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第七十五話 提案

地上の管理者として、仕事です。

夜間の内に自分達だけでダンジョンボスを処理すべきか考えたが、打ち合わせ後に対応することにした。


根田 「ダンジョンボスが復活していますが、打ち合わせ後に処理する方が良いでしょう。」


光華 「そうですね。ダンジョン内が変化している可能性もありますし、神殿の者が同行する方が良いでしょう。」


根田 「現状、罠は再生中ですね。魔物も7割再生した程度です。20階層までは、通常の状態です。対応するなら21階層からで大丈夫です。」


黒乃 「太郎様、再生スピードは、どんな感じ?」


根田 「明日の午後には、我々が潜った時と同程度になりそうです。」


玉樹 「魔物の種類などはどうですか?」


根田 「種類は変わってません。ただ、ダンジョンボスの泥酔牛が、雌になってます。」


竜 「太郎様が考えた魔物で、他の種類が出る可能性は、どうですか?」


根田 「私もそれが気になったのですが、良く考えたら、魔素を発生させた時点で考えていた魔物の種類は、遭遇したので全部ですね。あの時欲しいと思っていた食材の魔物ですから。”ある程度強くても良いから、季節関係なしに食材手に入ればいいな。”って考えたやつです。特別な食材や種を入手するので、試練として存在したら嫌な魔物を考えましたから、酷い魔物になりましたけど。万年青の会議で相談して、専用のダンジョンでも設定しようかと考えていたんです。魔素を発生させた後に、考えた魔物もありますが、ダンジョンの魔物は、発生させた魔素の影響なので、あれで全部です。ただ、泥酔牛は雄・雌考えたので、今回は雌になったのでしょう。」


光華 「雌の場合は、何か変わるのですか?」


根田 「弱点が減ります。睾丸がありませんから。後は、ドロップ品ですね。乳脂肪分の多い濃厚な乳をドロップする時があるはずです。水牛の乳よりもずっと栄養価も高いです。生クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトもドロップします。乳と乳製品は雌だけです。乳の味は、濃厚で美味しい筈です。我々が潜った時は出ませんでしたが、雄・雌とも角もドロップするはずです。魔法使い用の杖として加工すれば、魔力消費が激減して、効果をアップする杖を作れるはずです。私が考えた性質だとドロップするのは、1種類なんですが、今回は3つ出ましたね。」


黒乃 「太郎様が一緒だったのと、ダンジョンボスだったからだと思う。」


玉樹 「黒乃の言う通りですね。ダンジョンボスがドロップするのは、複数なんですよ。まあ、外れで1種類とかドロップしない時もあるのですが、ダンジョンの魔素量にも影響を受けるので、太郎様が倒す場合は複数出ますよ。それに聖都のダンジョンは、エレー様の加護が土地にあるので、最低でも1種類は必ず出ますよ。」


そうなんだ。ダンジョンの仕様とか気にして無かったので、初耳だ。

だって、マジックアイテムとか自分で創れるから、ダンジョン潜るの万年青で説明受けた時、考えなかったし。


根田 「なるほど。この世界のダンジョンの仕様に従った形ですか。」


竜 「太郎様が発生させた魔素は希釈したので、この世界の設定に従ったのだと思います。」


そういうことか。


根田 「そう言うことですか。まあ、ダンジョンに関しては打ち合わせ後ですね。冒険者ギルドへの情報開示に関しては、神殿に任せましょう。私が関係しているのは、知られると不味いですしね。後はアイテム類ですが、20個程度なら複製を作っても良いですよ。10人程度で探索すれば、ダンジョンボスも地上の者で倒せるでしょう。ただ条件として、他の大神殿の者や世界樹の森のハイエルフと闇の大神殿の者にもアイテムを貸して、資源を独占しなければですけど。」


