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第81話 スマッシュ

街道。


昼。


フォーチュンスターは、

街道脇で休憩していた。



護衛旅は順調。


オーク襲撃以降も、

小規模魔物は出る。


だが。


今の五人には、

そこまで脅威ではなかった。



「んー……」


その時。


バルトが難しい顔をしていた。



「どうしたの?」


リリスが聞く。



バルトは腕を組んだまま答える。


「レベル上がった」


リナが反応する。


「おぉ!」



だが。


バルトの顔は微妙だった。



「……で?」


レナが続きを促す。



「スキル覚えた」


「おぉ!」


今度は全員反応した。



「挑発!?」


リナが聞く。


バルトも期待顔だった。



だが。



「スマッシュ」


微妙な空気になった。



「……なんだそれ」


リナが首を傾げる。



バルトがため息を吐く。


「俺も分かんねぇ」


「絶対挑発来たと思ったのに……」


かなり残念そうだった。



その時。


レナが口を開く。



「でも、

むしろいいんじゃない?」


バルトが見る。



「え?」



レナは冷静に続ける。


「バルト、

前出すぎなのよ」


かなりハッキリ言った。



「ぐっ……」


心当たりしかない。



「もし衝撃波系なら、

距離取っても攻撃できる」


「つまり、

無理に突っ込まなくていい」



バルトが少し止まる。



レナはさらに続ける。


「今のバルトって、

守るために前出すぎてる」


「でも、

後ろからでも止められるなら、

もっと安定するでしょ」



その瞬間。


セイルも少し納得した。



確かに。


今のバルトは、

壁役としてかなり優秀。


だが。


近づきすぎることも多い。



もし中距離攻撃があるなら。


かなり変わる。



「……なるほどな」


バルトが少し考える。



リリスも頷く。


「確かに、

遠くから止められたら強そう!」



リナも笑う。


「しかも名前かっこいいじゃん!」


「スマッシュ!」


ポーズ付きだった。



「お前絶対分かってねぇだろ」


バルトが呆れる。



その時。


レナが言った。



「試してみれば?」


空気が止まる。



「……今?」


バルトが聞く。



「今」


レナは即答した。



数分後。


街道脇。


岩場。



バルトが片手斧を構える。


全員少し離れて見ていた。



「……こうか?」


重心を落とす。


力を込める。



次の瞬間。



「スマッシュ!!」


片手斧を振り抜く。



ドゴォォォォッ!!


衝撃。


空気が揺れた。



目の前の岩が、

離れた位置から砕ける。



「おぉ!?」


リナが目を丸くする。



「ほんとに飛んだ!」


リリスも驚いていた。



風圧。


衝撃波。


かなりウィンド系に近い。



その瞬間。


セイルの視界。



【スマッシュのレシピを取得しますか?】


YES / NO



セイルは少しだけ考える。



遠距離攻撃は、

もう足りている。


今必要なのは、

別方向。



セイルは静かに——


NOを選んだ。



その瞬間。


小さく表示が変わる。



【LUK上昇】



「……ん?」


セイルが少し首を傾げた。



「どうした?」


リナが聞く。



「なんか運上がった」


全員が止まった。



「なんで!?」


リナが即ツッコむ。



セイルにも分からなかった。

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