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第72話 新しい居場所

レイド終了から三日後。


ラグナス冒険者ギルド。


昼。


いつもより少し静かだった。


フォーチュンスターは、

いつものテーブルにいた。


リナはジュース。


レナは依頼書確認。


セイルは地図を見ている。


平和だった。



その時。


ギルド入口が開く。


セイルが顔を上げる。


止まる。



リリス。


そしてバルトだった。



だが。


前と違う。


二人とも、

どこか疲れた顔をしていた。



「よ」


バルトが手を上げる。


片手斧と盾。


いつもの装備。


でも。


少しだけ空気が重い。



リリスは笑おうとして、

少し失敗した。


「……久しぶり」


まだレイドから三日しか経っていないのに、

妙に久しぶりに感じた。



リナが気づく。


「あれ?」


「二人だけ?」


その言葉に、

リリスとバルトが少し止まった。



バルトが椅子へ座る。


ため息。


「……抜けた」


短かった。



レナが目を瞬く。


「パーティ?」


バルトが頷く。



「まぁ、

色々あってな」


苦笑。


でも。


どこかスッキリもしていた。



リリスも小さく笑う。


「嫌いだったわけじゃないの」


「ただ……」


少しだけ視線が落ちる。



「ずっと頑張ってないとダメで」


「ちょっと疲れちゃった」


静かな本音だった。



セイルは何も言わない。


言えなかった。


幼なじみ。


だからこそ。


自分から誘うのは、

違う気がした。



空気が少し止まる。


その時だった。



リナが、

ぱっと顔を上げる。



「じゃあさ!」


全員が見る。



「うち来る?」


一瞬。


本当に一瞬。


空気が止まった。



リリスが目を丸くする。


「……え?」



リナは普通に続ける。


「だって、

この前めっちゃ連携良かったし!」


「バルト前止めるの上手いし!」


「リリス火力強いし!」


完全に素だった。



レナが少し笑う。


「まぁ、

人数増えるのは悪くないわね」


セイルも小さく頷く。


「俺も、

一緒にやれたら嬉しい」


その言葉で。


リリスの顔が、

少し崩れた。


安心したみたいに。



バルトが苦笑する。


「……いいのかよ」


リナが胸を張る。


「うちはちゃんと話すパーティだから!」


どこか誇らしそうだった。



リリスが笑う。


今度はちゃんと。


昔みたいに。



「……じゃあ、

よろしくお願いします」


そのまま。


自然に。


セイルの隣へ移動する。



そして。


セイルの腕へ、

ぎゅっと腕を組んだ。



「じゃあ、

私のポジションはここね」


一瞬。


空気が止まる。



セイル。


「?」


理解していない。



リナ。


数秒固まる。


その後。


顔が真っ赤になった。



「だめーーー!!!」


ギルド中に響いた。

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