光華 「そうですね。現状だと聖光国を優遇した形ですから。」


黒乃 「それが良いと思う。打ち合わせ次第だけど。」


玉樹 「不公平が出ないように、我々が潜って、情報と食材・種などを他の大神殿へも授けますか?」


竜 「打ち合わせしてから、問題があるようなら、アイテム・情報・食材・種を他の大神殿へ授けるのは、どうでしょうか?」


根田 「そうですね。打ち合わせで説明して、アイテムなども聖光国と同じだけ他の大神殿へ授けましょう。その方が公平です。」


それに、ハイエルフや魔族と交流できれば、人族にもプラスになるだろう。

特に砂糖に関しては、聖光国以外にも授けてあげたい。

そんなことを考えていたら、光華さんが質問だ。


光華 「太郎様、試食には何を出しますか?」


根田 「そうですね。泥酔牛のステーキを出しましょうか。希少部位も沢山あるので、イチボを焼きましょう。他の食材の試食もありますから、量は少なくていいですし。レベルアップやステータスアップは、食べた量関係無いので。野菜やキノコも肉体強化の効果はありますしね。地上の者は気付いて無かったですけど。」


黒乃 「それは仕方ない。ステータスに現れない耐性力アップだし。」


そうなんだよね。体力も上がるけど、急激に上がるわけでは無いから、気付かないんだよね。

ちなみに野菜は防御力が上がって、キノコは毒に対する耐性が上がる。


玉樹 「そう言えば、泥酔牛の皮は良い物ですが、加工が難しいのでは?」


根田 「それはありますが、ドロップ品は鞣した状態ですから。ミスリルのナイフなら切れるので、大丈夫ですよ。ドラゴンの皮ほど難しくは無いです。」


竜 「そうなのですか?」


根田 「鱗も無いですし。ドラゴンの皮は、鱗がとても固いですから。」


ドラゴンの鱗は、生きているときは、柔らかいが、死んだり、生え変わったりして剥がれると固くなって、加工するとミスリルのナイフ並みに切れ味がある。まあ、鱗なので放っておくと腐るけどね。金属の性質を持つメタル系ドラゴンの鱗は、元になった金属との合金なので、腐らないけど切れ味は、それほどでもない。ドラゴンは鱗に魔力を通すことで物理攻撃や魔法攻撃を防御する。魔力を通さなくても物理耐性や魔法耐性が高いけど。

鱗は魔力を流せば加工できる。ただ、結構な魔力が必要になるけどね。腐らない様に特殊な保存液で処理が必要だけど。これは万年青で教えて貰った。

ドラゴンの討伐はめったに無いが、加工技術はドワーフや錬金術師に伝わってるので、大丈夫だ。聖光国も持っていたはずだ。

ドラゴンの皮は、鞣すのに専用の薬液が必要だ。いろんな薬草を錬金術で加工する必要がある。魔族とかエルフが知っているし、薬草も比較的簡単に入手できるものだ。配合が難しいけどね。

