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第四十八話 ドリルタニシ

今回は移動です。

仕事が立て込んでまして、週一で更新できればという状況です。

更新できるよう頑張りますが、リアルの仕事を優先しますので、ご勘弁を。

冒険者さんから聖都の北側の情報を貰ったので、今日は、北側の河に行くことにする。


河までは、歩いて半日程度だそうだが、船着き場まで道が整備されてるので、荷車が結構走っている。

聖都の外に出るときは、門番に挨拶してるので、神殿もどこに行ってるかは知っている。

今日の門番の責任者が、冒険者さんと手合わせしたのを見てたみたいで、『船着き場は、暑苦しいおっさんの仕事場で、問題に巻き込まれると根田様の嫌いな”おっさんと密着する事態”になりますから、注意してください!』なんて笑いながら言いやがった。


振りになりそうなこと言うなよ。


俺は、ネタの神なんだぞ!


美女と密着は良いが、むさいおっさんと密着はごめんだ!

性欲は無いけど、密着するなら美女限定でお願いします!

人の趣味に文句は無いけど、俺は、男色の趣味はありませんから!


そんなことを思いながら、船着き場に向かった。

今日は見聞なので、地上の者と同じ速度で歩いている。

だけど、すれ違う者たちに自分達は、注目されるなぁ。

まあ、おっさんが、神官服の女の子3人にミニスカチャイナドレスの女の子と一緒とか目立つからな。

通り過ぎる荷車には、商人と馭者以外に護衛なのだろう、武装した冒険者と思われる者たちが乗っている。

基本的に人族だな。

獣人族もいるけど、ドワーフやエルフは見かけない。

あ、聖都の北側の街に行く街道は、船着き場と違う方向になってる。途中までは、同じだけど。

聖都の北側の城壁周辺は、他の方角と違い、河からの物流が多いせいか野宿できるように草原になってる。

まあ、荷下ろしの関係で、門が閉まる時間までに、聖都の中に入れない場合もあるだろうからね。

自分達は、転移が使えるのをみんな知ってるから、門が閉まる前までに聖都の中に入ってないのに、神殿にいても不思議がられない。

聖都に入るのも普通は、行列に並ぶのだが、自分達は、その脇を通ってフリーパスだ。

以前、列に並んで、どんな感じなのか見てたら、門の兵士が『根田様は、国賓ですから、列の横通ってください。並ばれると他の者に迷惑ですよ。』なんて言うしさ。

並んでる人たちと話したり、様子を見るのも俺にとっては、大事な見聞なんだけど。

話がそれたな。

今日は、そんな感じで船着き場に向かってる。


根田 「荷車が、結構行き来してますね。護衛は若い人が多いですね。」


光華 「聖都から船着き場まで、それほど離れてませんので、危険度が低いですから。」


根田 「それもありますよね。今日は見聞ですが、自分達もチラチラ見られてる感じですね。」


黒乃 「美女は注目を集める。仕方ないこと。美女四人連れの太郎様は、鼻高くしても良い!」


根田 「まあ、そうですけど。皆さん以外に、私も注目されてる感じなんですけど。やはりこの格好は目立ちますかね?」


玉樹 「太郎様、認識してないんですか?太郎様は、すでに有名人ですよ。強く優しく聡明な人物って。他国の商人なども知ってます。冒険者の間でも”美味い物伝道師”なんて言われてますよ。」


えー。ナニソレ?

どうせ目立つからって、開き直ったの不味かったかなぁ。

だけど冒険者たちよ、変な二つ名付けないでくれ!


根田 「えー、そうなんですか?目立つのは仕方ないとしても”美味い物伝道師”って、何ですか?そんなのになった覚えは無いんですけど。」


竜 「太郎様、自覚無いんですか?食材や調理法、レシピを授けたじゃないですか。中華鍋とかの調理器具も。そりゃ言われますよ。」


根田 「確かに授けましたけど、”美味い物伝道師”なんて言われるのは困りますよ。」


光の下位精霊 「太郎様、大丈夫!太郎様が強いのは知られてる。大神官なのも知られてるから、おかしなことされない。」


光の下位精霊が話しかけてきた。

存在の大きな自分達には、本来は近づけないのだが(大精霊に情報を伝える時は、近づける。)、設定を調整して自分達から漏れる存在力を一時的に彼らの力に変換するようにしたので、話すことができる。

