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スキルレシピ 〜最弱スキルで最強を再現する〜  作者: 榊紅丸
第一章 ラグナス編 完
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第69話 助ける理由

セイルが駆ける。


速い。


魔鋼装備。


以前より身体が軽い。



オークソルジャー三体。


リリスはまだ立てない。


間に合わない。


普通なら。



「セイル!?」


リリスが目を見開く。


次の瞬間。


セイルが踏み込む。



「アイスランス」


短い詠唱。


冷気収束。


一直線。



ガギィィィィン!!


氷槍が、

先頭オークの肩を貫く。


勢いそのまま、

後ろの一体まで吹き飛ばした。



「グォォォッ!?」


残る一体。


斧を振り上げる。


だが。


ヒュンッ!!


レナの矢。


目へ直撃。



「リナ!」


「任せて!」


「ハイウィンド!!」


ドゴォォォッ!!


風圧。


最後のオークが吹き飛ぶ。


完全連携だった。



静寂。


リリスが呆然とする。



「立てる?」


セイルが手を差し出す。


リリスは少し遅れて頷いた。


「あ……う、うん」


その手を掴む。


引き上げられる。



その瞬間。


茶髪剣士が来る。


顔が険しい。



「何勝手に持ち場離れて——」


途中で止まった。


周囲を見る。


倒れたオーク。


氷槍。


風で削れた地面。



完全に、

セイル達が救援した形だった。



リリスが小さく言う。


「庇った子が遅れてて……」


「だから私——」


だが。


男は舌打ちする。



「だったらもっと上手くやれ」


空気が凍った。



リリスが少し俯く。


バルトが顔をしかめた。


「おい」


完全に怒っている。



その時。


後方から別の悲鳴。


オーク増援。


まだ来る。



「話は後だ!!」


ローガンの怒声。


全員が動く。



だが。


その直前。


リリスが小さく呟いた。


「……なんで助けてくれたの?」


セイルが振り向く。


不思議そうな顔だった。



「なんでって」


少しだけ考える。


でも答えは簡単だった。



「仲間だろ」


当たり前みたいに言った。



リリスが固まる。


茶髪剣士も止まった。


バルトも。



フォーチュンスター側。


リナがちょっと嬉しそうに笑う。


レナも小さく口角を上げた。



セイルだけが普通だった。


本当に。


当たり前のことを言っただけだった。

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