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魔法使いメルトの物語  作者: 奈々宮 紬
夢再生の魔法使い
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陸拾質話.第3鑑定書

「すいません、指名依頼を頂きたいのですが。」

「メルトさん、ですね?分かりました......これはダメですね......ラマダ子爵邸近辺の森の“シャナワース”の討伐はもっと経験のある方に......」


「“シャナワース”っていうのは魔法を使うクロネコなんだよ!とても速度が速くて、普通なら危険なんだけど......メルトなら多分大丈夫なんだよ!」


「あ、大丈夫です、それをお願いします。」

「いいのですか?この依頼はFランクはおろか、Dランクの方も失敗しております。最初はやはり簡単な方が......。」

「大丈夫ですよ。」

「......分かりました。では指名させていただきます。......本物の森ですので、燃やさないでくださいね?」

「燃やしませんよ。」


メイさんにはイマージナリーフィールドで森を燃やした件で、少し怖がられている気がする。前までは笑顔だったのに、この頃はほぼ無表情なんだよな......。


「では、これがラマダ子爵邸への地図になります。半日ほどかかりますので、現地近辺の宿の場所も書かれています。ぜひご活用下さい。」

「分かりました。ありがとうございます。」


最後にそう言って俺とシャーノはギルドを後にする。さて、ラマダ子爵邸へ向かおうか。


「メルト、ちょっと待って欲しいんだよ。」

「ん?別にいいが......。」

「これに魔力を流して欲しいんだよ!」

「これは......?」


シャーノが持っていたのは薄汚れた紙のようなもの。......これ、どこかで見たことあるような......あ!


「これって......俺とシャーノが初めて会った時にシャーノがステータスを写し出した紙か?」

「あれは第1鑑定書なんだよ。で、これは第3鑑定書......一番高価な鑑定書なんだよ!」

「そんなものに魔力流して......って、ステータスを見ろってことか?」

「そうなんだよ!」


でも、ステータスってギルドカードで見える分で十分なんじゃないか?もしかして、他にもあるのか......?


「魔力を流せばいいんだな?」

「うん!」

「分かった。」


シャーノの言うことだ、何かしら意味があるんだろう。やってみるか......お、文字が出てきたな。



呼称:メルト

性:男

種族:人間

属性:火(+10)・水(+10)・木(+10)・光(+10)・闇(+10)・無・共鳴

スキル:強化魔法(火・水・木・光・闇)

アビリティ:被ダメージ軽減30% 与ダメージ上昇30% 状態異常耐性60% 強化魔法持続100%

体力:1496/1496(+680)[×2.0]

魔力:989/990(+450)[×2.0]

攻撃力:1716(+780)[×2.0]

防御力:1430(+650)[×2.0]

回復力:4.4%(+2%)[×2.0]

速度:+154%(+70%)[×2.0]

危機察知:264%(+120%)[×2.0]

運気:22%(+10%)[×2.0]

加護:“夢干渉”(被ダメージ軽減30% 与ダメージ上昇30% 状態異常耐性60% 強化魔法持続100%)

渡り精霊の願い(全ステータス2.0倍)



「......。」


まず、状況を整理しよう。アビリティとスキルという項目が追加され、更に回復力、速度、運気、加護という欄も追加された。そして、ステータスの内容だが......


「なぁ、シャーノ......」

「回復力っていうのは体力と魔力が1秒間に全体の何%回復するかを示しているんだよ!」

「いや、そうじゃなくて......」

「速度っていうのは、その人本来の速度より何%速く動けるかっていうのを示しているんだよ!」

「全ステータス......」

「危機察知っていうのは、その人本来が持つ危機察知能力より何%多く察知できるかっていうのを示しているんだよ!」

「2倍って......」

「運気っていうのは、その人本来が持つ運気より何%多く運がまわるかっていうのを示しているんだよ!」

「どういうことだよ。」

「加護っていうのは、一部の種族によって与えられることがある、ステータスやアビリティ補正なんだよ!」


うーん、話を聞いてくれない......っていうか誤魔化されている気がする。“夢干渉”っていうのも、渡り精霊の願いっていうのもシャーノがやった加護だよな......?


「ち、ちなみに、“夢干渉”っていう方は、私と一緒に長期間過ごせば私の意思とは関係なく発現する加護なんだよ!」


「......つまり、渡り精霊の願いの方はシャーノの意思で俺にくれたってことか?」


「......そう...なん......だよ............」


シャーノはなぜか少し恥ずかしそうに俯いた。顔を見ると少し赤くなっている。何でそんなに恥ずかしがってるんだ?


「何か恥ずかしいのか?」

「そ、そんなことないんだよ!は、早く行こっ?」

「......分かったよ。」


やっぱり何か恥ずかしがる理由があるっぽいが......まぁ、本人が言いたくないなら無理に聞き出す必要もない、か。まぁでも。


「シャーノ、ありがとうな。」

「......。」


お礼だけは言っておこう。俺のことを考えてのことだろうし。


「ど、どういたしまして......なんだよ。」


また、シャーノの顔が赤くなった。

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