下位の精霊は空気みたいな存在で、小さい光の玉みたいな見た目をしている。普段は透明で漂っているけど。

光の下位精霊は金色の見た目だが、地上の者は認識できない。

不可視モードでしか活動できないから。

困るなんて言ったから、話しかけてきたんだな。


根田 「情報ありがとうね。君の上司も一緒だから心配してないよ。仕事頑張ってね。」


そう言うと光の下位精霊は、離れていった。

光華さんがムッとしている。


根田 「光華さん、どうしました?」


光華 「下位精霊が、直接神と会話するのは、ルール違反ですよ!話すなら、私経由で無いと困ります。」


えっ?そんなルールあるの。


根田 「そんな決まりあるんですか?初耳ですけど。」


黒乃 「無い。普通は存在が大きな私達には、近づけないから。同種の属性の力の存在である精霊同士は、存在の大きさ関係なく話すことできる。そうでないと仕事するのに問題。元々そう言う設定。」


まあ、そうだよな。


根田 「そうなんですね。余計なことしてすみません。自分が移動するのに、避難しないといけない下位精霊に申し訳なかったものですから。」


しょんぼりしたら、精霊達が慌てだした。


玉樹 「だ、大丈夫ですよ太郎様。」


光華 「べ、別に仕事に支障は出ませんから、問題無いですよ、太郎様。」


黒乃 「そうそう。太郎様、気にしなくていい。」


何で、焦ってるの?

八つ当たりとか怒ったりしないよ。

土下座するようなことでもないし。


根田 「皆さん、心配しなくても大丈夫です。怒ったりしませんし、土下座もしませんから。」


そう言ったら、竜が笑ってる。


竜 「大精霊様は、太郎様がしょんぼりしたから、心配したんですよ。又、ご自身のことを役立たずとか言い出すんじゃないかって。」


そんなこと思わないよ。

自分のこと優秀で役立つ人材と思ってないから。

出来ることをするだけだし。

神様だから、大体できるけど、地上に影響無いようにする必要はあるけどさ。

まあ、地上にいるだけで影響はあるんだけどさ。そこは突っ込まないで!


根田 「そんなこと言いませんよ。人だった時は、不器用で役立たずだと愚痴を言ったものですが、今は、神様ですから。新米も新米、初心者ですけどね。そう言えば、この体だと中年で童貞ですね。うーん、だから魔法が使えるのか。」


精霊達 「違います!この世界でも30歳まで童貞だと魔法使いになるわけじゃありません!そんなお約束いらないです!」


そう言って、みんな笑ってる。

くだらない話をしながら、船着き場に向かった。

周りを見てたら、道の脇に水路がある。

用水路みたいな感じだ。それほど大きくないし、深くもない。

聖都の下水につながってるやつかな?


根田 「用水路みたいなのがありますね。所々、渡れるようになってますけど。」


光華 「これは、聖都の下水につながってるやつですね。渡れるようにしないと不便ですから。」


やっぱりそうか。

以前聞いた、水の出入り口の障壁の魔道具って、どこにあるんだろ?


根田 「なるほど。そう言えば、以前聞いた、水の出入り口に設置してある障壁の魔道具って、どこにあるんですか?」


黒乃 「聖都に入る前。城壁の少し前の所。」


そうなんだ。気が付かなかったな。


根田 「そうなんですね。気づきませんでした。」


玉樹 「城壁の前の所は、地下になってますから。歩いている分にはわからないですよ。用水路の地下への入口は、城壁から離れてますし。」


玉樹さんよく知ってるな。

植物の精霊なのに。


根田 「そうなんですね。でも玉樹さん、植物の精霊なのに、よく知ってますね。用水路とか光華さんとか黒乃さん、恵水さんが担当だと思いますけど。あ、地下だから、美土さんもそうですね。」


そう言ったら、玉樹さんが苦笑してる。

変なこと言った?


玉樹 「私の担当の植物も水路にありますから、情報は持ってますよ。苔とか生えますし。」


ああ!そうか。忘れてた。

菌も担当だからカビとかからも情報得られるんだった。


根田 「そうでした。忘れてましたよ。話は変わりますけど、この水路には水棲の魔物は、入ってこないんですか?」


水路は、石で出来てる。

土魔法で作ったみたい。

魔道具だろうけど。

石作るのは魔力をかなり使うから。

見た感じだと小魚とかはいるみたい。


光華 「この程度の大きさなら、水棲の魔物でも普通の小魚と変わりません。」


黒乃 「蟹とかでも同じ。危険はない。」


玉樹 「注意しないといけないのは、ドリルタニシぐらいじゃないですか?触ったりすると跳んでくるから。」


ドリルタニシ?

魔物なのか?

名前はカッコいいけど、回転するのかな?


竜 「ドリルタニシ、嫌ですよね。あいつら回転しながら、変な色の汁撒き散らすし。」


竜が口をへの字にして、嫌な顔してる。

変な色の汁って何だ?


