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第91話 スキルブック店

「西区ってこっち?」


リナが地図を見ながら歩く。



王都グラン。


西区。



中央区ほど派手ではない。


だが。


武器屋。


魔導具店。


素材店。


専門店が並んでいた。



「王都って感じね」


レナが周囲を見る。



「ラグナスより全然専門的だな」


バルトも少し驚いていた。



その時。


リリスが立ち止まる。



「見て」


指差した先。



【魔導書・スキルブック専門店

 ルーンアーカイブ】



「名前かっこいい!」


リナがテンション高めだった。



中へ入る。



本。


本。


本。



棚一面、

魔導書だらけ。



「うわぁ……」


リリスが目を輝かせる。



空気も少し違う。


静か。


インクと紙の匂い。



その奥。


眼鏡の男が顔を上げた。



「いらっしゃい」


細い声。


研究者っぽい。



「スキルブック探してるんだけど」


レナが話しかける。



男は頷いた。



「戦闘系ですか?

生活系ですか?」



「挑発」


バルト即答。



男が少し止まる。



「タンク系ですか」



「高いですよ」



「やっぱりか……」


バルトが頭を掻く。



男は棚から一冊取り出す。



【挑発】



「金貨8枚です」



「うわぁ……」


リリスが声を漏らす。



「高っ」


リナも驚いていた。



「前衛基本技術ですから」


男は淡々としていた。



「需要が高いので」


王都だった。



バルトが本を見る。


かなり欲しそうだった。



「……いや、

でも高ぇな」


少し遠慮が混じる。



その時。


セイルが口を開く。



「必要だと思うよ」


即答だった。



「前衛安定すれば、

後ろがかなり楽になるから」


合理的。



レナも頷く。


「私達、

後衛多いものね」



リリスも続く。


「バルトが止めてくれると、

かなり安心だし」



リナは笑った。


「買おうよ!」


軽かった。



バルトが少し止まる。



「……本当にいいのか?」



「今後のために買った方がいいよ」


セイルが短く答える。



数秒後。


バルトがため息を吐く。



「……分かった」



店主へ向き直る。



「買う」



店主が静かに頷いた。



「毎度ありがとうございます」



その横で。


セイルは別棚を見ていた。



【ライト】


【クリーン】


【ドライ】


【ウォーター】



便利そうだった。



「セイル、

そっち好きだよね」


リナが笑う。



「便利そうだから」


真顔だった。



「剣士なのに?」



「……剣も使ってる」


少し間があった。



リリスが吹き出す。



その時。


店主が少し興味深そうにセイルを見る。



「生活系は、

覚えると旅が変わりますよ」



「特にライトは、

中央ダンジョンで人気ですね」



「やっぱり暗いんですか?」


リリスが聞く。



「浅層でもかなり」



「松明だと、

戦闘時邪魔になりますし」


かなり実用的だった。



自然と、

次の目的は決まっていた。



王都中央ダンジョン。



フォーチュンスターは、

次の舞台へ向かおうとしていた。

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