表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
83/87

第83話 海の街エルム

「海だぁぁぁーーー!!」


エルム到着直後。


リナの声が響いた。



潮風。


青い海。


並ぶ漁船。


港。


白いカモメ。



今までの街とは、

空気そのものが違っていた。



「すご……」


リリスも目を輝かせる。


海を見るのは、

かなり久しぶりらしい。



レナは帽子を押さえる。


「潮風強いわね」



その横で。


バルトだけ顔色が悪かった。



「……なんか揺れてねぇ?」


まだ船に乗っていない。



「気のせいだよ?」


リナが笑う。



「いや絶対揺れてる」


重装男、

海に弱そうだった。



その時。


ボルトンが両手を広げる。



「ここが海の街エルムです!!」


「海産物!」


「交易!」


「港湾流通!!」


「素晴らしいですね!!」


絶好調だった。



「はいはい」


レナが流した。



街へ入る。


石畳。


港市場。


魚。


貝。


焼き串。


潮の匂い。


かなり賑わっている。



リナが立ち止まる。


「いい匂い……」



「食うなよ」


レナが即警戒した。



「まだ食べてないよ!?」


図星だった。



その時。


ボルトンが言う。



「とりあえず、

ギルドへ行きましょう!」


「情報収集は大事です!」


珍しくまともだった。



エルム冒険者ギルド。


中へ入る。



すると。


妙に空気が重い。



受付嬢が、

セイル達を見る。


そして。


少し驚いた顔になった。



「Cランク……?」


かなりタイミングが良かったらしい。



「今、

動ける方いますか!?」


いきなりだった。



全員が少し止まる。



「……依頼?」


レナが聞く。



受付嬢が頷いた。


かなり困った顔。



「海魔物のせいで、

漁船が出せないんです……!」


空気が少し変わる。



「海魔物?」


リリスが首を傾げる。



「最近、

沖にアクアバイトが出るようになって……」


「漁船を襲うんです」



「網を壊されて、

漁師さんも怪我してて……」


かなり深刻らしい。



リナが小声で言う。


「海にも魔物いるんだ……」



セイルは静かに聞く。


「水属性?」


受付嬢が頷いた。



「水弾を飛ばしてきます」


その瞬間。


セイルの意識が少しだけ止まった。



水魔法。



今まで見たことがない。



レナが依頼書を見る。


「期間は短いわね」



「本来ならBランク待ちなんですが……」


「今王都側へ出払っていて……」


つまり人手不足。



その時。


ボルトンが勢いよく前へ出た。



「受けましょう!!」


全員が見る。



「海産物流通が止まるのは、

商業的大損失です!!」


すごくボルトンらしい理由だった。



「いや、

そこなんだ」


リナが呆れる。



だが。


セイル達も、

そこまで反対ではなかった。



新しい街。


新しい魔物。


そして——


未知の水魔法。



セイルは静かに海の方を見る。


潮風が吹いた。



王都への旅は、

まだ途中。


だが。


新しい冒険は、

もう始まっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