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第57話 ギルド長の戦い

ドゴォォォッ!!


ローガンの大剣が、

空間ごと叩き潰した。


轟音。


衝撃。


風圧。


採掘人達が息を呑む。



だが。


ロックファングの主は、

空中で体を捻った。


避けた。


「避けた!?」


リナが目を見開く。


今の一撃。


普通の魔物なら消し飛んでいた。



「ハッ」


ローガンが笑う。


楽しそうだった。


「いいな」


完全に戦闘狂だった。



ロックファングの主が、

壁を蹴る。


速い。


だが——


「右上!」


セイルのサーチ改。


ローガンが即反応する。


ガギィィン!!


大剣と爪が激突。


火花。


空気が震える。



「重っ……!」


セイルが驚く。


ローガンが押されていない。


だが、

主級も止まっている。


純粋な力勝負だった。



その瞬間。


左右から通常個体。


採掘隊狙い。


「っ!」


レナが矢を放つ。


ヒュンッ!!


一体の目を射抜く。


さらに連射。


シルク弦。


以前より、

明らかに速い。



「アイスボール!!」


セイルの氷弾。


前脚凍結。


ロックファングが転倒。


その瞬間。


リナが理解する。


「セイル!」


「うん!」


二人同時。



「アイスボール!!」


「ハイウィンド!!」


ドゴォォォォッ!!


吹雪。


二階層通路を、

白い嵐が埋め尽くす。



「なっ……!?」


採掘人達が驚く。


ロックファング達の動きが止まる。


壁。


床。


毛皮。


全部が凍り始める。



ローガンが笑った。


「ブリザードか」


「悪くねぇ」


褒められた。


リナがちょっと嬉しそうになる。



その時。


主級が吠えた。


「ガァァァァァッ!!」


爆風。


吹雪が押し返される。


「えっ!?」


リナが驚く。


主級だけ違う。


筋力も。


魔力も。


格が違った。



次の瞬間。


主級が消える。


速い。


今までで一番。



「ローガンさん後ろ!!」


セイルが叫ぶ。


ローガンが振り向く。


だが間に合わない。


爪。


直撃コース。



ガギィィィン!!


止まった。


巨大なハンマー。


ガンドだった。



「鍛冶屋なめんな」


ドワーフが笑う。


だが重い。


押されている。



「チッ……!」


ガンドが踏ん張る。


床が割れる。


主級強すぎる。



「レナ!」


「分かってる!」


矢。


だが。


主級が見ていた。


避ける。


「嘘っ!?」


完全に読まれている。



その瞬間。


ベルナが静かに前へ出た。


採掘人達が驚く。


「え?」


「奥さん……?」


ベルナが腰の短斧を抜く。


空気が変わった。


ローガンが少し笑う。


「久々に見るな」



主級が飛ぶ。


ベルナへ。


普通なら死ぬ速度。


だが——


ベルナは動かなかった。


一歩だけ。


横へ。


そして。


ザンッ——


主級の前脚から、

血が舞った。



静寂。


ロックファングの主が、

初めて距離を取る。


警戒している。



リナが固まる。


「……奥さん強っ」


レナも引いていた。


「元Aランクって本当だったのね……」



ベルナは短斧を構えたまま、

静かに言う。


「セイル」


「氷」


「動き止めな」


一切ブレない声だった。



セイルが頷く。


理解した。


今なら——


合わせられる。

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