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異世界ウサキック物語  作者: 草食丸
1章:イナバ誕生、学歴主義にウサキックの巻
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8/20

7羽:色々初めて知ったウサギさん

ウサギ語の大味説明(会話内容は想像しましょう)

『ぷぅ、ぷぷぅ♪、きゅっ! きゅー♪ ごろごろ』

 ・・・嬉しい、楽しい、興奮、甘えたい、気持ちいい


『ぐぅ、ぐーっ!、ぶぅ ぶー だむだむっ!(足ダン)』

 ・・・不満、怒ってる、警戒、拗ねてる、羨ましい


『くー、くぅーん、きーっ! だんだんっ(足ダン)』

 ・・・怖い、危ない、痛い、悲しい、寂しい

 鑑定とは、まぁ言わずと知れたファンタジーお馴染みのスキルの事。

 対象のステータスやスキル、称号や罪科を表示する能力なんだけど、そのスキル保持者はわりとレアで代わりに街にはそれを付与した『鑑定石』ってのが設置されているらしい。

 ここで罪科のあるものは弾かれて入城お断りという流れだ。


 僕としてもライトノベルで慣れ親しんだスキルにワクワクしつつ、実は他にも期待していることがある。

 それは僕達仲間の状態が伝わってくる、この謎スキル。


 もしここで何も表示されなかったら、これはただの第六感的なものになる。第六感すげぇ・・・。

 さて、そんな子供達のステータスや如何に。



「では今から鑑定始めますねぇ。みんなー、この石に順番に手を置いてねぇ」

「くー?」

「くぅん・・・」

「大丈夫、怖いことは無いから。皆お姉さんの言うこと聞いて順番に手を置くんだよ」

「ぷぅ」

「ぶぅっ!」



 うーん、可愛い。ウチの子達可愛すぎんか? もしかしたらステータスに魅力52万とか出るかも、であと3回進化するんだきっと。

 そうしている内に、最初の子のステータスが表示された。



 名前:─    性別:メス(1歳)

 種族:月兎族 クラス:兵隊兎


 スキル:《共有》

     仲間の位置・感情・状態・思考を共有する。 

     《土魔法7》

     土を自在に操る。

     《月魔法2》

     月の光を自在に操る。

 罪科:─



 やはりあの謎の感覚はスキルだったみたい。

 しかし、思考とか諸々を共有するってわりとチートスキルだよね。やっぱりウチの子達は凄かった。

 僕がるんるんでステータスを眺めていると、鑑定をしてくれたお姉さんが叫んだ。



「月兎族っ!?」

「え、うそっ!?」

「ビックリしたっ、なになにどうしたん?」



 バーニィさんに聞いてみると、月兎族と言うのは物語にだけ出てくる伝説の種族らしい。

 月にように白くやや銀色に輝く髪を持ち、女神のような美しく女性らしい容姿を持つ種族。

 その性格は非常に性に寛容で、その美しさに魅了された男達は食い尽くされ、かつて幾つもの村が壊滅したとも。

 その逸話から美の象徴であると共に、男性にとってサキュバスを超える恐怖の象徴にもなっているとのこと。



「美と性の象徴ねぇ・・・」

「ぷ?」



 僕は子供達に目を向ける。

 確かにこの子達は可愛い、女神か天使かと思うほどの可愛さだ。でも女性的な可愛さや綺麗さはない。あくまで子供の可愛さだ。

 あとこの子達は確かに性に寛容だ、でもそれはそうしないと群れが消えてしまう環境だったからだ。

 現に此処に移動してくるまでは犠牲が無かったからか、そういった場面は無かった。

 あと髪は・・・白か? 白といえば白か。

 汚れているせいか、やや茶っぽい。


 此処まで考えてバーニィさん達に目を向ける。

 彼らの反応は「まぁ所詮噂話ですから」といった感じ、鑑定所のお姉さん達も最初は驚いてたけど似たような感じだ。



「まぁ、この子達はこれ以上大きくなりませんし、これでそんな被害が出るならそれはその男の人が変態なだけでしょう」

「確かにそうですね、変に騒いで申し訳ありませんでした」

「いえいえ」



 まぁ、うちの子に手を出そうものなら僕がコロしに行くけどね☆


 そんなこんなで子供達の鑑定が終了した。

 ステータス数値が無いせいもあるけど、子供達のステータスは全員一緒だった。無事入れます、良かった良かった。

 そして最後に僕の鑑定、まぁ僕も一緒だと思うけどね。そして表示されたのがこれだ。



 名前:イナバ   種族:メス(7歳)

 種族:月兎族   クラス:輝夜姫(かぐやひめ)

 スキル:《共有》

     仲間の位置・感情・状態・思考を共有する。 

     《指揮》

     仲間を統率する際、全体のステータスが上昇。

     《土魔法10》

     土を自在に操る。

     《月魔法10》

     月の光を自在に操る。

 罪科:─



 なんじゃこれっ!?

