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第73話 新しい装備

ガンド工房。


いつも通り。


熱気。


金属音。


煙。


そして——


「増えたな」


ガンドが腕を組みながら言った。


視線の先。


リリスとバルト。



リナが嬉しそうに胸を張る。


「新メンバー!」


「知ってる」


ガンドは即答した。



ベルナが少し笑う。


「賑やかになったね」


リリスが少し照れる。


まだ、

完全には慣れていなかった。



その横。


バルトが工房奥を見て固まっていた。


大量の武器。


鎧。


盾。


男のロマン空間。



「……すげぇ」


素で漏れる。


ガンドがニヤッと笑った。


「分かるか」


「分かる」


男同士だった。



その時。


ベルナが手を叩く。


「で、

今日は装備相談だよ」


空気が少し締まる。



「まずバルト」


ガンドが真っ直ぐ見る。


「お前、

前出るタイプだな」


バルトが頷く。


「まぁ」



「しかも、

仲間庇う」


「……まぁ」


二回目だった。



ガンドがニヤリと笑う。


「なら重装だ」



「え?」


バルトが止まる。



ガンドはもう止まらない。


机へ紙を広げる。


描かれていたのは——


完全重装。



「魔鋼混合フルプレート」


「大盾付き」


「衝撃吸収強化」


「前衛特化」


バルトの目が少しずつ丸くなる。



「いや待て待て待て」


「重くないかこれ!?」


ガンドが鼻を鳴らす。


「普通の鉄ならな」


「魔鋼混ぜてる」


「動ける重装だ」



ベルナが横から口を挟む。


「あとガンドの趣味」


「うるせぇ」


即答だった。



リナが設計図を見て目を輝かせる。


「かっこいい!!」


リリスも頷く。


「騎士っぽい!」



バルトが少し照れる。


でも。


満更でもない顔だった。



その時。


レナが設計図の肩部分を見る。


止まる。



「……ねぇ」


「この角必要?」


肩装甲。


無駄に角がついていた。


しかも大きい。



ベルナがため息を吐く。


「やっぱ付けたか」


ガンドが真顔で答える。


「威圧も防御だ」


「絶対違う」


レナが即ツッコむ。



バルトが頭を抱える。


「いやこれ絶対邪魔だろ……」


リナが笑う。


「でも似合いそう!」


リリスも笑顔。


「うん!」



セイルが普通に言う。


「似合うと思う」


バルトが止まる。


数秒後。



「……じゃあ、

まぁ……いいか」


押し切られた。



その横で。


ベルナが次の紙を出す。


「次、

リリス」



今度は杖。


そして軽装ローブ。


リナの装備と、

かなり似ていた。



「わっ……!」


リリスが目を輝かせる。



「基本構造はリナと同じ」


「違うのは魔石」


ベルナが説明する。



「リナは風系制御」


「リリスは火力特化」


杖先の赤い魔石が、

工房灯りを反射していた。



リナが嬉しそうに笑う。


「お揃いだ!」


リリスも少し嬉しそうだった。


「ほんとだ……!」



レナが小さく笑う。


「姉妹装備みたいね」


リナがさらに嬉しそうになる。



その時。


ガンドが全員を見る。


「これで五人」


「完全にパーティ専用装備になる」


少しだけ。


空気が変わる。



フォーチュンスター。


五人。


それが、

少しずつ形になり始めていた。

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