表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルレシピ 〜最弱スキルで最強を再現する〜  作者: 榊紅丸
第一章 ラグナス編 完
PR
58/79

第58話 氷槍

ベルナの短斧が、

静かに構えられる。


ロックファングの主も、

完全に警戒していた。



「セイル」


「氷」


「動き止めな」


短い指示。


だが十分だった。



セイルが頷く。


掌へ魔力を集める。


冷気。


収束。



『アイスランス』


条件達成:


✔ 格上個体への氷属性有効打


残り条件:


・アイスボール使用回数

98/100



(そこ先なんだ……!?)


セイルが一瞬だけ真顔になる。



「セイル!?」


リナが叫ぶ。


「え、あ、ごめん!」


今考えることじゃなかった。



ロックファングの主が動く。


速い。


今度はベルナ狙い。



「アイスボール!!」


青白い氷弾。


主級の前脚へ直撃。


バキィッ!!


氷が広がる。


だが——


完全には止まらない。


「硬っ……!」


主級が強引に氷を砕く。


だが速度は落ちた。



その瞬間。


ベルナが踏み込む。


速い。


無駄がない。


ザシュッ!!


短斧が、

主級の肩を裂く。


血が舞う。



「ガァァァァッ!!」


咆哮。


主級が暴れる。


周囲のロックファング達も動き出す。



「リナ!」


「うん!」


「ブリザード!」


二人同時。



「アイスボール!!」


「ハイウィンド!!」


ドゴォォォォォッ!!


吹雪。


坑道全体が白く染まる。


ロックファング達の足が止まる。


壁。


床。


全部凍る。



『アイスランス』


条件達成:


✔ 格上個体への氷属性有効打


✔ アイスボール使用回数

100/100



『アイスランス習得』



(今覚えるの!?)


セイルの頭へ、

新しい感覚が流れ込む。


氷を——


圧縮する。


細く。


鋭く。


“飛ばす”のではなく、

“貫く”。



「余所見すんな!!」


ローガンの怒声。


主級が来る。


吹雪を突っ切って。


速い。


凍ってもなお速い。



だが。


セイルには見えていた。


サーチ改。


軌道。


着地点。


全部。



「右前!!」


ローガンが即反応する。


ドゴォォッ!!


大剣。


真正面衝突。


主級が止まる。


ほんの一瞬。



「レナ!!」


「分かってる!!」


ヒュンッ!!


矢。


静か。


鋭い。


シルク弦。


吹雪の中を一直線。


主級の右目へ迫る。



だが。


主級が首を逸らす。


避けた。


「チッ……!」


レナが舌打ちする。


その瞬間。


わずかに体勢が崩れた。



ベルナが見逃さない。


「今だよ」


短い声。



セイルが前へ出る。


掌へ集まる冷気。


今までと違う。


鋭い。


細い。


圧縮されている。


空気そのものが、

凍りつく。



主級が初めて、

危険を感じたように目を見開いた。



「アイス——」


冷気が収束する。


槍の形。


透き通る氷。


鋭すぎる刃。



「ランス!!」


放たれた。


一直線。


速い。


今までのアイスボールとは別物。



ガギィィィィンッ!!


氷槍が、

主級の肩を貫いた。


止まらない。


そのまま壁へ突き刺さる。


凍結。


衝撃。


血飛沫。



「ガァァァァァァッ!!」


主級が絶叫する。


右肩が完全に凍りついていた。



静寂。


採掘人達が固まる。


リナも目を見開く。


「……なに今」


レナが呟く。


「アイスボールじゃない」



ローガンだけが笑った。


「やっと出しやがったか」


完全に見抜いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