第95話 地竜
「撤退する!?」
リリスが叫ぶ。
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だが。
レナはすぐに否定した。
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「まだ距離がある!」
「落ち着いて!」
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アースドラゴン。
巨大。
重圧。
ただ存在しているだけで、
空気が重い。
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ズシン。
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一歩。
それだけで地面が揺れた。
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「でかすぎだろ……」
バルトが斧を構える。
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だが。
逃げるには遅い。
通路幅。
位置。
そして。
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後ろには、
まだリザードマンが残っていた。
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「囲まれてる……!」
リリスの顔が強張る。
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セイルは冷静に周囲を見る。
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(前突破しかない)
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その瞬間。
アースドラゴンが口を開く。
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「来る!」
レナが叫ぶ。
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次の瞬間。
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ドゴォォォォッ!!
地面が爆ぜた。
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土塊。
岩。
衝撃波。
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「うわぁっ!?」
リナが吹き飛ばされる。
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「リナ!」
セイルが動く。
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「ハイヒール!!」
光。
傷を塞ぐ。
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だが。
全員理解した。
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強い。
今までと格が違う。
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「これBランクだろ……!」
バルトが歯を食いしばる。
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その時。
リザードマン二体が動く。
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「邪魔!!」
リリス。
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「ファイアー!!」
爆炎。
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今度は船じゃない。
全力火力。
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ドゴォォォッ!!
リザードマンが吹き飛ぶ。
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「おぉ……」
リナが少し引いた。
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「やっと全力撃てる……!」
リリスが若干嬉しそうだった。
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だが。
アースドラゴンは止まらない。
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ズシン。
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巨大な尻尾。
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「バルト!!」
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ガギィィィィンッ!!
直撃。
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「ぐっ……!!」
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重い。
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バルトの身体が滑る。
床を削りながら押される。
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「防いだ!?」
リリスが驚く。
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だが。
バルトの腕は震えていた。
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「いや……
これ長く受けられねぇ……!」
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その瞬間。
セイルの視線が走る。
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鱗。
硬い。
だが。
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「目と口は柔らかい!」
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「レナ!」
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「分かってる!」
ヒュンッ!!
矢が飛ぶ。
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だが。
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ガギィン!!
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「弾かれた!?」
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まぶた。
硬い。
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「嘘でしょ……」
レナの顔色が変わる。
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アースドラゴンが、
ゆっくり口を開く。
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土色の光。
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「まずい!」
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魔力が集まる。
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セイルの本能が叫ぶ。
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(食らったら終わる)
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その瞬間。
バルトが前へ出た。
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「挑発!!」
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空気が揺れる。
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アースドラゴンの視線。
止まる。
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完全に。
バルトへ向いた。
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「……効いた」
バルト自身が一番驚いていた。
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次の瞬間。
巨大地竜が咆哮する。
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ドゴォォォォォッ!!
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一直線に、
バルトへ突進した。




