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第54話 試験採掘隊

ラグナス冒険者ギルド。


二階会議室。


珍しく、

人が集まっていた。



ギルド長ローガン。


ボルトン。


ガンド。


ベルナ。


そしてフォーチュンスター。



テーブル中央には、

黒銀色の魔鋼欠片。


部屋の空気が重い。



ローガンが腕を組む。


「まず確認だ」


「今回の件は極秘扱いにする」


全員が頷く。



「現時点で確認されているのは」


「二階層奥」


「未発見鉱脈」


「魔鋼」


それだけでも十分異常だった。



ボルトンが震えている。


嬉しそうに。


「夢がありますぞぉ……」


「静かにしな」


ベルナが即止めた。



ローガンが続ける。


「問題は採掘だ」


「二階層は安全じゃない」


セイル達も真面目な顔になる。


ロックファング。


狭い通路。


奇襲。


普通の採掘人では危険すぎる。



「だから最初は試験採掘にする」


ローガンが地図を広げる。


「少人数」


「短時間」


「安全確認優先」


かなり慎重だった。



ガンドが頷く。


「妥当だな」


「魔鋼は逃げねぇ」


職人らしい意見だった。



ローガンがセイルを見る。


「そこでお前達だ」


フォーチュンスター。



「発見者であり、

ルート確認済み」


「さらに」


「サーチ改持ち」


セイルが少し驚く。


ギルド長は、

そこまで把握していた。



「採掘隊護衛を依頼したい」


正式依頼だった。



リナが少し緊張する。


「私達だけで……?」


「俺も行く」


ローガンが即答した。


空気が少し変わる。



レナが目を細める。


「ギルド長自ら?」


「初動確認は重要だ」


ローガンは当然のように言った。


「もし情報通りなら、

ラグナスの状況が変わる」


本気だった。



ボルトンが勢いよく立つ。


「では採掘人員はこちらで!」


「運搬も!」


「必要物資も!」


「落ち着きな」


ベルナがまた止めた。



ガンドが苦笑する。


「商売の匂いすると元気だな」


「信用第一ですので!」


「意味違うでしょ」


レナが呆れた。



ローガンが地図へ指を置く。


「問題はここだ」


二階層入口。


そこから鉱脈部屋までの通路。



「狭い」


「奇襲されやすい」


「採掘隊は戦闘慣れしてない」


つまり——


護衛が必要。



セイルが地図を見る。


頭の中で、

二階層構造が浮かぶ。


「ここ」


指を置く。


「この横道、

行き止まりです」


「ロックファング来やすい」


ローガンが少し目を細めた。


「……本当に見えてるんだな」


サーチ改。


普通の索敵じゃない。



レナも続ける。


「この広場は危ない」


「壁走り出来る」


「上取られる」


リナも頷く。


「吹雪なら止められると思う」


ローガンが少し笑った。


「ブリザードだったか」


名前、

もう広がっていた。



「出発は明日早朝」


ローガンが立ち上がる。


「試験採掘隊を編成する」


「採掘成功なら、

正式採掘へ移行だ」



その時。


ボルトンが小さく呟く。


「ラグナス始まりますぞ……」


ベルナがため息を吐く。


「まだ始まってない」



だが。


誰も否定は出来なかった。


未発見魔鋼鉱脈。


試験採掘。


そして二階層。


フォーチュンスターは、

ただの新人冒険者ではなくなり始めていた。

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