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第六十九話 ネズミだけ?

ダンジョン突入です。

見習い達とダンジョンへ入ったが、ここは、石壁で出来た地下へ潜るタイプのダンジョンだ。

壁自体が発光しているので、松明等の明かりは必要ない。

介入するのは、好ましくないが、自分の神力で上級ダンジョンになってるので、ノウハウを授けることにする。


根田 「見習いの方は、気配察知は出来ますか?出来ないようなら、代わりの方法を教えますが。」


同行するにあたって、見習い達を鑑定しているので、気配察知のスキルを持っていないのは、知っている。


ソコトラ 「気配察知のスキルは、弟子も私も持っていません。風魔法を持っていますので、索敵は出来ます。」


まあ、風魔法でもできるけど、自分の周りとかって駄目なんだよ。頭上とか足元、背後なんかはね。

巫女見習いと元巫女の師匠さんは、種族特性の草木魔法と闇魔法、付与魔法以外は使える。神官見習いは、光魔法、回復魔法、火魔法は、二人とも使える。一人は風魔法、もう一人は土魔法が使える。土魔法が使える子は、付与魔法の適性がある。

あ、無属性魔法は、現在の地上の者は持っていないよ。

魔法の適性を調べる水晶の魔道具があるので、それで調べることができる。

大きな街の神殿と魔導士ギルドにあるので、手数料を払えば調べて貰えるそうだ。

適性はステータスで分からないから調べる必要がある。まあ、神族は鑑定すれば分かるけど。

話がそれたな。


根田 「風魔法でもいいのですが、光魔法で照明を使ってみてください。自身の頭上や周囲の気配が分かると思います。」


光魔法の照明などを使うと薄く魔力を纏う形になるので、何かが魔力に触れると分かる為、気配察知の代わりになるのだ。

授けた装備に回復効果があるので、この程度の魔法を使うならコストは掛からない。

見習い達が照明を展開した。


根田 「どうですか?周りの者が自分の魔力に触れると感覚的にわかるでしょう?ここのダンジョンは、壁が発光しているので、照明は不要ですが、魔法を使っていると魔力を纏うので、周囲の変化を感じられると思います。どうしても視覚情報に頼りがちになるので、足元に罠があるとか、頭上から何か落ちてくるとかは、対応しにくいですから。できる対応をしないで、攻撃されて怪我をするとか馬鹿らしいですからね。」


そう言って苦笑した。


ソコトラ 「確かにそうですね。ここのダンジョンは、罠も下層でないとありませんが、準備しておくのは良いと思います。それに頭上からの魔物の攻撃は、分かりにくいのは確かです。」


見習い達も納得したようだ。

索敵しながら、ダンジョンを進んでいく。

ゲームと違って、巫女や神官が刃物を持てない制限とか無いので、どんな武器を使うのか見てたら、鉄球に棘がついたハンマーみたいな武器を使ってる。メイスとか言うやつだな。

