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第62話 崩落

「グォォォォォッ!!」


魔鋼獣が突っ込む。


速い。


巨体なのに、

床を砕きながら迫ってくる。



「散開!!」


ローガンの怒声。


全員が飛ぶ。


直後。


ドゴォォォォッ!!


突進。


巨大結晶が砕ける。


魔鋼片が周囲へ飛び散った。



「硬っ……!!」


ガンドが顔をしかめる。


さっきのロックファング主とは別格。


まるで——


魔鋼そのもの。



ローガンが踏み込む。


大剣。


全力。


ドガァァァン!!


直撃。


だが。


浅い。



「チッ……」


初めてローガンが舌打ちした。


硬すぎる。



魔鋼獣が咆哮する。


背中の結晶が赤黒く光った。


嫌な予感。



「下がれ!!」


ローガンが叫ぶ。


次の瞬間。


ドゴォォォォォッ!!


結晶から衝撃波。


空洞全体が揺れる。


採掘場の壁へ、

亀裂が走った。



「崩れる!!」


リナが叫ぶ。


天井から岩が落ちる。


まずい。


この空間自体、

不安定になっていた。



セイルのサーチ改が暴れる。


危険。


崩落。


下層空洞。


全部繋がってる。



「ローガンさん!」


セイルが叫ぶ。


「下、

空洞あります!!」


ローガンが即理解する。


「落とせるか?」


セイルも瞬時に答える。


「多分!」



ベルナが笑う。


「ならやるしかないね」


ガンドもハンマーを構える。


「派手にいくぞ」



魔鋼獣が再び突進姿勢を取る。


背中の結晶が光る。


床が軋む。



ローガンが大剣を振り上げる。


「セイル!」


「結晶狙え!!」



セイルが掌を向ける。


冷気。


圧縮。


アイスランス。


今までより、

さらに鋭く。



「アイスランス!!」


放たれる。


一直線。


背中の巨大結晶へ。



ガギィィィィン!!


直撃。


凍結。


そして——


ヒビ。



「ガァァァァァァッ!!」


魔鋼獣が暴れる。


その瞬間。


ガンドのハンマー。


ベルナの斧。


ローガンの大剣。


三方向から同時直撃。



ドゴォォォォォッ!!


巨大結晶が砕け散った。



静寂。


一瞬。


そして——


床が割れた。



バキバキバキィィィッ!!


空洞全体が崩れる。


魔鋼獣の巨体が傾く。



「今だ!!

全員走れ!!」


ローガンの怒声。


全員が出口へ走る。


岩が落ちる。


地面が裂ける。



後ろ。


魔鋼獣が咆哮する。


「グォォォォォォォッ!!!」


だが。


崩壊が止まらない。



セイルが振り返る。


巨大な裂け目。


その先。


さらに下。


暗闇。



魔鋼獣の巨体が、

崩落へ飲み込まれていく。



「落ちた……!?」


リナが息を呑む。


次の瞬間。


ドゴォォォォォン!!


下層から、

巨大な衝撃音が響いた。


かなり深い。


三階層より下。



ローガンが荒く息を吐く。


「……生きてるな」


断言だった。



レナが顔をしかめる。


「倒せてないの?」


「無理だ」


ローガンが即答する。


「あれは今のお前らが戦う相手じゃねぇ」


重い言葉だった。



その時。


セイルのサーチ改が、

さらに下を捉える。


暗闇。


深部。


そして——


ゆっくり動き出す、

巨大反応。



(……まだ生きてる)


セイルの背筋に、

冷たいものが走った。



数日後。


ギルドは正式に発表する。



【三階層以下、

立入禁止】



ラグナス地下坑道。


その最深部には——


未確認危険存在が、

眠っている。

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