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策士現る。

 私はサドタの街から、[転送魔法]でセカンタの町の、3号店へと移動した。

 施設は、閉店間際であり利用客も帰宅しようとする人達が多かった。


 [クリア]の魔法で、身体の汚れを落とし。

 気持ちを入れ替えるため。


 シャンプーの販売テナントに行って、魔道具で水を出し頭を冷やした。


 それを見ていたキャリーが、

「どうしたんですか、お兄さん」


「いや、なんでもない」


「お兄さんは、自分ではあまり顔に出てないって思ってますけど。

 見てたら、すぐわかりますからね」


「うぐっ」


「そう言われると、心当たりしかないな……」


「話してみてくださいよ、少しは気が晴れると思いますよ」

 とキャリーが、俺の前に立って言ってくれた。


 どうするか、この子も、あの腐れ貴族の被害者になりかねないし、知らせておいた方がいいだろうな。


「今度、私が町長になるのは知ってるか?」


「はい、社員は全員知ってると思いますよ」


「それで、町長になったさいに、サドタの街からリストアという貴族が来る。

 なので、その日は二号店と三号店はお休みにする。君は自分の家で待機しておいてくれな」


「それも聞いてますよ。社長の悩んでる事ソレじゃないですよね」


「うぐっ、何故それを……」


「だから、お兄さん顔に出てますって言いましたよね。

 お兄さん、この椅子に座ってください」

 と言って、キャリーは椅子を俺の前に持ってきた。


「へ?」


「はい、座ってください」


「はぁ?」


 言われるがままに、座ると視線がいい具合にキャリーと合うようになった。


 キャリーは、そのまま俺の頭を撫でてきた。

「お兄さんは、色々と背負い込む癖があるんですから、たまにはみんなを信じましょうね」


「うっ」


 視線が近くなるだけで、その行動と発言に母性を感じる。

 正直に、なるべきなのかな……と思わされた。

 キャリーに、今日あった出来事を、正直に話してしまった。


「なるほど、それでリストア様の行動が目に余るから、その息子からも討伐許可が出てるし、討伐する方法ないか迷っているんですね」


「なんで俺、キャリーにこんな事喋ったんだろ」


 何かを決意したようにキャリーが言った。


「方法は、ありますよお兄さん」


「え? どんな?」


「大義名分ができればいいんですよね。

 エミリー、シェリーと私が、あなたの嫁だとリストア様に報告すればいいんです。

 リストア様の執着は本当に酷いので、お兄さんの思う通りの展開になりますよ間違いなく」


「何も考えずに、この町に兵士連れて、攻め込んで来るって事?」


「最初は、それは無いと思います。

 ただ、確実に嫌がらせをされて、最後に強引な手を使って来ると思いますよ」


「それじゃ、君達に危険が……」


「お兄さん、エミリーとシェリーにも聞いてみましょうよ。

 お兄さんの、そういう表情見る方が、私達は辛いんです。

 今日は、今からそこで会議ですよね。私も店長なんで参加しますんで、それが終わったら二号店に行きましょう」


「はい」


 ん?なんで俺が、納得させられてるんだ……。


「えへへ、お兄さんと一緒に帰れますね」

 とキャリーが嬉しそうにしている。


「私も、エミリーも、シェリーもお兄さんのお嫁さんです。

 奪おうとするなら、お兄さんの大義名分出来ますよね?」


「まぁ、そうだけど。この件は二人に聞いてからだよ。

 なんか言い含められてる気がするなぁ」


 飲食スペースに、各テナントの店長と、ギルド長と酒問屋のロイズが集まっていた。

「よし、私達も行こうか」「はい」


 私達も飲食スペースの席に着いた。


 皆が、私を見ている。

 あぁ、私が会議の進行役か。


 座ったばかりだが、椅子から立ち上がった。


「皆様、本日の業務お疲れ様です。

 仕事終わりにに集まっていただいたのは、みんなに軽く説明したけど空きテナントに酒問屋のロイズさんが出店したいと意思表示をしてくれた件だ。ロイズさん皆に挨拶してもらえるかな」


