第70話 崩れ始める
「左押されてるぞ!!」
怒号。
爆発音。
オークキング討伐戦は、
さらに激しくなっていた。
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前線。
ローガンがオークキングを抑えている。
だが。
完全には止めきれない。
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ドゴォォォォッ!!
大斧。
地面が砕ける。
冒険者達が吹き飛ぶ。
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「回復!!」
「ポーション回せ!!」
各所で悲鳴が飛ぶ。
レイド戦。
消耗が激しかった。
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その中で。
セイルのサーチ改だけは、
冷静に反応を拾い続けていた。
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(右側、
囲まれる)
嫌な動き。
オーク達が回り込んでいる。
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「ローガンさん!」
セイルが叫ぶ。
「右側面から来ます!」
ローガンが即反応する。
「第二隊回せ!!」
冒険者達が動く。
ギリギリだった。
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「ほんと便利だなお前……!」
近くの冒険者が呟く。
だが今は返す余裕もない。
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その時。
リリス側の戦線がまた揺れた。
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「っ!?」
バルトが盾で仲間を庇う。
ドガァッ!!
重い。
オークソルジャー三体。
同時。
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「バルト!」
リリスが火球を放つ。
ドゴォォッ!!
一体吹き飛ぶ。
だが。
残り二体。
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「前出すぎだ!!」
茶髪剣士が怒鳴る。
「だから言っただろ!」
バルトが顔を歪める。
「前出なきゃ後ろ死ぬだろうが!!」
初めて怒鳴り返した。
空気が止まる。
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その瞬間。
オークキングが咆哮する。
「グォォォォォォッ!!!」
全オークが一斉に動いた。
まずい。
完全突撃。
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「来るぞぉぉぉ!!」
戦線崩壊寸前。
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「リナ!」
「うん!!」
リナが杖を掲げる。
風が集まる。
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「ハイウィンド!!」
ドゴォォォォッ!!
突撃してきたオーク群が吹き飛ぶ。
だが。
数が多すぎる。
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「セイル!!」
レナが叫ぶ。
後方。
シャーマン。
三体。
詠唱中。
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(まずい)
サーチ改が警告する。
広域魔法。
通れば崩れる。
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セイルが踏み込もうとした瞬間。
前へ出た影があった。
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「そこは俺が行く!!」
バルトだった。
盾。
片手斧。
真正面からオーク群へ突っ込む。
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「バルト!?」
リリスが叫ぶ。
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ドガァァァン!!
盾激突。
オーク達が止まる。
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「うおぉぉぉっ!!」
斧を振る。
重い。
速い。
オークソルジャーを吹き飛ばす。
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セイルが一瞬驚く。
強い。
しかも。
前を止める戦い方。
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その瞬間。
セイルは動く。
シャーマンへ。
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「アイスランス!!」
三連。
一直線。
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ガギィィィィン!!
一体貫通。
二体目凍結。
最後の一体へ、
レナの矢が突き刺さる。
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詠唱中断。
ギリギリだった。
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「助かった!」
誰かが叫ぶ。
戦線が戻る。
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その中で。
茶髪剣士だけが、
悔しそうな顔をしていた。
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バルトが前を止めた。
セイル達が穴を埋めた。
そして。
今の連携の方が、
明らかに噛み合っていた。




