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魔法使いメルトの物語  作者: 奈々宮 紬
夢干渉の精霊
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肆拾肆話.閉じられた物語

「あーあ、物語が閉じちゃうよ。」


「つまり、フレンの選択は正しかったって事だな。」


「本当に、私に権限を渡すのが正しかったのかな......。」


「私は正しかったと思うぞ。こうして読者が私たち“決着者”を観測している以上、私たちも物語の一部だ。つまり、ここでも正しい選択をしなければ物語が閉じることもないだろう?」


「それはたしかに。僕たちも物語の一部なのは確実だと思うよ。」


「そんな事はどうでもいい。俺たちはシステムの開発を急ぐだけさ。」


「そうだな。」


「でも、この物語は貴方の物語だよね?“夢再生の魔術士”さん。」


「......“夢渡航の愚者”も、今から自分の物語がどう変わろうと、今ここにいるお前という存在は変わらないだろう?じゃあ、考えるだけ無駄だ。俺の中には確かにシャーノとの時間がある。......この物語とは少し変わった形だがな。」


「......。」


「重い空気は苦手なんだよねー、話を先へ進めていいかな?」


「いいよいいよー!」


「私は構わないわ。私もこういうの苦手だもの。」


「たしかにさっきから一言も喋ってないもんね、“夢契約の力”さん」


「......覚えてなさい、“夢輪廻の塔”」


「あーそこ、喧嘩しない!」


「“夢編集のスピナー”まで......どうして“決着者”はこう、空気を読めない人ばっかりなのかしら。」


「お前らに任せると話が全然纏まらないな。」


「やっぱりこういうのは今、下に降りている彼と彼女の得意分野なんだよねー......っていうかそういうなら“夢管理の恋人”が取りまとめれば?」


「......あぁ、分かった。では、これからの動きを確認しよう。俺と“夢再生の魔術士”はシステム開発に戻る。お前らは?」


「私もシステム開発に同行しよう。“夢未来の節制”からの情報によれば、時間はあまりかけられないようだしな。これでも頭はそれなりに回るからこき使ってくれ。」


「“夢先導の教皇”は俺たちと同行だな。“夢輪廻の塔”は?」


「僕の世界線に戻る......っていうか、この物語みたいに変な変化が起こってないかチェックしに行くよ。」


「それなら私も一緒に行くわ。貴方の物語には私の存在が必要不可欠でしょ?」


「分かった。じゃあ“夢契約の力”も付いてきて。」


「“夢輪廻の塔”と“夢契約の力”は世界線R-0001行きだな。」


「私はサクシャの領域に行ってくるよー!あそこに入れるのは私だけだし。」


「“夢編集のスピナー”はサクシャの領域だな。あとは......“夢渡航の愚者”か。」


「......私はここ、“白の世界”に残るよ。決着者の統率権限、渡されちゃったし。」


「分かった。ではこれにて解散にしようか。」


「今思ったんだけどさ、読者が覗いてるかもしれないのに誰がどの場所に行くかなんて大事な話しちゃって良かったの?」


「問題ない。読者は基本的に物語しか覗くことは出来ない。もうすぐこの“白の世界”と“魔法使いメルトの物語”は切り離される。そんな読者に俺たち、物語の外にいる“決着者”を観測する手立ては存在しないからな。少なくとも“魔法使いメルトの物語”が終わるまでは安全だ。」


「終わっちゃったら、どうするの?」


「それまでに決着をつければいい。俺たちは“決着者”だしな。」


「それもそうだね!」


「さぁ、本格的に物語が閉じようとしている。またこの物語中に集まるかどうかは“夢渡航の愚者”次第だからな。よろしく頼む。」


「う、うん!分かっ

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