 おい、お前らもそんな目で見んな。僕だって姫なんて柄じゃないことくらい分かってるよっ。何だよ『かぐや姫』って! でも仕方ないじゃん、そう表示されてるんだからっ!

 ちなみに詳細を表示するとこうだった。


 《月兎族》

 地上を離れ、月に住み、姫に仕えていた兎族の神たる種族。

 普段は兎人族に紛れ、象徴が現れた時覚醒し姿を現すと言われている。


 《兵隊兎》

 姫の指揮のもと、戦うことを選んだ兎。白兎に比べて戦闘に長け魔法を得意。

 かつて大兎王国を守護していた言われる伝説的存在。


 《輝夜姫》

 世界中の兎を統率し、従えるべくして生まれた存在。

 月魔法に長けるだけでなく、戦闘力も高く、また群れで行動する際補正がかかる。

 かつて大兎王国を作り上げた幻の存在と言われている。



 た・だ・の・女・王!


 かぐや姫なんて一切関係無いじゃないかっ! っていうか、かぐや姫って職業なのっ!?

 え、じゃあ物語でお爺さんお婆さんの元に来るのって、単身赴任か何かなの?

 おい、何か言えっ。神っ! 


 はぁ・・・よし、見なかったことにしよう。

 ただ、《共有》で子供達の状態を見ることができるっぽいので、時々は体調不良がないか確認するようにする。


 ひとまず問題ないらしいので入場する。

 門が重厚な音をたて開いた先に見えたのは、文明の世界だった。


 文明レベルとしては流石に僕の居た時代ほどじゃなかったけど、でも逆に田舎感があって落ち着く。

 綺麗に家々が並び、道もしっかりと整備されている。初めから数万人の都市を考えていないと出来ない作りだ。

 道には水路のようなものもある。恐らく下水のような施設もあるんだろう、街には変な臭いがしなかった。むしろ排気ガスとか無いせいか、空気も澄んでいるように感じる。


 街を歩いている兵隊さんは当然帯剣しているけど、その肩には筒のようなもの──銃が掛けられていた。

 兵器のレベルは生活水準以上に高いらしい、ただ形が独特なので魔法技術も使われているっぽい、たぶんだけど。

 そんな彼等が居るお陰か、町中は非常に穏やかだ。



「うーん、中々良い所だね」

「そう言って貰えると、住んでる俺らとしても鼻が高いです」

「で、僕達はまずどこへ行けばいいの? あとでヘイルさんのところに行くんだよね?」

「それはまず我々がご案内します」



 そう言って前に出てきたのは、先程マントを配ってくれた女性騎士さん達だ。



「申し遅れましたが、私はドスの街の一等騎士クレアと言います」

「私も同じく一等騎士のクレマチスと言います、以後お見知りおきを。それでは此方へ」



 案内されたのは門からほどほどの距離にある空き地だった。

 大きさとしては一軒家六個分くらいのスペース。



「申し訳ありません、流石に200人分の宿は確保出来ず・・・土があれば住処を確保出来ると龍の翼から伺いまして、バラバラに住むよりは此方で家を作って頂いたほうが皆さん暮らしやすいだろうとご提案させて頂きました」

「確かにね。それに僕達、土の中のほうが落ち着くかも」

「あ、いえそこは地上の方にも何か作って頂きたく・・・」



 完全に地下はダメらしい、まぁ確かに用事があっても訪ね辛いかもね。



「オッケー、ありがとう! この土地って貰えるの? それとも借地?」

「流石に借地ですね。最初の一ヶ月は大丈夫ですが、次の月からはお支払いお願いします。でも隊長のお話ですと実入りの良いお仕事らしいですし、お金は大丈夫だと思いますよ」

「そっか、よかったぁー。この子達に寒い思いをさせなくて済むよぉ」

「ふふっ、お母さんは大変ですね」



 まぁね。さて、ならさくっと家を作るよー!