泥酔牛の皮の加工は、必要ならお手本見せるよ。今回は俺のミスだし。


根田 「まあ、打ち合わせ次第ですが、資源の独占をするようなら、皮は渡しません。21階層以降の魔物は、私が倒したので、私に所有権ありますし。」


そう言うと皆納得している。

文句言ったら、隠し部屋を開放しないし、魔素分を間引いたら、設定をいじって21階層以降を消滅させる。

それをやっても元通りなだけだしね。

精霊と竜も同意してくれたので、後は打ち合わせ次第だ。



◇◆◇◆◇◆



夜が明けたので、拝殿で祈りを受け取って、今日は研究職の二人と朝食だ。


根田 「ダンジョン産の食材を使った朝食です。ポタージュスープを作りましたので、どうぞ。」


南瓜の煮付けも作ってみた。洋風と和風が混在だが、勘弁してくれ。スープはキノコをたっぷり使ったものだ。

後は、卵焼きとパンだ。この後打ち合わせで試食もあるからね。


アカヤ 「根田様、これは何ですか?」


アカヤさんが南瓜の煮付けを聞いてきた。


根田 「南瓜と言う植物の実を煮たものです。これですよ。栗南瓜という魔物を倒すとドロップします。他にバターナッツと言う魔物も南瓜ですが、形が違います。」


西洋南瓜を見せる。


トチバ 「美味しいですね。根田様、バターナッツも見せて貰って良いでしょうか?」


バターナッツを見せる。


根田 「実を割ると中に種があるので、使えます。打ち合わせが終わったら、説明しますよ。あ、異世界だとこういうのもありますよ。お祭りで使ったりします。」


そう言って、ハロウィンかぼちゃを創生する。これは観賞用品種で食用不可だ。


根田 「これは観賞用品種なので食べれません。中の構造は一緒です。こんな風に種が入ってます。バターナッツは下の方に種があります。」


研究職の二人が観察している。


根田 「冷めますので、先に食べてください。食べてくれないとふざけますよ!」


そう言って、南瓜をくりぬいて顔にしたものを被ってみた。


根田 「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー。」


お約束でナマハゲの台詞だ。


精霊達 「太郎様、それナマハゲ!南瓜は、ハロウィンで”お菓子をあげるから、性的な悪戯させろ!”でしょ。」


それ違うから!それだと事案発生だから!


根田 「それも違いますよ。ふざけるのは止めて、食べたら打ち合わせに行きましょう!」


研究職の二人が笑ってるよ。

朝食を済ませて、打ち合わせだ。



◇◆◇◆◇◆



打ち合わせで、会議室に来たが、今回は大人数だ。

中級ダンジョンが上級になっていて、有益な資源である食材と植物の種、特に砂糖を入手することができるのだ。大人数にもなる。

出席者は、聖女、属性の巫女4名、大神官長、騎士団長、大神官3名、研究職2名、義足だった神官(現地調査部門責任者だそう。ダンジョンや鉱山など資源調査をする部門だ。足を失ったのは、ミノタウロスの群れに、鉱山調査中襲われたそうだ。死者も出たけど何とか倒せたそう。ミノタウロスは、ダンジョン以外に洞窟なんかにもいるんだって。廃坑に住み着いたりもするそうだ。足を失ってからは、事務方だったけど、俺が治したので現場復帰したそう。この神官さんは、ゴヨウ・アケビって名前だ。ゴヨウさんは、大神官とステータス的には互角だ。しかも戦闘力なら上だよ。)、話がそれたけど、他の出席者は、師匠さん、見習い4名、俺、精霊3名に竜だ。

魔物の強さに関しては、師匠さんや見習いが説明した方が良いだろう。階層ボス倒してるから、強さ分かるだろうし。攻撃パターン見せたしね。


さて、ダンジョンが上級になったのは、俺の責任なので、司会進行役で説明しよう。


根田 「上級ダンジョンになった原因は、私が発生させた魔素です。21階層以降の魔物は、私が考えた魔物です。1級と2級ですが、2級でも1級に近い強さがあるので、探索する場合は注意が必要です。それに、20階層の隠し部屋は、入るのにアイテムが必要です。現在は、普通の壁で塞いでいるので、私が開けないと入れません。私が原因なのは、極秘でお願いします。」


そう言って、通路の毒床やアイテム類を説明する。

見習いの装備が特殊なのも説明した。


根田 「私が発生させた魔素分は、間引きますので、心配はいりません。それに毒床は、魔物にも有効なので、21階層以降の魔物が、上がってきても毒床で死にます。問題は、冒険者ギルドへの情報開示範囲と開示時期ですね。下層のドロップ品は、食材と種ですから、冒険者にとっては価値が無いでしょう。宝箱は、必ず出るものでは無いですし。それに毒床に対応できる装備を持っている者も少ないでしょう。」


ソコトラ 「根田様の説明にあった毒床もありますが、キノコの魔物は厄介です。魔法が使えればいいですが、対応できる魔道具が無ければ探索は、現実的では無いでしょう。今回は、根田様たちが同行してくれたので、レアアイテムや魔物対策用マジックアイテムも入手出来ていますが、普通は無理です。」


見習い以外は、俺の正体を知っているので、皆納得している。

見習いも竜が同行していたから、入手できたと思っているからな。


根田 「提案ですが、種に関しては、聖光国で資源を独占せず、他の大神殿や世界樹の森、闇の大神殿への提供をお願いします。その代わり、交流ができるよう、大神殿間を転移できる魔道具を授けましょう。一度に移動できる人数は5名、月に往復3回という制限付きになりますが。どうでしょう?探索用アイテムも20個程度なら複製しますよ。」