師匠さんは、変わった武器持ってるな。短い棒に棘がついていて鎖で長い棒とつながってる。フットマンズフレイルとか言う奴だな。

剣使わないのかな?俺は、まだ鍋出さないからね。

精霊達に念話で聞いてみた。


根田 『神殿の者は、剣使わないのですかね?』


光華 『メタル系の魔物とかは、剣による攻撃効きにくいですから。』


なるほど。


黒乃 『外骨格を持ってるタイプは、尖った部分を持ってる槌とかの方が、倒しやすい。』


自動車の窓ガラスとか割るやつも、そんな感じだよな。力を一点に集中するから。


玉樹 『ダンジョンの通路は、比較的広いですが、剣だと仲間を巻き込む危険が高いですから。』


それはあるかもね。通路は3m程度幅あるけど、武器振り回すには狭いもんね。


竜 『気配からすると、見習いの魔法で大丈夫だと思いますけど。それほど強い気配無いですし。』


それは分かるけど、感覚が自分達はズレてる可能性あるしさ。神や精霊、聖獣と地上の者は違うんだし。

まあ、危険なら俺が対応するけど。魔素発生させた責任あるし。

そんな感じで、通路を進んでいく。

風魔法でマッピングしたが、10階層ぐらいまでは、部屋もそれほどない感じだ。階層ボスの魔物とかもいない。

階段がある部屋には、魔物が多くいるだけだな。気配からすると他の部屋にいる魔物と同じだ。

見習い達が索敵して、魔法で危なげなく倒している。

見習い達は、優秀だ。魔法が使えない冒険者もいるので、戦っているのを見たけど、結構手こずっていたりする。

ダンジョンでは、救援要請が無い限り、手助けしないことになっている。部屋に入るのも先に入ったパーティーの戦闘・ドロップ品回収後などルールが決まってる。

この世界のダンジョンは、死体などを魔素還元して吸収するので、死体が転がってる環境では無い。

勿論、ルールを無視する者もいるが、中級ダンジョンだとそれほど広くないので、他の者に見つかるリスクを冒すものは、いないようだ。

神殿の者を殺して金品を奪うような者はいない。戦っても敵わないし、神殿の怒りを買うことが、どういうことか知られているからだ。

話がそれたな。


根田 「10階層ですが、そろそろ昼食にしませんか?時間的にお昼ですが。」


そう言って、昼食にすることにした。見習い達が本来マッピングするのだが、セーフエリアへ自分が先導して移動する。


根田 「ここですね。セーフエリア。」


まるで知っているかのように、セーフエリアへ入っていくので、見習い達が驚いている。

師匠さんは、俺の正体知ってるから、苦笑してる。

セーフエリアには、冒険者がちらほらいるが、自分たちが食事する程度の場所はある。

皆に浄化を掛けて食事だ。


根田 「ダンジョン内なので、作り置きになります。どうぞ。」


そう言って、サンドイッチを出してあげる。

飲み物は、枸杞(クコ)茶にした。

クコには、肝機能の活性化、疲労回復、冷え症改善、目の疲れ回復、コレステロール値や血圧を下げるなどの効果があると言われているので、ダンジョン内での飲み物として丁度いいだろう。

ビタミン類・ミネラル類、鉄分を豊富に含んでもいるし。


光華 「美味しいです。」


黒乃 「美味しい。」


玉樹 「美味しいです。」


竜 「太郎様の料理は、何でも美味しいです!」


見習いと師匠さんも美味しそうに食べている。


根田 「疲労はどうですか?装備に回復効果を付与しましたが、魔力が足りないとかあったら言ってください。回復薬もありますし、私は魔力譲渡も出来ますから。回復魔法は、皆さん使えるので疲労は自分で回復してください。その方が、魔力アップになりますから。」


運動したり、魔法を使えば筋力アップ、魔力アップするのは、経験上知られてるからね。魔力も回復してるから、問題は無いな。

与えた装備のブーツは、サイズ自動調整機能も付いているけど、新しい靴ではあるから、靴擦れとか心配したけど大丈夫だな。

まあ、聖都からダンジョンまで歩いてきたけど、問題無かったからね。

装備とかのことは置いておくとして、ここまで特に問題なく来たけど、確認しておくか。


根田 「ここまで、特に問題なく来ましたが、魔物が増えているのでしょうか?」


ソコトラ 「10階層までは、4,5級の魔物ですから、増えていても良く分かりません。元々多いですし。」


なるほど。下層へ行ってみないと判断できないということか。


根田 「なるほど。ここまでは、罠もありませんでしたし、宝箱も出ませんからね。変わっていないと判断してもよさそうですね。」


見習い達も魔物が増えているというのは、知っている。


根田 「しかし、出てきた魔物は、微妙でしたね。」


光華 「仕方ないですよ。ダンジョンは、入口ほど弱い魔物がいますから。」


黒乃 「段々、強くして深部へ誘っている。」


玉樹 「ドロップアイテムも深部じゃないと良いものは出ませんし。」


竜 「この程度のダンジョンなら、あの程度の魔物ですよ。でも聖都で見ていない、魔物いたじゃないですか。」


まあね。でも獣と変わらない魔物ばっかりだし。

出てきた魔物の説明をしておこう。

地下なので蝙蝠がいるかと思ったけど、壁が発光しているせいか獣も魔物も蝙蝠はいなかった。

洞窟には、魔蝙蝠って魔物がいるそうだ。5級の雑魚。魔物だけど獣の蝙蝠と全く変わらないそう。

話がそれたな。


1階 魔ハタネズミ 大きさは10cm、尻尾は3cm。野鼠だな。日本で畑仕事してる時に見たことあるけど、魔物なだけ。逃げないで、向かってきたけど。5級。


2階 魔ハタネズミ 数が増えただけ。


3階 魔ミズハタネズミ 魔ハタネズミより一回り大きいだけ。5級


4階 魔ミズハタネズミ 数が増えただけ。


5階 魔ハタネズミ・魔ミズハタネズミ 両方出た。


6階 野良ハムスター ゴールデンハムスターだ。ペットと違って薄汚れてる。5級。


7階 魔スナネズミ スナネズミだ。集団で行動する。大きさは15cm、尻尾は16cm。4級。


8階 魔アカネズミ アカネズミだ。小型だが素早い。狭い場所に隠れている。近づくといきなり向かってくる。4級。


9階 魔マウス ハツカネズミだ。これも小型だが素早い。かび臭い。実験で使うマウスと同じだが、色は黒くて、薄汚れている。4級。


ここまで、ネズミしかいなかったよ。確かに聖都で見てないけど、ネズミ祭りは無いだろう!

