弍拾話.白の世界にて
「フレン......やりすぎ。」
「いやだって襲われたんだから反撃しないと死ぬじゃないか。」
「無力化、もしくは怖がらせるだけで良かったよね。」
「......僕はこの世界の人間じゃないから魔法なんて使い方分かんないし......。」
「夢破壊の力を使えば良かったんじゃない?」
「......それは、まぁ、確かに。」
「なんで主人公が狩る予定の魔物先に狩っちゃうかなぁ......貴方みたいな人がいるから物語が歪むんだよ?」
「はい、反省してます。ごめんなさい。」
「しかも、彼らの記憶まで消しちゃって......やりすぎ。」
「ん?ちょっと待って。僕は別に記憶なんて消してないよ?」
「え......?で、でも、確かに彼らには光龍と出会った記憶が......。」
「......嘘......誰がそんなことを......ってまさか!」
「こんなことできるのって物語を書いてる本人ぐらいなもんだよね、サクシャ。」
「......サクシャがここに居ないって珍しいね?」
「あの人は私たちとは訳が違うんだからわざわざこの世界に拘る必要がないってことじゃない?」
「そんなもんかな......ところで、この世界の主人公である夢再生の魔術士の記憶ってどうなると思う?」
「貴方が予定にないことしちゃったから改変してるんじゃない?彼は今どこに......。」
「ログを見る限りO-0935、夢管理の恋人の物語にいるっぽいよ。」
「あんな何もない世界にどうして......。」
「それは夢管理の恋人からシステムを学ぶためなんだよ!」
「あ、夢渡航の愚者、久しぶりだねー。」
「うん、久しぶり!貴方たち相変わらず仲いいよねー!」
「貴女も元気が良すぎ。少しは大人しくしたらどう?“番外の主人公”ってただでさえ嫌われてるんだから......」
「夢堕ちの女帝の方がひどいじゃん!私はちゃんとした〇〇〇〇だけど、貴女は〇〇〇〇ですらないよね!」
「ん?そうなの?」
「......ナギサ、後で覚えてなさい。」
「あー怖いよー!」
「......逃げ足も速いよね。元気がいいのはいいことだと思うけど。」
「あの子は私たちと同い年のはずなのに妙に生意気なんだよね。一度サクシャに言いつけて......ってこの時代のサクシャはまだ役立たず......残念だよ、全く。」
「まぁまぁ、彼女は悪い子には見えないし、もう少し遊ばしてあげよう?今のところ目立つ問題も起こしてないことだし。」
「はぁ、分かったよ。」