根田 「ドリルタニシって、魔物ですか?それに変な汁って?」


光華 「魔物ですよ。5級の雑魚ですけど。」


黒乃 「変な汁は、太郎様、市場で見てる。ペンキみたいなやつ。あれは、他の魔物の墨とかもあるけど。」


あれか。油で溶くとインクみたいになるやつ。

いくつか種類があったな。

ペンキみたいに使う時は、酢を混ぜるとか言ってた。

乾くと落ちないから、付いたら、すぐに水洗いしないと駄目とか。


根田 「ああ。あれですか。あの素材が取れるやつですか?」


玉樹 「そうです。色袋ってのを持ってまして、それを撒き散らして逃げるんです。」


竜 「逃げるなら、素直に逃げればいいのに、触ると人に向かって跳ねるんですよ。まあ、体まで届かないんですけど。それで地面に落ちると変な汁撒き散らして逃げるんです。」


何だそりゃ?

ずいぶん間抜けだな。

だけどタニシって言うぐらいだから食えるの?


根田 「聞いてるとずいぶん間抜けな魔物ですね。食べれるんですか?」


光華 「食べれません。身に毒があります。」


何だ食えないのか。


根田 「そうなんですね。でも市場で素材売ってるってことは、捕ってる人がいるんですね。」


黒乃 「いる。5級の冒険者とか。定期的にやってる。体に汁がついて、すぐに水洗いできなくて、残念な状態になってたりする。」


へー。でも生かしたままじゃ不味いだろうに、どうするのかな?


根田 「そうなんですね。でも捕まえるのは良いとして、すぐ処理しないと運べないんじゃないですか?どうやってるんです?」


玉樹 「捕まえるときはチームでやるんですが、鍋にお湯を沸かしておくんですよ。捕まえたら、すぐ煮るんです。」


煮るんだ。素材傷まないのかな?


根田 「煮るんですか?素材傷まないんですか?」


竜 「私は、どう加工するか知りませんが、空から見てると一瞬鍋に入れて出してます。」


熱に極端に弱いのか?


根田 「熱に極端に弱いんですかね?煮た後の処理ってどうするんですか?」


光華 「熱に極端に弱いです。煮た後、貝殻の色で仕分けして臼で潰すんです。それを水で薄めて、網なんかで濾すんです。それで、煮込んで粘りが少し出たら完成です。」


ん?貝殻の色で仕分け?

それに魔石は?


根田 「そうなんですね。貝殻の色で仕分けって言いましたけど、ウサギみたいにカラフルなんですか?それに魔石を一緒にそんなことして良いんですか?」


黒乃 「カラフル。貝殻の色が色袋と同じ色。ドリルタニシは、魔力ほとんどないから魔石採れない。魔物でも魔石採れない奴いる。」


魔石採れない魔物いるんだ。

しかし、この世界色付きの魔物多いな。

まあ、自分は神界のイロモノだけどさ。


根田 「なるほど。ウサギと良い、この世界は色付きの魔物多いですね。まあ、地球には魔物いないですけど。自分も神界のイロモノなので魔物のこと言えませんね。」


玉樹 「太郎様、上手いこと言わなくて良いです!」


みんな笑ってる。

エレー様から神託来た。


エレー 『根田さん、上手い!座布団一枚!』


時空間収納に座布団転送された。

エレー様何するんですか。

アホなやり取りしながら、船着き場へ向かってると、麻袋を被って水路で何かやってる。


竜 「太郎様、あれですよ。ドリルタニシ捕ってます。」


竜が指さした方を見ると、網で取ったものを鍋に放り込んでる。

すぐ、笊で掬ってるな。

なるほどカラフルだ。

大きさは日本で迷惑してるジャンボタニシぐらいだな。

あれは、タニシとは別の種類の貝らしいけど。

ドリルタニシ捕ってる水路に黒っぽい粒々が沢山あるけど、あれ卵かな?

鑑定したらドリルタニシの卵だね。

ジャンボタニシと同じで大量発生するようだ。

被ってる麻袋は汁避けか。

捕ってる方を見ると、確かに跳ねてる。

ドリルタニシは見れたから、近づかないでおこう。

汚れたくないし。

食べられないなら必要ないしね。

そんな感じで進んでいると船着き場が見えてきた。

異世界の船は、どんな感じかな?

荷下ろしをする関係で倉庫みたいなのが建ってるね。

労働者向けに食堂とかもあるみたい。

怒涛の大盛かな?

楽しみだ。


港や市場と言ったら、力仕事をする労働者向けに大盛の食堂ですね。

ただし、ここは異世界です。

どうなのでしょう?

作者もまだ考えてません。

すみません。

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