捌拾参話.最終章の始まり
俺とクローフィーが同行するにあたって、俺たち3人は1人1つずつ、合計3つのルールを作った。
まず、俺が決めたルールが
『俺とクローフィーは直接接触しないこと』
前回のローシュ伯爵邸での爆発は、俺たちが接触したことがきっかけである可能性が高い。理由は不明だが、用心に越したことはないだろう。
次に、クローフィーが決めたルールが
『私のことはクローフィーと呼ぶこと』
理由を聞いたところ、
「私たちは別れていた期間で別々の経験を積んだ。だから、同じ人物として扱うのは無理があると思う。あと、ややこしい」
とのことだ。確かにややこしいの部分は同意する。
最後に、シャーノが決めたルールが......いやルールと言えるかは怪しいが
『メルトとクローフィーの過去と関係を少しずつでいいから教えること』
確かにシャーノにとっては、突然現れた敵といつも一緒にいた友達が実は昔からとても仲のいい親友......いや兄妹だったみたいなものだろうからな。困惑するのも無理はない。......っていうか、よくクローフィーの同行をシャーノは許してくれたな......。
............とにかく、この3つのルールを守る事になった。
「それで、これからどうするんだ?いきなり魔王城に乗り込むか?」
「そんなことしないんだよ!まずは魔王の書庫に行かないと......。」
「魔王城と魔王の書庫って別々の場所なの?」
「当たり前なんだよ!」
「それ、俺も知らなかったな......。」
クローフィーと出会って1時間ほど経った頃......ルールを決めた直後、俺たちは今後の動きを話し合う。
「ちなみにここからどれくらいの距離なんだ?」
「1時間もかからないんだよ!」
「結構近いのね。」
「距離にして、ギルドから5キロメートルもないんじゃないか......?」
ちなみに、近寄ってきた魔物は俺とクローフィーが会話しながら一瞬で殺している。
「ここは迷いの森なんだよ!案内者がいなければ絶対抜けられないんだよ!」
「なるほど、だから距離が近くても問題ないのか。」
「でも、魔族側の人は勝手に来れるけど、人族側の人は全然行き来できないってことなら問題だらけのような......。」
「魔族も人族も高位の魔術が使えるほんの少しの人以外迷っちゃうんだよ!」
「じゃあ、そこまでの問題じゃない......のか?」
ずっと3人で雑談しながら歩いていると............今から魔王城に向かうというのに明らかに空気がおかしいが............黒く、大きな建物が見えてきた。
「もしかして、あそこが魔王の書庫か?」
「多分そうなんだよ!」
「......大きい。」
「空間拡張魔法を使ってるから、中は見た目の何倍も広いんだよ!」
「......ヤバイな、魔王の書庫。」
書庫というくらいなんだから、すごい量の本があるのだろうが、軽く9桁の本が入りそうな見た目で更にこれの何倍も広いって......これを持ってる魔王の城ってどんな大きさしてるんだよ。
「じゃあ、入るんだよ!」
「うん。」
「わかった。」
シャーノは黒い建物の面ではなく角に向かうと、地面に魔力を流した。すると、地面が青く光って、すぐ近くに大人1人がギリギリ入れそうな穴が現れた。
「ここに入るんだよ!」
シャーノに続いて俺たちも穴の中に入る。......なんでシャーノはこんなことを知っているんだ?という疑問が頭に渦巻いたが、それは一旦置いておこう。
穴の中は通路になっており、光源はないが、なぜか明るかった。その通路を100メートルほど歩くと、目の前に扉が現れる。
「ここを開ければいいんだな?」
「そうなんだよ!」
俺はゆっくりとその扉を開けた。その先には......