こいつら基本的に床にいたけど、たまに天井から襲ってきやがるのな。

俺が創った装備は、自動的に障壁を張るから、ダメージは無いけど。

見習い達が天井にいるのを察知して、回避したので、光魔法の照明を使うこと教えたの感謝していた。

師匠さんの話だと10階層は、魔クマネズミだって。クマネズミって、ドブネズミだろう。ここのダンジョンって、肉のドロップ無いから良いけど、汚いネズミ食いたくない!

ネズミの肉は美味いらしいけど、ここの魔物は、薄汚れてるから!

あ、ここまでの魔物は、魔石をドロップしただけだ。大した量じゃないから、見習い達が持ってる。アイテムボックス皆持ってるし。

魔力が結構あるから、容量も結構あるみたい。

食休みも終わって、探索再開だ。


根田 「午前中で半分ほど来ましたが、探索遅いとかありますか?」


ソコトラ 「いいえ。とても速いペースです。通常は、疲労も考えて休憩しますが、根田様が創って下さった装備のおかげで、回復しながら探索なので、速いです。通常ペースだと、まだ4階か5階程度です。」


そうか。普通は休憩するもんな。見習い達も歩きながら水飲む程度で、問題無いし。

鑑定したら、結構レベル上がってるな。気配察知のスキルも習得してる。

俺と一緒だから、力を制限してるとは言え、運気が上がるしね。スキルとか習得しやすくはなる。

まあ、資質が必要だけど。

10階も問題なく探索しているが、宝箱が出た。


根田 「宝箱が出ましたね。今回は、私の都合もあるので鑑定しましょう。」


特に問題ない。罠もないし、魔物でもない。


根田 「開けて大丈夫です。鍵もないし、罠もありません。」


そう言って、見習いが宝箱を開ける。

布製の肩掛け鞄が入ってた。学生が使ってる帆布の鞄みたいなやつ。


根田 「鑑定しましょうか?」


ソコトラ 「お願いします。」


根田 「マジックバッグで容量は、小です。麻袋大が100個入ります。時間停止機能は無しです。結構いいものが、手に入りましたね。」


そう言うと見習い達も嬉しそうだ。

そんな感じで、10階の探索終了。宝箱は一個だけ。

11階層に下りたら、ナニあれ?

まだネズミ祭り終わらんのか!


根田 「大きいですね。あのネズミ。」


光華 「オーク・ラットです。」


オーク・ラットか。アフリカにいるアフリカオニネズミだな。

大きさは45cm。ウサギぐらいあるね。でも、デカいだけで見た目は、ネズミそのものだ。


黒乃 「3級の魔物。でも4級に近いから、それほど強くない。」


見習い達を見ると引っ掻く攻撃と噛みつき攻撃をされている。

向かってきた瞬間に、魔法で打ち抜かれてるけど。


玉樹 「あれは雑食ですが、椰子の実を好むんですよね。ダンジョン以外だと南方にいますね。聖都の周りにはいないです。」


竜 「南方だとウサギの代わりに食用になってますね。聖都の周りのウサギみたいに、沢山いるので。」


それは、アフリカオニネズミと同じだな。

でもネズミって、リスと同じで癖のない肉って言うからな。まあ、南方に行った時に食べる感じで良いかな。

見習い達は、レベルも上がってるので、サクサク進む。

11階では、宝箱が2個出た。一つは、マジックバッグ小。もう一つは、金貨が50枚入っていた。


根田 「良かったですね。ダンジョン来た甲斐ありましたね。」


笑顔でそういうと見習い達は、嬉しそうだが、師匠さんが微妙な顔をしてる。


根田 「どうかしましたか?」


ソコトラ 「いえ。マジックバッグが連続で出るなど、運が良すぎるので。」


ああ、そう言うことか。


根田 「まあ、大丈夫ですよ。運気が落ちるとかは無いですから。見習いのレベル上がりましたからね。」


運気に関しては保証するよ。俺の担当だし。

多分、マジックバッグは、全員分出ると思うよ。縁起神の俺が一緒だからね。

そう言って、師匠さんを見ると苦笑してる。


光華 「まあ、我々が一緒ですし。」


黒乃 「そうそう。」


玉樹 「マジックバッグ小は、全部で5個は出ると思いますよ。」


竜 「そうですよ。人化してるから忘れてるかもしれませんが、私は、聖獣の光龍ですよ?運気がアップするのは、当たり前です。」


竜よ。上手くまとめたな。ダンジョンから出たら、カステラ出してあげよう!

