拾捌話.光龍のダンジョン
「メルト!一旦休憩しよ!」
「あ、あぁ!分かった!」
俺は今、真っ黒の扉にただひたすら魔法をぶつけている。
どうしてこうなったかというと......
昨日、ルー洞窟にて。
「“ルー鉱石”は手に入ったから......次は何を取りに行こっかなー!」
「......?それはどういうことだ?」
「言ってなかったー?“聖光の杖”を作るためには“ルー鉱石”、“光龍の巣片”、“不老樹の枝”、“生命の泉水”、“精霊の魔石”の5つが必要なんだよ!」
「......え?“聖光の杖”に必要なのは“ルー鉱石”だけじゃないのか......?」
「そんなわけないんだよ!」
「......まじか。」
......ということであれから一晩明けて、今日は“光龍の巣片”とやらを取りに来ている。
“光龍の巣片”というのはその名の通り、光龍の巣のかけらのことだ。光龍の巣というのはダンジョンに囲まれているのだが、そのダンジョンというのがひたすらに面倒くさい。
光龍の巣のまわりのダンジョンは竹のような筒状になっており少し進むごとに壁にぶつかる。これじゃ光龍も通れないのではとも思ったが、光龍だけが通り抜けることが出来る魔力でできた壁らしい。しかも、魔力パワーで1分ほどでまた再生する。......なんでもありだな、魔力。
ダンジョンというくらいなのだからもちろん魔物も定期的に現れる。これがまためんどくさい。主に出てくるのは“ブラッドバット”というコウモリのような魔物で、不意打ち攻撃で噛み付いてきて、ランダムの状態異常を与えてくるそうだ。......ゲーム感がすごい。実を言うと、不意打ち攻撃の前にシャーノが教えてくれるので死ぬことはないのだが。
ダンジョンは壁や魔物、全てが真っ黒だ。光龍っていういかにも光ってそうなやつの巣なのに。まぁ、そのおかげか、不思議と前が見えるほどの明るさは保たれている。シャーノに横の壁を壊して掘り進めればいいんじゃないか?と聞いたところ、横の壁は魔力の壁じゃなく、本当に壁で、硬いなんてレベルじゃないらしい。......なんたる理不尽。
「ところでシャーノ、さっきから俺たち以外に全く人がいないんだが......どう言うことだ?」
「光龍の巣を見つけるのはものすっごく難しいんだよ!私は前に来たことがあるから場所がわかるけど、周りと同化していて、知らなかったらまず分からないんだよ!」
なるほど。そういえば俺たちが入った場所も丘のような場所の中腹だった。ただ植物がある場所を攻撃しろと言われて困惑したくらいだしな。
「で、この壁はあとどれくらいか分かるか?もう10個は壊したが......。」
「前に来た時は14個だったはずだよ!」
じゃああと4個くらいか。
「よし、じゃあ、もうちょい頑張るか。」
「休憩はもういいの?」
「あぁ。」
終わりが分かったら少しはやる気が出た。さて、頑張るか。
そして、これから少しずつスピードアップし......終わりの時が近づいてきた。
「よし、これで壊れたか......あ、もしかして......。」
壁の先はさっきと同じような筒のような場所ではなく、広い空間。そして、頭上にはとても大きな何かがあった。
「うん!ここが光龍の巣だよ!」
やっとたどり着いたな......。




