第98話 メルトストーム
「もう一回行く!」
セイルが走る。
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アースドラゴン。
首元。
蒸気。
割れた鱗。
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今しかない。
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その瞬間。
レナが弓を引いた。
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「動くな……!」
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蒸気の隙間。
一瞬だけ露出した瞳。
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ヒュンッ!!
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ギャァァァァァッ!?
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矢が、
右目を射抜いた。
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「入った!!」
リリスが叫ぶ。
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アースドラゴンが暴れる。
視界を失い、
大きく頭を振る。
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「今だよ!!」
リナが叫ぶ。
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セイルが頷く。
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「リリス!」
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「うん!!」
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「リナも!」
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「任せて!!」
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三人同時。
魔力が重なる。
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セイル。
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「アイスランス!!」
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巨大氷槍。
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リリス。
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「ファイアー!!」
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爆炎。
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リナ。
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「ウィンド!!」
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暴風。
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次の瞬間。
三つが激突する。
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ゴォォォォォッ……!!
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氷。
蒸発。
超高温蒸気。
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さらに。
リナの風が、
それを一気に圧縮加速する。
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「うわっ!?」
リリスが少し引いた。
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制御しきれない。
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だが。
止まらない。
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白熱蒸気の嵐。
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ドゴォォォォォォォォォンッ!!!!
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超爆発。
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第三層全体が揺れた。
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「ギャァァァァァァァァァァッ!!」
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アースドラゴン絶叫。
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首元。
顔面。
鱗。
全部まとめて吹き飛ぶ。
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蒸気嵐が通り抜けた後。
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そこに残っていたのは。
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崩れ落ちる、
巨大地竜だった。
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ズゥゥゥゥン……
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静寂。
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「……勝った?」
リリスが呆然と呟く。
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誰もすぐ返事できない。
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バルトも壁へ寄りかかっている。
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「ははっ……」
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「なんだ今の」
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レナも息を吐いた。
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「三属性複合……?」
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セイル自身も少し驚いていた。
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今までの連携と違う。
威力が別格だった。
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その時。
リナが勢いよく立ち上がる。
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「名前つけよう!!」
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「は?」
セイルが真顔になる。
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「今の絶対必殺技じゃん!」
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「いや、
そんな場合じゃ——」
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「きらきらスチーム!!」
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沈黙。
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「ダサっ」
レナが即答した。
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「えぇ!?」
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リリスも苦笑する。
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「もっとカッコいいのがいい……」
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バルトが雑に言う。
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「蒸気爆発でいいだろ」
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「雑すぎ!」
リナが抗議する。
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レナが少し考える。
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「高熱融解型複合暴風魔法……?」
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「長い」
セイル即答。
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数秒後。
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リリスが小さく呟く。
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「……メルトストーム?」
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全員が止まる。
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「おぉ!」
リナの目が輝く。
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「それカッコいい!!」
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「まぁ悪くねぇな」
バルトも頷く。
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セイルは少しだけ考え、
小さく頷いた。
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王都中央ダンジョン。
第三層。
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フォーチュンスターは、
新たな力へ辿り着いていた。




