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第93話 王都中央ダンジョン

暗い。



王都中央ダンジョン第一層。


石造通路。


湿った空気。


遠くから響く魔物の声。



「思ったより暗いね……」


リリスが周囲を見る。



レナがランタンを掲げる。


「だから光源必要なのよ」



王都冒険者達は、

ライトを使っていた。


だが。


フォーチュンスターはまだ違う。



今はランタン。



セイルも、

まだライトは未習得。


レシピだけだった。



その横で。


バルトがぶつぶつ言っている。



「挑発……

挑発……」



「何その練習」


リナが笑う。



「イメージ大事なんだよ」


本人は真面目だった。



「敵集める感じ?」


リリスが聞く。



「たぶん」


かなり手探りだった。



その時。


セイルが止まる。



「サーチ」


感覚を広げる。



「前方三」



直後。


通路奥から飛び出した。



ゴブリン。


短剣持ち。


三体。



「来た!」


リナが構える。



その瞬間。


バルトが前へ出た。



「挑発!!」


沈黙。



何も起きない。



「……」



「……」



ゴブリン達も少し止まった。



「いや効いてないじゃん!」


リナが吹き出す。



「くそっ!!」


バルトが赤くなる。



だが。


次の瞬間。


ゴブリン一体が、

なぜかバルトへ向かって走った。



「お?」



「効いた?」


リリスが驚く。



だが残り二体。


普通にセイルとリナへ向かった。



「中途半端ね」


レナが冷静だった。



「まだ未完成っぽいな……!」


バルトが斧を構える。



セイル前へ。



「強撃改」


一閃。



ゴブリン撃破。



リナも風を放つ。



「ウィンド!」


ドゴォッ!!


二体目が壁へ叩きつけられる。



最後の一体。


バルトへ飛ぶ。



「おぉ!?」



「スマッシュ!!」


ドゴォォォッ!!


衝撃波。


ゴブリンが吹き飛んだ。



静寂。



「……なんか、

ちょっと効いてた?」


リリスが言う。



「いや、

今の感覚あったぞ」


バルトが少し真剣な顔になる。



「敵意引っ張る感じ」



「じゃあもう少しで覚えそう?」


リナが聞く。



「かもな」



セイルは周囲を見る。



王都ダンジョン。


まだ第一層。


だが。


地方とは違う空気がある。



広い。


暗い。


複雑。



その時。


奥通路。


別パーティの光が見えた。



ライト。


白い光球。



便利そうだった。


かなり。



セイルが少しだけ思う。



(欲しいな……)



最近、

便利方向へ進みすぎていた。

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