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第68話 王の咆哮

「グォォォォォォッ!!!」


オークキングの咆哮が、

森を揺らす。


空気が重い。


ただ立っているだけで、

圧迫感が違った。



「デカ……」


リナが息を呑む。


普通のオークじゃない。


完全に別格。



オークキングが大斧を持ち上げる。


その瞬間。


周囲のオーク達が動いた。



「来るぞ!!」


ローガンの怒声。


戦線が一気に激しくなる。



オークソルジャー。


槍持ち。


弓持ち。


さらに後方。


ローブ姿。



「シャーマン確認!」


誰かが叫ぶ。


最悪だった。



紫色の魔力。


次の瞬間。


「ギャァァッ!!」


前衛の冒険者が吹き飛ぶ。


火球。


かなり強い。



「リナ!」


「うん!」


「ハイウィンド!!」


ドゴォォォッ!!


風が火球を逸らす。


爆発。


熱風。


ギリギリだった。



セイルのサーチ改が暴れる。


多い。


オークだけじゃない。


伏兵。


森側。


左右。


全部動いている。



「左から増援!」


「後ろ回るぞ!」


セイルが叫ぶ。


第三隊が即座に動く。



レナの矢。


ヒュンッ!!


オークアーチャーの目へ直撃。


さらに連射。


以前より速い。


魔鋼矢じり。


貫通力も違う。



「セイル!」


リナの声。


オークソルジャーが二体。


同時。



セイルが踏み込む。


魔鋼剣。


軽い。


速い。


ザンッ!!


一体の腕を切り落とす。


そのまま回転。


二体目の首筋へ。



「グォッ……!?」


倒れる。


周囲の冒険者が驚く。



「ほんとにDランクか……?」


「動きおかしいぞ」


聞こえていた。


でも今は余裕がない。



その時。


前線が揺れた。



「ぐっ!?」


冒険者達が吹き飛ぶ。


オークキング。


動いた。



速い。


巨体なのに。


大斧が振り下ろされる。


ドゴォォォォッ!!


地面が砕けた。



「散開!!」


ローガンが前へ出る。


大剣。


真正面。



ガギィィィィン!!


衝突。


衝撃波。


周囲の木が揺れる。



「ハッ……!」


ローガンが笑う。


「いい力だ」


完全に強者同士だった。



だが。


オークキングが吠える。


「グォォォッ!!」


その瞬間。


周囲のオーク達が、

さらに狂暴化した。



「強化系か!?」


レナが顔をしかめる。


まずい。


数が多すぎる。



その時だった。


リリス側。


悲鳴。



「っ!?」


セイルが振り向く。


オークシャーマンの魔法。


爆発。


土煙。



そして。


茶髪剣士の怒声。


「リリス!!

何やってんだ!!」


空気が凍る。



リリスが転んでいた。


庇った。


仲間を。


そのせいで詠唱が遅れた。



「す、ぐ……!」


立とうとする。


だが。


オークソルジャーが迫る。


三体。


完全に間に合わない。



「リリス!!」


バルトが叫ぶ。


だが遠い。



その瞬間。


セイルが走っていた。

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