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魔法使いメルトの物語  作者: 奈々宮 紬
夢干渉の精霊
30/90

弍拾玖話.命の泉水

“命の泉水”

それは命の泉から取れる水で少し飲むだけで怪我や病気がたちまち治るという水。


......と、こう説明するととても入手難易度が高そうだが、シャーノによると


「普通にやってたら一番楽に取れる材料なんだよ!」


......ということらしい。そして、肝心の入手方法なんだが......


「命の泉を見つけてその水を汲むだけなんだよ!」

「命の泉ってどこにあるんだ?」

「どこにでもあるんだよ!」

「どういうことだ?」

「地面を掘れば分かるんだよ!」


......まぁ、命の泉がどういうものかシャーノに聞いたことをまとめて言うと、地下に時々生成される水たまりみたいなものらしい。

どこかに生成しやすいなんていうこともなく、たまに魔力が集まった場所に泉が出来るらしい。

......魔力便利すぎ問題は後で言及するとして、本当にバラつきが酷く、10分掘って出ることもあれば1週間掘り続けても出ないこともあるんだとか。

ここまで説明して何が楽なのかは分からなかったと思う。だが、“命の泉水”を手に入れるのは本当に簡単だ。なぜなら......


「あ、メルト!売ってるよ!400万フィロだって!今まで見た中で一番安いんだよ!」

「シャーノ、冗談も大概にしとけ。今の俺にそんな金はない。」

「分かってるよー!」


なんと、今までの材料と違い、最高級ポーションとして売ってるのだ。......まぁ、値段は大体500万フィロ〜600万フィロ、安くても400万フィロと、俺には手も足も出ない額だが。

......まぁ、買えないとなると、やることは決まっていて。


「メルト!ここの地面は柔らかいんだよ!」

「んじゃ、ここを掘るか。」


掘るしかないよな。あ、ちなみに不純な魔力が混じった“命の泉水”は使い物にならなくなるらしいから魔法禁止、つまり手作業で。

......まぁこんな作業、1時間もすれば飽きてくるわけで。


「......終わりの見えない作業ほどやりたくないものはないな。」

「頑張れ、なんだよ!」


結局1日目は10時間ほど使ったが見つけることは出来ず、2日目の6時間ほど使った時、かなり嫌になってきた時にやっと見つけることが出来た。

適当にスコップみたいな道具を魔力で作って掘っていたのだが、そのスコップで掘ったところから水が湧き出てきた時は嬉しくて泣きそうになったな。


「メルト!“命の泉水”なんだよ!早く取るんだよ!」

「あぁ、分かってる。」


持ってきたガラス瓶で“命の泉水”をすくう。......こう見ると普通の水と変わらないんだがなぁ。


「じゃ、作業も終わったし、帰るか。」

「うん!」


......初めて何事もなく材料を回収出来た気がする。いつもは大体、想定外のイベントが起こって苦労するんだが......まぁ、この方が楽だからいいけどな。

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