僕の宝くじ その3
僕らは家に着いた。
まだ春なのに結構汗をかいてしまった。
一旦着替えた。
僕はスーパーで周りから変な目で見られていたらしい。
他の人にはわらしの姿や声も聞こえないので、僕は結構大きめな独り言を言っている人に見えただろう。
変な目で見られるわけだ。
わらしはそのことに気付いていたにもかかわらず黙っていたわけだが。
「じゃあ僕は外でわらしと話さないほうがいいってことか」
「いや、方法はあるぞ」
『おーい、聞こえるか?』
ん?
今、頭の中にわらしの声が勝手に聞こえてきたぞ。
「これは『念話』じゃ。
儂の妖力を使ってお前さんの頭の中に直接話しかけておる。」
すげー。
何か妖怪っぽいわ。
初めてわらしのことを妖怪だと思ったかもしれない。
「それって妖怪なら誰でも使えるのか?」
「いや、使えるやつと使えないやつがおるな。
少なくともあの爺さんは使えるぞ」
おじいさんも使えるらしい。
あのおじいさんについてはもうよくわからない。
謎だらけだ。
「ところで僕から念話は送れるの?」
「無理じゃな。念話は妖怪しかできないからな」
じゃあ意味がないじゃないか!
結局普通に話して周りから変な目で見られることになるのか。
それで友達できるのかなあ?
「家に帰ってきたんだからスクラッチ削ろうか」
「そうじゃったな。
すっかり忘れておったわ」
僕はさっき購入したスクラッチを取り出した。
そのスクラッチには有名なアニメのキャラクターが描かれていた。
海外でも人気なアニメだ。
「そもそも本当に当たるのか?」
「儂をなめるな。宝くじを当てるくらい朝飯前じゃ」
すごい自信だな。
これで全部はずれだったらどうするつもりだ。
僕はわらしにスクラッチを削る用の10円玉を渡した。
わらしはすごい気合いが入っているように見える。
「いいぞ」
「うりゃー」
面白い掛け声でわらしはスクラッチを勢いよく削りだした。
勢いが良すぎて削りかすがあちこちに飛んでいる。
掃除が大変だからもう少しゆっくり削ってほしい。
「お、当たったぞ」
そのスクラッチは九つ削るところあって、それぞれに絵柄が描かれている。
タテ、ヨコ、ナナメのどれでも同じ絵柄がそろえば当たりだ。
そろって絵柄の応じて当選金額が変わってくる。
一等が100万円、二等が10万円、三等が5万円、四等が1000円、五等が200円だ。
見ると確かに当たっていた。
その絵柄は四等だった。
つまり1000円だ。
「お、すごいじゃないか」
「よし、もっと当てるぞ」
わらしはどんどん削っていった。
以降の結果は、五等が三つ、四等が二つ、はずれが三つだった。
一口200円で10口購入しているのでもうこの時点で勝ちは確定している。
宝くじは還元率が低いと言われているので十分な結果だろう。
次で最後の一つだ。
「最後は本気を出すぞ」
10円玉を持ったわらしの手が光った。
そんなエフェクトもあるの?
削っている時もわらしの手は光ったままだった。
そしてやはり絵柄がそろっていた。
その絵柄は・・・
一等だった。
100万円当ててどうするんだよ。
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