聖竜王である竜の言葉で、皆納得している。

俺が色々言うより、竜が一緒の方が分かりやすいからな。師匠さんは、俺の影響なの分かってるけどさ。

納得した所で、下層へ進んでいく。

12階層では、モグラが出た。土が無いから、歩いてくるのな。3級のジャンボ・ホシバナモグラ。皮はドロップしたけど、肉は出なかった。

これは、美味いから肉出ても良かったんだけど。

12階では、宝箱は1個。ミスリルのナイフが出た。


根田 「マジックバッグじゃ無かったですね。」


光華 「でも、良いものですよ。」


黒乃 「結構いい物。太郎様の創る物と比べるの駄目!」


玉樹 「そうですよ。太郎様が創る物は、名工が作る物より品質が良いのですから。」


竜 「これも切れ味抜群ですし、良いものですよ。マジックアイテムじゃないですけど。」


それは分かるけど、皆の前で言うなよ。恥ずかしいじゃんね。

そう言って、見習い達を見ると笑ってる。あ、俺のあげた山刀とミスリルナイフ比べてる。

何か頷いて、ナイフを師匠さんに渡してる。

どうしたのかな?


根田 「何か問題ありました?」


ソコトラ 「いえ。弟子たちが根田様の下さった山刀のが、マジックアイテムで良いものだと。」


根田 「ははっ。ミスリルじゃないと切れない物もあるでしょうから、神殿で使ってください。私は道具創れるので。」


皆笑ってる。

そんな感じで探索したが、今日は15階までで、休むことにした。

セーフエリアに来たけど、自分達以外は、2パーティいるね。10人ほど。

セーフエリアは結構広いから、問題ない。夕食にしよう。

作り置きだけどね。


根田 「夕飯は、焼きおにぎりと豚汁、ソーセージを焼いたものです。」


焼きおにぎりは、醤油味と味噌味だ。ソーセージは、ハーブを入れてみた。飲み物は、緑茶だ。

皆美味しそうに食べてる。


ソコトラ 「根田様、この飲み物は、何ですか?ハーブティでは無いようですが。」


根田 「それは、椿の仲間で”茶”という木の葉の新芽を摘んで、加工した”緑茶”というものです。さっぱりするかと思いまして。」


ソコトラ 「確かにさっぱりします。」


根田 「味は、問題ありませんか?多少渋みがありますから。」


ソコトラ 「大丈夫です。神殿の者は、薬草を扱うので、渋みとか苦みは、平気ですから。」


見習い達も頷いている。特に問題も無いので、休んでもらった。

休息の必要が無い自分達が起きていればいいしね。

ダンジョンへ来るまでに見習い達には、聖地の者は精霊に近い体質の為、休息をあまり必要としないと説明してある。

今日は、13階で、オオクリハラリス(3級)が出て、宝箱が1個。マジックバッグ小が出た。これで3つ目だな。

14階で嫌な物出たよ。ステンチ・ラクーン(3級)。皆、嫌~な顔してた。近づきたくないから、魔法で撃退したけど。あれには焦った。

ダンジョンみたいな閉鎖空間で出るなよ!14階は宝箱2個。マジックバッグ小とナイフが出た。ナイフは、マジックアイテムで、幻覚を見せる効果がある。魔力を流すと光魔法で幻覚を見せるみたい。使いどころが難しい。光魔法が使えれば、同じことできるし微妙だ。

まあ、研究材料として神殿で魔法の参考にしても良いか。俺のじゃないし。

15階はセーフエリア来るまでに半分ほど探索して、宝箱1個出た。マジックバッグ小入ってた。これで5個出たね。

魔物は、バンデット・アライグマ(3級)が出た。大きさは80cm。獣のアライグマより一回り大きい。結構凶暴だ。

しかし、獣系しか出ないな。

まあ問題は、21階層から下だからな。

俺が妄想した魔物がいそうなんだよね。

妄想した魔物だとドロップ品も地上の者には、価値が無いかもしれない。

まあ、価値が無いなら、このダンジョンへ来ないだけだから、問題無いか。

精霊達と見習いを見守って、夜明けを待った。

他のパーティの者が様子を見ているが、用事は無いし、見習い達の安全確保があるからな。

声かけたりしないよ。

明日は、どんなのが出てくるかな?

サクッと片付けよう。ここまでの階層の魔物は、間引かれたようだし。

責任は果たさないとね。

根田さんは縁起神なので、一緒に行動すると運気が上昇してしまいます。

見習いの中でも優秀なものが、同行しています。

前振りなので、ギャグを入れれませんでした。

次回頑張ります!

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