弍拾質話.交錯する者たち
「面倒くさい存在を物語に呼んだようだな」
「......まさか、そっちから接触してくるなんてね!驚きだよ!」
「お前は一体......?」
「俺は“夢破壊の審判”、世界を断罪する者だ」
「で、審判さんは何の用かな?」
「そこの存在......フレンに話がある。」
「僕に......?」
「そうだ。だからサクシャ、少し出て行ってもらおうか。」
「えー、つれないなー!僕もそのお話に興味があるんだけどなぁ!」
「出ていかないなら強制的に退去してもらおう。」
「あー待った待った!ストップ!出て行くからさ!手荒なことして物語を壊さないで欲しいよね!」
「......気配なし、大丈夫だな。さて、フレン、話と行こうか。」
「僕と何を話す気だ。」
「おっと、警戒しないで欲しいな。お前には物語を盛り上げる1つの香りづけ役になってもらう。」
「香りづけだと?」
「そうだ、お前はもはや主人公ではない。このままではサクシャに利用されるお助けキャラと成り果てる。そうなるくらいなら俺の手助けもやぶさかではないだろう?」
「......。」
「もちろん、ただで働けという話ではない。俺の言うことを聞いてくれるなら、夢破壊の力の使い方を教えてやろうじゃないか。」
「......何?」
「それは今、お前が1番知りたいことのはず......さぁ、悪い取引ではないだろう?」
「......分かった。1度だけお前の言うこと聞いてやる。さっさと言え。」
「1度とはお前もいい立場になったものだな。いいだろう。1つだけ聞いてもらう。」
「なんだ、早く言え。」
「主人公に協力するフリをして、主人公に一番近しい者を1人、殺せ。」
「......了解だ。」
「理解したな?では、地上へ下ろそう。少しの間目を瞑るといい。」
「......。」
「よし、これで物語に1つの香りが追加された。あはははは!これは面白くなりそうだ!」
「......。」
「さて、あとはそこでずっと話を聞いていた“夢渡航の愚者”を処分するだけだな。」
「......どーしてバレるかなぁ......“夢破壊の審判”ってマジでヤバイね?下手したら“夢研究の月”よりも怖いかも......。」
「何を言うか。お前の力も大概だろう。“夢契約の力”も“夢吸収の吊るされた男”でさえ敵わない力を持つというのに。」
「ちょっと待ってその話ここでしちゃっていいの?ドクシャ、完璧に見ちゃってるよ?」
「別にいいだろう?どうせしばらくすれば分かることだ。」
「ま、それもそうなんだけどね〜。」
「そういえば、なぜお前はそこまで白の世界に固執する?別に自分の領域も持てるだろう?」
「私は別に貴方みたいに物語に直接争う訳じゃないからね〜っていうか、貴方の出番はまだまだ先になのにしゃしゃり出てるのが問題なんだよ!」
「仕方ないだろう?退屈な物語は読者を減らす。そうなると困るのは我々だ。」
「ま、それもそうなんだけどね〜。」
「さて話をそらしまくってなかったことにしようとしてるのは分かってる。どう処分してやろうか。」
「ちょっとー、そんなこと忘れてくれていいから!」




