第60話 鉱脈の奥
カンッ——!!
採掘音が響く。
試験採掘は順調だった。
魔鋼。
本物。
しかも高純度。
採掘人達の顔も明るい。
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「これはすごいぞ……!」
「ラグナス変わるかもしれねぇ……」
興奮が広がる。
ボルトンはもう止まらない。
「増築ですぞ!」
「商会拡大ですぞ!」
「新店舗ですぞ!」
「気が早い」
ベルナが即止めた。
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その時だった。
セイルが、
ふと奥を見る。
魔鋼鉱脈。
さらに奥。
サーチ改。
違和感。
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(……空洞?)
しかも広い。
かなり広い。
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「どうした」
ローガンが気づく。
セイルは少し迷った。
だが隠す理由もない。
「この先、
まだ空間あります」
採掘音が止まった。
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「まだあるのか?」
ガンドが眉をひそめる。
セイルが頷く。
「かなり広いです」
「鉱脈も続いてる」
空気が変わる。
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ローガンが立ち上がる。
「案内しろ」
即決だった。
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「え、行くの!?」
リナが驚く。
「確認は必要だ」
ローガンは冷静だった。
「鉱脈の規模次第じゃ、
二階層そのものが変わる」
確かにその通りだった。
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ベルナも短斧を持つ。
「嫌な感じするね」
ガンドも立ち上がる。
「主級いた後だ」
「何かあっても不思議じゃねぇ」
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採掘隊は待機。
探索は少人数。
ローガン。
セイル達。
ガンド。
ベルナ。
そして何故かボルトン。
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「なんでいるんですか?」
レナがまた聞いた。
「商人の勘ですぞ!」
「死ぬわよ」
「信用第一ですので!」
「会話成立してない」
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セイルが先導する。
サーチ改。
奥。
空洞。
反応なし。
でも——
妙に静かだった。
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魔鋼鉱脈沿い。
細い通路。
途中から、
人工的な跡が増える。
崩れた支柱。
古いレール。
採掘跡。
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「……ここ、
かなり昔の本採掘場だね」
ベルナが呟く。
ガンドも頷く。
「しかも急に放棄されてる」
不自然だった。
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その時。
セイルのサーチ改が、
強く反応した。
「止まって」
全員が止まる。
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前方。
巨大空間。
かなり広い。
そして——
中央。
何かある。
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「魔物?」
リナが小声で聞く。
セイルが首を振る。
「違う」
「動いてない」
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慎重に進む。
そして。
通路を抜けた瞬間。
全員が止まった。
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巨大空洞。
天井が見えない。
中央には、
黒銀色の巨大結晶。
魔鋼。
だが——
普通じゃない。
大きすぎる。
しかも。
淡く光っている。
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「……なんだあれ」
ローガンですら、
低く呟いた。
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その周囲。
崩れた採掘道具。
壊れた荷車。
そして——
白骨。
大量だった。
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空気が変わる。
リナが息を呑む。
「……ここ、
何があったの」
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その瞬間。
セイルのサーチ改が、
初めて“下”へ反応した。
結晶の内部。
何かいる。
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ドクン。
巨大結晶が、
脈打った。