そう言うと、皆が驚いている。


ベラ 「根田様、よろしいのですか?」


根田 「私が原因ですが、現状だと聖光国を優遇する形になりますので、地上の管理者として、問題なのです。」


キダチ 「根田様の提案は、聖光国として有難いものです。世界樹の森や魔族と交流が持てるのは、願っても無い事です。」


アカメ 「騎士団も交流ができるのは、有難いです。聖都は、人族の活動域の中心に位置しますが、魔族領の素材は入手が困難ですし、魔族製の強力な装備などが入手できれば、民も守れます。」


研究職の二人 「研究部門は反対する理由がありません。」


他の皆も賛成のようだ。

ダンジョンに関しては、俺が間引くまでは、情報開示はしないことになった。

まあ、その方が良いだろう。

他の大神殿へは、転移の魔道具を設置する必要もあるので、明日以降行くことになった。

属性の大精霊と黒宮さんに連絡したよ。

何故か喜んでいたけど。各大神殿の聖女さんに神託しておくから、早く来てくれとか言ってる。

それから、打ち合わせで泥酔牛のステーキを試食してもらったら、味を絶賛していたが、それ以上に全能力がアップする特殊性に驚いていた。食べた者によっては、レベルアップするからね。子供に食べさせるのは、問題と言うのは実感したので、神官と騎士団員が秘密厳守で食べることになった。

食堂のマスターを呼んできて、試食してもらう代わりに秘密厳守にして貰った。

マスターも料理人にしては、レベルが高いからな。若いときは、冒険者として食材を獲ったりしたそうだから。

アカメさんと詰所へ行って、神官と騎士に説明して食べて貰ったよ。食べると特殊性が分かるから、秘密厳守は大丈夫だ。

ダンジョン産ではなく、偶々発見した新種の魔物ってことにしてる。俺が、ダンジョンへ行っていたのは、皆知っているから。

問題は、肉を焼いた匂いが漏れて、マスターの息子さんが、つまみ食いしたんだよ。

まだ子供だから、泥酔状態になってさ。仕方ないから研究職の二人と”とっくり草”を煎じて、一滴与えたよ。

いきなりシャキッとしたけど、ぜーぜー言ってる。マスターに怒られてるよ。とっくり草は、状態異常は治すけど回復効果は無い。無理やりなレベルアップのせいで、成長痛のような痛みが全身に出ている。これは状態異常では無いから、しばらく我慢することだ。半日もすれば治るよ。

研究職の二人は、とっくり草の効能に驚いている。

息子さんはレベルアップしたけど、泥酔牛は、子供が食べたら不味いって、身を以て実感したみたい。

秘密は口外しないって、約束したけど、本人同意の上で行動制限掛けたよ。

間引くまでは、色々不味いからね。

神官と騎士は、泥酔牛を全員食べたので、肉は俺が持っている。

種に関しては、時間停止機能付きマジックバッグに入れて、研究職に渡したよ。

試食でスイカとメロンを食べて貰ったら、皆が美味しいって喜んでいた。

ダンジョンボスの宝箱も渡したよ。

土の巫女さんは、海の漁師が、魚を氷に入れて鮮度を落とさないようにしてるの知っていたよ。氷を作る魔道具はあるから。漁師ギルドで購入して、共同で使っているそう。

この辺も研究職で調べてみるそうだ。

後は、ダンジョンボス戦で使った、センブリ汁だけど、全員驚いていたよ。

ダンジョンと関係ないけど、水棲の魔物は、水からあげると動きが鈍くなるので、釣りとか漁は可能だって教えてくれた。

それは初耳だけど、ランクが高い魔物とかは、陸でもある程度動けるので、全部の魔物と言うわけでは無いそうだ。

それに、水棲の種族がいて、水棲の生物や魔物を獲って、交易しているそう。水棲とは言っても地上で活動も問題ない種族だって。ただ、地上だと一定時間ごとに水飲まないといけないらしい。

水棲の種族って何だろう?人魚かな?半魚人かな?でも変なのが、いるかもしれない。

それは置いておくとして、転移の魔道具を創らないとね。

早めにやって、皆の所へ行かないと。

特に黒宮さんは、待たせてるから。

頑張ろう。

うーん。話を膨らませると長くなるし、まとめようとすると説明になってしまう。

文章力が低くて、すみません。


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