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異世界ウサキック物語  作者: 草食丸
1羽目:イナバ誕生、学歴主義にウサキックの巻
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1羽:兎を語るウサギさん

ウサギ語の大味説明(会話内容は想像しましょう)

『ぷぅ、ぷぷぅ♪、きゅっ! きゅー♪ ごろごろ』

 ・・・嬉しい、楽しい、興奮、甘えたい、気持ちいい


『ぐぅ、ぐーっ!、ぶぅ ぶー だむだむっ!(足ダン)』

 ・・・不満、怒ってる、警戒、拗ねてる、羨ましい


『くー、くぅーん、きーっ! だんだんっ(足ダン)』

 ・・・怖い、危ない、痛い、悲しい、寂しい

 皆、『兎』は好きかい?


  兎とは犬猫に続き、非常に人間の身近に居る動物の一種である。


 なにせペットの飼育ランキングでは常に5位以内に居て、女性からの人気ランキングでは3位より下に落ちたことがない。

 日本にはウサギで溢れかえっている島がある程、兎は人間の生活に馴染んでいる。


 昔から日本の文学芸術にも数多く登場していることからも、その定着具合が伺える。

 外国では害獣指定されている生き物が、日本では月に居るとすら言われてるんだから大したものだ。


 またそのピョンピョン飛ぶ仕草が非常に可愛らしく、とぼけた表情も愛らしい。

 意外と頭も良く、トイレの位置を覚え人の言葉もある程度理解している。

 何より、小さくて人懐っこいのが良い。

 ・・・まぁデカいのもいるけどな。

 ウンチすら可愛く見えてくるんだから、可愛いって凄いなと素直に思う。


 そんなあり得ないくらい『ペットにして下さい』という情報が詰め込まれた動物なんだけど・・・実はペットとして定着する前、彼等はかなりの脳筋戦法で自然界を生きてきたことをご存知だろうか?


 地球に誕生した兎の祖先は長い年月をかけ自然界で生き残る方法を考えた。

 そこで選択した方法が『逃走』だ。


 兎は逃げる、とにかく凄い勢いで逃げる。

 日本語には『脱兎』という言葉があるけれど、まさにその通り!

 兎は自然界を生き残る方法として、牙も爪も捨てて戦わずに逃げることに特化したんだ。

 それだけに留まらず『耳が良かったら、早く逃げれるんじゃね?』みたいな理由で、遠くに音を拾えるよう耳が伸びた。


 でも弱肉強食の世界を、ただ逃げるだけで生き残れるほど自然界は甘くない。

 足の速い肉食動物には捕まり、牙も爪もない兎はあっという間に食われて数を減らしていく。


 兎達もこのままじゃヤバいと思ったんだろう、どうにか策を練った。そうして出てきたのが、『痩せてもっと早く走れば良いんじゃね?』である。


 何でそうなるの?

 考えは分からなくもないけど、正直言ってアホじゃないかと思う。


 しかし兎はそれに成功した。


 兎は骨の質を限りなく鳥に近付ける事で、そもそものウェイトを減らす事に成功したんだ。

 代償として骨折しやすくはなったが、これにより生存率が飛躍的に上昇。ついでと言わんばかりに、小型化することで更に生存率が上がった。


 それから長い間、兎は生存競争を勝ち残り続け、もとい逃げ続けた。


 更に兎達は『隠れる』という手段を得る為に、声帯を捨てた。

 うん、なんでかな? その気持ちは、僕にはよくわからない。

 しかしそんな兎達に新たな脅威が襲い掛かる。

 それは肉食動物の進化だ。


 肉食動物達は知能が発達、狩りや連携を覚えて、小型化した個体も出てきた。

 そうなってくると困るのは兎達。小さくなり、声を殺して隠れ、高速で逃げる、そんな兎の戦術が通じなくなってきた。


 兎は再び数を減らしていく。

 それも仕方ない、弱肉強食で弱きは淘汰されるのが常。兎は生まれた時から最弱だったんだから、今生き残っている方が奇跡だったんだ。

 でも兎達は諦めなかった、何としても生き残ると誓った(何に?)。

 そして遂に兎達は究極の脳筋戦法に出た、それが『減る以上に増えたら良いんじゃね?』である。


 『アホじゃない?』って思うでしょ?

 気持ちは分かる、僕だって国の長がこんな事言い始めたらドロップキックしにいくだろう。

 でも兎達はそれを実践した、そしてなんと兎は妊娠からたったの一ヶ月で産むことができるようになってしまった。


 しかも多産。


 そして驚くべき事に、兎は出産後すぐに妊娠出来る身体の作りになっていて、しかも妊娠中に別の子供を授かる事が出来るという意味不明な能力まで獲得していた。


 で、多産だ。


 それに加えて子供の成長速度が異常で、たったの一年で大人になる。


 で、その子も多産だ。


 そして最後に、兎達は人間に飼われることによりある野生の生態を捨てることに成功した。

 これが同人界の紳士達(へんたい)に有名な『兎から発情期が消えちゃった』事件だ、つまり人間と同じく万年発情期(めっちゃエッチ)になった。


 勿論、多産のままだ。


 もうなんかね、野生の生き物として努力する方向間違えてんじゃないかなって僕は思うんだけど・・・でも事実、兎達はその方法で何千年何万年と弱肉強食の世界を逃げ切っているんだ。


 まぁここまでの進化の過程諸々の話は、僕がそんな感じだろうなって思った想像だけど、兎がそんな能力を持っているのは本当の話。


 ・・・さて、長々と兎について語ったわけなんだけど、実のところ別に僕は兎をそこまで好きじゃない。


 普通・・・うん、普通だな普通。

 リアルで見たのなんて小学校の飼育小屋が最後だし、抱くイメージは「ウンコが正◯丸みてぇ」くらいだ。


 じゃあ何で熱く語ったのかって話だけど、それは僕の今の気持ちを少しでも共有したいからだ。




 だって僕──起きたら、兎の獣人になってたからさ。

 知らん間に生まれ変わっていた月兎族、それが今世の僕である。

 あっ、そうだ! 最後にちょっと聞きたい。




 皆、『バニーガールは好きですか?』

完全に作者の偏見です

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