質拾話.
“ここがいいですね。”
「何をするつもりだ。」
その場所についたら目的を話すというから連れてきたけど......ここって森の深部へ10分ほど歩いただけのところじゃないか。
“では、マイマスターにはして欲しいことがあるのです。”
「何だ。」
“彼女を......“夢堕ち”の女帝さんを呼んでほしいのです。いえ、呼ぶというより......”
「分かったそこまでバレてるなら仕方ない。彼女を呼ぼう。だから、それ以上は言うなよ、いいな?」
“ふふふ、分かりました、マイマスター。”
「で、私に何の用?」
“あなた“夢堕ち”の女帝......もとい”
「ストップ。まだ私の正体は読者たちには伏せなければならない。だから、それ以上喋るなら......」
“分かりました。では“夢堕ち”の女帝さん。私の頼みを聞いてください。”
「頼みに見せた脅迫だよね。何が望みなの?」
“私の存在をギリギリまで抹消して欲しいのです。読者にも、作者にもバレないほど希薄に......。”
「......それは無理。見かけ上、存在を認識しづらくすることならできる人に心当たりがなくはないけど......」
“では、その方で結構です。あなたの人脈なら可能でしょう?”
「......この物語が終わったら連絡してみる。」
“なぜ、今ではないのですか?”
「それは、この物語は既に閉じているから。中と外は互いに干渉できない。」
“なるほど、そういう構造になってるのですね。では、この物語が終わってからご連絡お願いします。私はこの世界で......“シャナワース”として生きています。いつでもマイマスターを通じて接触してください。”
「うん、分かったよ。」
“そういえば、あそこにマイマスターに似た何かが転がっているようですが、あれはいいのですか?”
「あれはいいの。だってあれは私じゃなくて......」
「僕の仕事だからね。」
“そうですか。では、マイマスター、しっかりと後処理してくださいね。”
「無論だ。」
リーリーは僕の足元に寄ってきて、足に体をすり合わせながらにゃーと鳴いた。
“では、行きましょうか。”
「次はどこへ行くんだよ。」
“彼を片付けたら......次はメルトさんを追いかけるのでしょう?”
「......あぁ、そうだな。」




