぬわたしとして流れるもの
今ひと時を見るだけの景色に隠れ
千年ひと時を見る景色がロールバックしている
可視光線よりもずっと広がる不可知の色どり
さわれないものばかりのこの世にあって
確かなことは 流れる雲のように
全てはうつろい消えるということ
そしてまた見えぬところより涌出でて
さも当たり前のように姿を晒していること
何をまっているのですか
星々が幾度巡っても
我々は変わらず愚かです
その内なる海が満ちる時をまっています
満月の潮騒が聞こえます
新しい季節の準備が地下で進んでいる
あるいは冬眠として
あるいは凍えとして
安堵する季節の間に
高い空との間にある雲に届く間に