第3話 DM
こんにちは、ヤサイローリングです。
沙絵里のSNSの投稿はどう事態を動かしていくのか。
それでは、どうぞ。
翌朝。
なんとなくスマホを開くと、通知が来ていた。
SNSのDMの通知だった。
通知を開くと、送ってきたのは知らないアカウントだった。
警戒しながら、送られてきたメッセージを見ると...
「転生できる薬があります」
は?
あなたは何を言っているのですか。
思い当たる記憶がないか思い出すと、昨日の職場での出来事が思い浮かんだ。
「愛されないなら、いっそ転生してやりたい。」
これだ。この投稿だ。
これに反応したのか。
転生できる、なんて有り得ない。
そんな言葉など信じてはいけない。
分かっている。
分かっているのだが、どうしても「転生できる」という言葉の誘惑に負けそうだ。
だめだ。そもそも薬なんてよくない。
薬がもしただの違法薬物だったりしたらどうする。
転生なんてせず、ただの生き地獄になるだけだ。
でも。
私はスマホを再び握りしめた。
◇
返信が来た。
「集合場所は東京都〇〇区〇〇△△です」
私は仕事を休む連絡をして、家を出た。
◇
私はスマホを握りしめて、集合場所へ向かう電車に乗っていた。
ラッシュが終わった後だったので、比較的空いていた。
私にどんな運命が待ち受けているのだろうか。
薬が転生できないただの薬だったら、という妄想が頭を駆け巡っていた。
人生が終わるかもしれない。でももしかしたら本当に転生できるかもしれない。
その時の私は淡い、小さな期待に賭けるしかなかった。
◇
電車を降りると、たくさんの学生らしき人がバックヤードへと入っていくのを目にした。
緊張で幻覚を見ているのだろうか。そんな気さえした。
集合場所は最寄りのバス停からでも20分歩く必要がある。
なぜ交通の便利でないところが集合場所なのか引っかかった。
◇
バスを降りると、そこは都市に隣接する田舎、というような場所だった。
正直言って、気味が悪い。
いつもの私なら入っていく気にはなれないが、転生できるかもしれないという希望を信じて、進むことにした。
◇
しばらく歩くと、そこそこ大きな山村に出た。
その中に、周囲の景色には似つかわしくない廃ビルが一棟建っていた。
どうやら、あそこが集合場所らしい。
近づいていくと、廃ビルの窓から一人の男がこちらを見ていることに気づいた。
男は私と目が合うと、すぐに窓から姿を消した。
私が廃ビルの前までたどり着くと、先ほどの男が外に出てきた。
「ようこそ」
そう言って男は、強烈なタトゥーの入った腕で廃ビルの入口を指し示した。
沙絵里は、そのタトゥーに恐怖を覚えた。
これまでは「転生できるかもしれない」という思いだけで、不安や疑念を押し殺してきた。
しかし、ここで初めて、本当の恐怖を感じた。
(やっぱり、来るべきじゃなかった。)
だけど、その男は私よりも圧倒的に力があるだろう。
今から逃げ出したところで、あっという間に捕まってしまう。
引き返すことはできない。
沙絵里は震える足を一歩、前へ踏み出した。
中に入ると、そこには屈強な男たちが何人もいた。
タバコを吸っている者や、怪しげな白い粉を扱っている者までいる。
中には、何かに興奮したように暴れている男もいた。
その場にいる女性は、私だけだった。
当然のように、男たちの視線が私に集まる。
先ほど出迎えてくれた男が目の前の階段を指さして誘導した。
何階か上がると、王様のように偉ぶって座っている太ったサングラスの男がいた。
「やぁ、よく来てくれたな」
こんにちは。
今回は自作『十二支陰陽録』の颪駅オマージュがあったのが分かりましたでしょうか。
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それではまた次回。
(3日以内には次回を更新できればよいかな、と思っています。よろしくお願いします。)