「あー、今回社長に掛け合って、なんとかテナントに入らせてもらえるようになりました。

 社長が空きテナントに人気店を次々作るので、入れない可能性も検討してました」


「あっハイ、いやぁ、思いついたのでつい」


「それで我々の扱う商品がお酒という事もあるので、ギルドを通じて警備の人間を立てようという話を社長とさせてもらいました」


 手を軽く上げて、ロイズさんにそこまででいいよと合図する。


「ロイズさん、そこからは私が話します。

 ギルド長のマルコさんに、きていただいてるのは理由があって。その件をこの場で伝える事と、必要人数が変わるかもしれないので、お店まで来ていただいてます。

 私としては、お酒による治安悪化もあるとは考えているが、警備を立てる事で今以上に安全な施設運営ができると考えています。飲食店の方達もお酒があった方が、美味しい料理を出されているテナントが多数ありますので、そういった部分も加味して考えてください」


 私は、そのまま話を続ける。


「まず当店から、ロイズさんのお店に、テナント入りの条件として。

 毎日二人の警備要員をギルドへ依頼することを条件としました安くは無い経費ではありますがそれを了承していただきました。

 今日お願いしたいのは、この施設の社長として、各テナント様にお願いがあります。

 あなた方、7店舗で、毎日一人の警備を雇っていただけないでしょうか?」


「なぁ、社長。警備立てると何か違うのか?」

 と、いつもの飲食店の店長が言ってきた。


「基本この施設のにいるとき。社員やお客様含めほぼ丸腰状態だろう。

 なんかあったら、拙いと思わないかい?

 実は酔っ払いより、そう言う意味で、安全性を高めていきたいと考えてる」


「そうか、それなら俺は構わんよ、閑古鳥鳴いてた店が、これだけのお客さんに必要とされてんだからな」


「当然、施設側としても二人は最初から、雇う用意がある」


「ちょっと、施設側は一名って言ってたよな」

 とロイズさんが言ってきた。


「状況は変わるし、警備が多ければトラブルに、対応しやすいのは当然の事でしょう。

 そこにケチって何が経営者だ。お客さんに稼がせてもらってるんだから、最初から2名は雇う予定だったよ」


「これだから、根っからの商人は信用ならねぇ……」

 とロイズが言ってた。


「ちょっとまて、社長!!テナント側も二人出すぞ。社長がウチらの店を使ってくれるように、社員に頼んでるんだろ、それくらいはさせてくれ」


「みなさん、ありがとうございます。無事話まとまりましたね、という事で、マルコさん計6名を毎日警備として雇いますので対応お願いしますね」


「わかりました。ギルドと町長からですが一名追加で警備たてますので7名となります」


「えっ!?」


 私は、予想外の発言に驚いた表情をすると。

「いやぁ、びっくりしてもらえて嬉しいよ。兄さんと考えてた手がうまく決まったね」


「うーん、副町長候補をマルコさんとミルコさんに、しなくてよかったとつくづく思います。

 裏を取られると計算がしづらい」


「褒め言葉として、取っておくよ」


「あー、この場で発表なんですけど。ここにいるギルド長と町長の推薦で、今度の町長選私が出ることになりました」


「「おう、知ってるぞ」」とやんややんやとヤジが飛んできた。


「町長と言っても、メイン業務はミルコさんに任せる予定なんで、多分いつもと変わらないと思います」


 ギルド長が、

「ハジメ君のいつものが、異常なんだけどね……」


「はい、そこツッコミを入れない。

 と言うわけで、皆さん今後ともよろしくお願いします」

「はい」と、言う皆の返事が聞こえて会議はお開きとなった。


 閉店業務を全て終わらせて、キャリーを連れて自宅へ帰る。


 二階へ上がり、


「ただいま」


「「おかえりなさい」」


 と二人におかえりと言ってもらった。


「それで、ハジメさんこんな時間に、キャリーが付いてきてるんです?」


「お兄さん、エミリーとシェリーには私が話しますね」


「あとから話の内容、二人から聞くからね」


「はーい、お兄さん疑ぐり深いなぁ」


「エミリー、シェリー、一緒にお風呂入ろ」


 えっ!?


