零話-弐.最初で最後の“サクシャ”の接触
「来てくれたみたいだね!」
「脅されたからなんだよ!」
「あーそーゆー演技いいから。めんどくさいだけだし、普通に喋ってよ。」
「......いつから気づいてたの?」
「いつからも何も......君が生まれた時?」
「私が生まれた......あなたは一体何者なの?」
「いい質問だね!僕はサクシャ!この物語でいっちばーん偉いんだ!」
「作者......?物語......?何を言っているの?」
「何って......この世界は僕に作られた1つの物語だよ、って話なんだけど?」
「......?」
「あ、受け入れなくてもいいよ?君たち登場人物にとったらこの物語が現実なのか、あるいは夢に過ぎないのかなんて関係ないだろうしね!」
「......?」
「と、に、か、く!僕がこの世界で一番偉いの、おーけー?」
「わかっ......た?」
「わかってくれて何よりだよ。じゃあ、本題に入ろっか。」
「うん。」
「君にしに来たのは、勧誘だよ。」
「勧誘?」
「うん!君は今、メルトに気に入られようとして......いや、好かれようとしてある意味で幼女的な......保護対象として意識させるような態度、口調を取ってるよね!」
「......。」
「君も所詮はworld.X-0002で作られた実験体ってことだよ。」
「やっぱり、私の出自はバレているんだね。」
「ん?言ったよね?僕ってばこの物語で一番偉いからさ!ってかむしろこの物語の“原型を”書いたんだよ?それくらいのことは知ってて当たり前じゃないか!」
「何を言ってるの......?」
「めんどくさいなぁ。まーいいや!後で記憶弄るから今はギリギリまで見せてあげる!」
「ギリギリってどういう......」
「うん、これでいいかな。僕はサクシャであり、“夢●●の●●●●●”、この物語を●●する者だよ。」
「......よく分からないけど、とても、いや、言葉では言い表せないぐらい凄い力だね。」
「うん、そうなんだよね!でさ、この“夢”の力を君も使ってみない?“決着者”になろうよ!」
「私のメリットとあなたのメリットを教えてほしい。」
「まず、君、シャーノのメリット。それはこの騙し合いの関係を終わらせる事ができる。そして、君がこの先、死にかけた時に助けになるんだ!」
「つまり、私はこの先死にかけるってこと?」
「ま、そーゆーことだね!」
「じゃあ、あなたのメリットは?」
「僕のメリット?整理する手間が省けるっていうのと、君たちが踊れば踊るほど、書いてる方は楽しいんだよね!だから、僕が楽しむために渡すなさ!」
「......なるほどね。」
「でさ、君はどうする?」
「正直言って、私はそんな未知数な力を受け取る理はないよ。」
「えーでもさ、なんか、かっこよくない?あ、そうそう、夢何ちゃらの後には実はタロットカードの名前がつくけど、別に意味はないよ?ただ夢何ちゃらの1番!とかよりは格好がつくでしょ?」
「そういう問題じゃなくて......」
「え?じゃあどういう問題?」
「あなたにはオブラートに包んでいっても無駄みたいだね。」
「残念だなぁ。僕ってばオブラートあんまり好きじゃないんだ!だってあれ、無味無臭じゃん?」
「......もういい。」
「えーなんで怒ってるのさ!僕にはぜーんぜん分からないなぁ!」
「あなたは作者なんでしょ?じゃあ、今の私の気持ちぐらい知れていてもいいよね?」
「......ふふ、君ってば面白いね!いつか上位世界に来た時には盛大に助けてあげるよ!うん、もう君の今の気持ちも、力を受け取るかの答えも分かってる。」
「なら説明はいらない?」
「うん!もう、お別れだね!残念だなぁ。」
「あなたから......いや、何でもない。」
「ふーん、まぁいいけど。あ、そうそう、最後にもう1つだけ。」
「何?」
「これが、君がメルトに近づいた理由でもある、君の妹の手帳だよ!欲しい?」
「どうしてそれをあなたがっ!?」
「いやー、僕ってば実はこの物語の作者なんだよね!......って何回言わせるつもり?僕がその手帳を持っていたのは僕がこの物語の作者だからさ!」
「......それを渡して。」
「えーなんの対価もなしにそんなこと出来ないなぁ......と、言いたいところだーけーどー!君にはこんなにメルトとの時間を取らせちゃったからね!あげるよ!この手帳を持ってさっさとローシュのところへ行くことだね!」
「ローシュ......伯爵のところ?どうして?」
「あれ?言ってなかったっけ?そろそろ、あの家周辺が大爆発するよ!」
「......え?」
「どーん!ってね!メルトも無事では済まないだろうなぁ!」
「それは確かなの?」
「うん!言ってるじゃないか、僕はこの物語のサクシャなんだからさ!何だって知ってるよ!」
「諮ったの?」
「まーそー言えなくもないかな!」
「くっ......」
「いってらっしゃーい!元気でねー!」
「......。」
「............。」
「..................。」
「復讐なんかしても、何も生まないのに。ほんと、馬鹿らしいのに。どうしてそんなことするのかなぁ!」




