2.酔ってみるもんだな。
「ん? あ~。 もう、夜か?」
酒を飲んでいる間に、寝ていたようだ。
目を覚ますと、真っ暗になっていた。
「あ~。 少し酔ったかな。」
酒は強いほうだが、ビール、焼酎、日本酒、ワインと安酒を急ピッチでチャンポンしていたので、少し気持ちがわるい。
起き上がって、電気をつけると、少しふらつく。
「トイレ、行こっ。」
おれは、ゆらゆらと、歩く。
「あー、久しぶりに酔ってるな。 足がおぼつかないな。」
酔いたいと思って、飲んだのだから、予定通りといえばそうなんだが。
「カップ麺でも食おうかな。」
コンロにヤカンをかけてから、部屋にもどる。
「カップ麺、イイですね! 私も食べます!」
ん? んん?
「幻聴か?」
コンビニの袋から、シーフード麺を取り出す。
「そうですね。 私は、このカレー味でよいですよ。」
「ああ、そうか。 カレーねっっっ!!!」
「そうです。 この、チリ味も捨てがたいですが。」
お前は、誰だ!!
「不法侵入!」
女の子がいる。
コスプレ?
鍵? 俺、鍵かけ忘れたのか?
俺は急いで、玄関に確認に行く。
「って、違うか。 今、鍵確認しても、遅いか。」
落ち着け、俺、落ち着くんだ。
まずは、財布、財布を!
俺は、上着のポケットを探る。
「あった、中身も、、 無事だ。」
ピー! ピー! ピー!
「うわっ、なんだ!!!」
「お湯、沸いた見たいですよ~。」
「ああ、そうか。」
って、違うだろ! なんだ、その落ち着きは!
俺は、慌てて、コンロの火をとめる。
新手の空き巣?か?
どうしよう。
女の子が一人で? 相当腕に自信があるのか?
怖いよ。
ひとまず、相手を刺激しない方がいいか?
「あの~? どちら様でしょうか?」
「ああ! 失敗、失敗、 最初からやり直しますね。」
何を言っているんだ。
「では! おめでとうございま~す! 大当たりで~す!」
大当たり? 空き巣のターゲットにか?
「あなたは、くじで大当たりを引き当てました!」
くじ? 何のことだ?
「え~。 わかんないんですか? 今日、引いたじゃないですか?」
えっ?
「コンビニで引いたやつか?」
俺は、慌ててコンビニの袋からくじをとりだす。
財布から、10円玉をだして、はじから削って行く。
「ハズレ、ハズレ、あっ、コーヒー当たりだ。 ハズレ、 ハズレ、 あっ、ガムだ。意外に当たってるな~。 ハズレ、ハズレ、 んっ? これか。」
「はい、それです!」
「大当たり、ちょっとした願いなら叶えます。 ?? なんだ、大当たりなのに、ちょっとした願いって、しょぼいな。」
「え~。 ちょっとした願いですよ~! しょぼくないですよ!」
って、ことは?
「コンビニの店員か?」
「ん。もーう! 違いますよ! コンビニの店員が、願いをかなえられるわけないじゃないですか!」
じゃあ! 誰だよ、お前!
「くじが当たったのは、わかった。 で? おまえは誰だ?」
「私ですか。 そんなの決まってるじゃないですか! くじの精霊ですよ!」
うわっ、ヤバい人だ。自分のこと、精霊とか言ってるし。
「飲んでますか?」
「もーう! 飲んでるのはあなたでしょ! 開けてくれるの、待ってたのに、飲んで寝ちゃうんだから!」
ああ、そうか。
酔っているのは、俺か!
そうだよね。 女の子が俺の部屋に不法侵入するとか、あるわけないよね。
夢だな。
あんまし、悪酔いしたことなかったから、気づかなかったけど、俺、酔うと少しやばい妄想しちゃうんだな。
今度から気を付けよ。
「そうか、これは、夢なんだね。 うん、わかった。」
「夢ですか~? まあ、夢を叶えるから、夢と言えば夢でしょうか。 まー、そういうことでいいでしょう。」
俺も、こんな妄想ができるんだな。
それなりに、アニメとか見てるから、ポテンシャルは持っていたのかも。
今まで、興味がなかったからか。素質はあるのかな?
「それで、お湯が冷めちゃいますよ! ラーメン食べましょう!」
「ああ、そうだね。 この流れで、ラーメン食べるんだね。」
夢の中だし、ひとまず、この精霊さんの言うことに従っておくことにする。
「美味しいですね。 俗人的な物が食べられるのは、こんな機会でもないと、頂けないので、、ラーメンはイイですよね!」
「はは、こんな、安いカップ麺でよければ、何時でも食べにおいでよ。」
「いいんですか! 言いましたね! 言質はとりましたよ!」
「ははっ! 大げさだな~。 と言っても、俺が就職出来たらだけど。」
「むむっ? 条件付きですか。」
さすが、俺の夢か。
精霊が庶民的すぎる。 もっと、ファンタジーでもいいのにな。
「ちょっとした願いは何にしますか?」
そうか、この子、俺の願いを叶えるっていう設定だったな。
「そうだな~。今の俺が願うなら、やっぱり、安定した職かな? 倒産する心配のない、そこそこ大きなメーカーとかに努められるといいな~。」
「う~ん。 ちょっとした、から少しオーバーしていますね。」
「ああ、そうか、 ちょっとしただもんね。」
俺は、ちょっとした。に考えを巡らす。
犬を飼いたい。とか? あ~でも、無職じゃ、食わせていけないな。
彼女がほしい。とか? あ~、これも、無職じゃ、デートも無理だな。
そうなると、、
明日もごはんを食べたい。 とか? あ~。 なんが、打算的で、ファンタジーには合わないな。
「う~ん。 ちょっとした願いって、以外に難しいね。」
「そうですか? 今までの人は、もっと気楽な感じでしたよ。」
「えっ? 例えば?」
「そうですね。 好きなこと手を繋いでみたい。とか、 明日の遠足を晴れにしてほしい。とか」
「えっ? そんな感じ。 皆、欲がないんだな。」
ちょっとした。でも、精霊さんが願いを叶えてくれるんだぞ!
もっと、あるだろ。
俺は、俺の妄想の中で、ベストの解を出すぜ!
「あ~。 面倒くさい、人ですね。」
「ちょっと、まって、 もう少し考えるから。」
「う~ん。 そんなに、時間ないんですよね。 叶えるのは、翌日なんで、条件によっては、準備があるんで、、」
あ~、そうなんだ。 精霊さんといっても、なんか、不思議なパワーでポイポイっと願いをかなえるわけじゃないんだ。
「あ~。 やっぱり、どの願いも、安定した生活がないと、かなった後の持続がむりだ! 職を得るを何とか願いにできないかな?」
「もう、イイですよ! ちょっとした。からは、少し超えていますが、他の制約を削って、コストダウンを図ってみますよ! 叶えるのは、安定した職 でいいですね!!」
「ありがとう! ははっ! いい夢になったよ。」
「まー、ラーメンの約束もありますしね! 特別ですよ!」
いい気分だな!
夢の中だけど、明日からの職の心配をがなくなった!
「では! 明日。」
精霊さんは、一言残すと、 ふわっと姿を消した。
おおっ。 ここは、ファンタジーぽいな。
なんか、夢の中だけど、眠くなってきた。
俺は、ラーメンの食べた後を片付けると、ベットに横になった。