「キャリー、何を急に言い始めるんだ」


「あぁ、この子こういう子なんです。大事なことは、裸の付き合いで言うって言い始めるんですよね」


「お姉ちゃんと、こっちのお風呂入るの久しぶりだね」


「お兄さん、覗いちゃダメですからね」


「覗かないって」


「じゃあ二人とも、行きましょう」


 キャリーは、強引に二人を、裏庭のお風呂に連れて行った。

 えー!!エミリーとシェリーともに、抵抗なく連れていかれたぞ……。


 ……。

 …………。


 しばらく、待っているが三人は戻ってこない。

 流石に、覗きは拙いよな。

 それに、覗きのスポットなんて知らないし……。


 諦めてしばらく待つことにした。


 三人の姦しい声が聞こえてきた。


 三人が、二階に上がってきて。

 こちらを見ている。


「どう、エミリー。かなり拙いでしょ、お兄さんの様子」


「そうね、あなたの言う通りかも……」


「お兄ちゃん、元気出してね」


「えっ、どういうこと?」


「キャリーから、事の顛末聞きました。

 それでハジメさんが、凄く悩んでるって」


「それで、キャリーが自分が囮になるから、二人は隠れててって」


「あっ、エミリーそれは言わないって話……」あぁ、この子が、犠牲になろうとしてたのか。


「キャリーが、それでうまくいったら、ハジメさんと一緒になりたいって」


「ハジメさんなら、三人位お嫁さん、いても大丈夫ですよね?」


 ちょっと、エミリーさん、何を言ってるのかわからない。


「お兄さん、私尽くすタイプなんで」


「いやいや、そういう問題じゃ」


「キャリーお姉ちゃん、嫌いなの?」と、シェリーが言ってきた。


「そんなわけであるか、凄く可愛いし、こんな合法ロリ、ご褒美だろう……」


 キャリーとシェリーが、笑ってた。

 あっ!!失言してしまった。


「ハジメさんって、ほんとわかりやすいですよね」

 と、エミリーに呆れられた。


 キャリーから、貴族をハメる為の作戦を伝えられた。


「それで、俺が、町長になった後に、お礼を言う為に貴族の城へ行って。

 君達三人を私が、娶っているって言うんだね」


「はい、そうすれば確実にお兄さんに対して嫌がらせしてきて、最後に、痺れ切らせてこの町に襲いかかって来ますよ」


「そんなことしたら、町に被害が……」


「ハジメさんには[エクスプロージョン]あるじゃないですか。

 この町じゃ有名ですよドラゴンが襲ってきても、ハジメさんがいるから大丈夫って」

と、エミリーに言われてしまった。


「そこまで、過大評価されてるの?」


「「「過小評価ですよね」」」と、三人に言われた。


「サドタの街から、兵士を連れて出てくる場所って、あの場所しかないんですから。

 ハジメさんにとっては、的にしかなりませんよね」


 その作戦やるのに[異世界取引]で、必要なアイテム二つ、手に入れなきゃな。

 しかし、現在、異世界取引の枠が一つしかない。


「その作戦をやるにしても、後レベルを1上げないと実行できないから。

 今から、サドタの街の西の砂漠にみんなで行こう」


「シェリー、またアレを、お願いできるかい」


「任せて、お兄ちゃん」


「エミリーとキャリーも来てくれ念の為に、レベル上げておいて欲しいから」


「「はい」」


 そのあと、四人で砂漠に行く事となった。

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