12/20
島
砂浜に血が飛び散った。硝煙は潮風に消える。眉間に穴の開いた死体——それが最後の者だった。他二名と共に、磔から砂地へとおろされた。死んだ方は安らかな様子で、寧ろ撃った側が顔をしかめている。
南国の島。十二月末の処刑場。
互いの故郷では静かに雪の積もり始めていた。
両手を胸元で重ね、死体は天を仰ぐ。浜辺に何列にも並ぶ者皆が、敬礼を向けていた。
真白に陽光は照りつけ、さざ波が揺れるだけの時を晒す。他は動かない。はげた森、へこむ大地、無数の死体。黒々と淀む島の周りの海は底なしに透明で青い。
まだ誰も動かぬ中、遠く向こうから一羽の鳥がその上空を飛んでいった。すると、ポトリと白い糞を森の中へと落としていった。
丁度窪みに落ちた糞から一つの種もみが時を隔て根付いた。それは次第に大きな木へと育ち、新たな種を蒔き森へと茂る。
六、七十年経ち、ようやく島は周りの青と同様に鮮やかな緑を宿していた。
白骨はその地中に埋まるままで。