 全員並んでー、まずはここを整地だ。



「ぷぅ?」

「そうそう、今日から此処に住むからね。住み易いように綺麗にするよ」

「ぷぅっ!」

「ぷぅ、きゅっ♪」

「じゃあ最初は《沼》!」

「「「ぷっ!」」」



 与えられた敷地すべての地面がドロドロに液状化する、深さはだいたい20メートルくらいだ。

 隣家の床に被害がいくと怖いので、別の子が地下に《硬化》で境界線を引いている。まぁガッチガチに固めた土壁を作って隣の地下がドロドロにならないようにしているってことだ、この辺は僕が《共有》でイメージを送ってるんで子供達も迷わず動いてくれる。



「次が《掘削》! 出来た傍から《硬化》! 仲良く分担してやっていくんだよー」

「「「ぷぷぅ!」」」



 《沼》で平らに均した地面を《硬化》、その後すぐに自分達の住み易いよう地下を掘っていく。

 まぁ《掘削》と言っても一般的にイメージするようなガリガリ削る作業ではなく、土魔法を使ってウニョウニョと移動させていく作業だ。

 子供達はこの土をバケツリレーのようにして外へ土を運び出し、次々と掘り進めていく。

 たとえそれが硬い地面でも、砂のような壊れやすい場所でも、《硬化》させた石のような地面でも、この子達にとっては普通の土と何ら変わらない。

 僕達兎は世界一の土木作業員なのだ。こうして僕達は魔境でも安全な家を作り上げていた。


 今回余った土は土で使う場所がある、それは地上の建物。

 正直これは僕らに全く必要無く、訪ねてくる人専用の物だ。

 まぁバーニィさんを初め龍の翼の面々や、ヘイルさん、クレアさん、クレマチスさんと既に色々な人と知り合いになった。そのうち泊まりに来る人も居るだろう、そういう人達のための場所だ。

 だから家の外観にも拘る。


 そうだなぁ・・・人類初の兎ハウスなわけだし、ちょっと和風チックにするか。

 というのも、兎→月→かぐや姫→和風っていうだけなんだけどね。まぁ僕達が楽しけりゃ何でも良いだろう。


 そんなわけで、外観は僕が想像できる限りの神社のイメージで作った。ただ全てが土なので屋根の重量が怖い。できるだけ屋根は肉抜きしていく。

 色は土を色々コネコネすることである程度出せることを知ってる、足りないのは後で塗ろう。

 そうして二時間足らずで出来上がったのが、この兎御殿である。



「みんなー、お疲れ様! 凄いね、よく頑張ったね、ほら此処が今日から僕達のお家だよ!」

「ぷぅぷぅぷぅ♪」

「ぷぷっ!」

「きゅー♪」



 そーかそーか、お前らも嬉しいか!

 今日は外観だけだけど、明日からは中も揃えていこうな。お母さんお仕事頑張っちゃうぞ!



「ちょっ、イナバちゃん! 地下が凄いんですけどー!?」

「凄いっすねぇ・・・俺も此処住みたいっす」

「ささ最近地下で寝てばかりだったので、地下のほうが落ち着きますっ!」

「それねっ!」



 うむうむ、龍の翼の皆にも好評なようだ。



「イナバ殿、流石ですね。俺は魔法に詳しくないですが、これがとんでもないって事ぐらいは分かります」

「でしょ、ウチの子達は凄いんだよ」

「それよりも、その《共有》ってスキルが凄いですね。行かなくても見えて、話さなくても指示が出せるなんて。領主様が欲しがります」

「隊長も欲しいって言うでしょうね」

「種族専用スキルっぽいから無理だけどねー」



 これは僕らの絆の象徴みたいなスキルだからね、誰にもあげないよ。あげられないし。


 そんなこんなで、早々に拠点を確保した僕達は隊長ヘイルさんの元へ向かうのだった。

イメージ的にはお城の天守閣だけが地上に出てる感じです、他は地下。



本日もウサギさんをお読み下さり、ありがとう御座います!

もし作品を気に入って頂けましたら、★★★を押して貰えると嬉しいです^^

目標を達成しましたら、3章も書いていこうと思いますので、宜しくお願いしますm(_ _)m

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