第56話 護衛戦
「グルルルル……!!」
赤い目。
壁。
天井。
ロックファング達が、
完全に包囲していた。
しかも——
多い。
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「数七!」
セイルのサーチ改。
即座に反応。
「右上二!」
「左壁三!」
「後方二!」
採掘人達の顔が青くなる。
⸻
ローガンが大剣を構える。
「採掘隊は中央!」
「護衛は外周だ!」
声が通る。
一瞬で隊形が決まった。
ギルド長。
経験値が違う。
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「来る!!」
レナが叫ぶ。
次の瞬間。
ロックファングが一斉に動いた。
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速い。
壁を走る。
天井を蹴る。
立体的。
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だが。
「ハイウィンド!!」
ドゴォォォッ!!
リナの風が通路を埋める。
ロックファング達の動きが乱れる。
完全停止まではいかない。
でも——
速度は落ちた。
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「アイスボール!!」
セイルの氷弾。
前脚へ命中。
バキィッ!!
一体が壁から落ちる。
⸻
『アイスランスのレシピ習熟度が上昇しました』
(また出た……)
セイルが一瞬だけ遠い目になる。
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「今!」
レナの矢。
ヒュンッ!!
シルク弦が鳴る。
静か。
速い。
落下したロックファングの目へ直撃。
即死。
⸻
だが。
別方向。
採掘隊側。
「ひっ!?」
一体が突破した。
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「下がれ!」
ローガンが踏み込む。
ドゴォォッ!!
大剣。
ただ振っただけ。
なのにロックファングが吹き飛ぶ。
壁へ激突。
岩が砕けた。
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採掘人達が固まる。
「す、すげぇ……」
ガンドが鼻を鳴らす。
「だからギルド長なんだよ」
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その瞬間。
セイルのサーチ改が、
さらに奥を捉える。
「っ!」
反応。
大きい。
しかも速い。
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「ローガンさん!」
セイルが叫ぶ。
「奥から大きいの来ます!」
空気が変わる。
ローガンの目が鋭くなる。
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奥の闇。
低い唸り声。
「グォォォ……」
ロックファング達が、
一瞬だけ道を開けた。
まるで——
上位個体へ道を譲るように。
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現れた。
巨大。
黒灰色。
普通個体の二倍近い。
右目に古傷。
そして——
前脚の爪。
異常に長い。
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リナが息を呑む。
「……また主級?」
レナも顔をしかめる。
「最悪ね」
⸻
ローガンだけは笑った。
「面白ぇ」
大剣を構える。
圧が変わる。
今までと違う。
ギルド長としてじゃない。
一人の上位冒険者としての空気。
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「セイル」
低い声。
「サポートしろ」
「リナ、動き止めろ」
「レナ、目を狙え」
即座の指示。
無駄がない。
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ロックファングの主が低く沈む。
床が軋む。
次の瞬間。
消えた。
「速っ!?」
セイルのサーチ改が、
ギリギリで追う。
右。
上。
正面。
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ローガンが笑う。
「いい速度だ」
そして——
大剣を振り抜いた。




