表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
51/67

第51話 隠し部屋

吹雪が静かに消えていく。


凍った坑道。


倒れたロックファング。


そして——


黒い岩壁。


その一部だけ、

崩れていた。



「……ほんとに空いてる」


リナが目を丸くする。


崩れた岩の奥。


細い隙間。


人一人、

ぎりぎり通れる程度。



レナが警戒する。


「罠とかない?」


セイルが目を閉じる。


「サーチ改」


広がる感覚。


空洞。


奥行き。


そして——


生物反応なし。


「魔物はいない」


「ほんと便利ねそれ」


レナが少し呆れる。



セイルが岩を押す。


ゴゴッ……


崩れた石が落ちる。


隙間が広がった。


冷たい空気が流れてくる。


長い間、

誰も入っていなかった空気。



「行く?」


リナが少し緊張した顔で聞く。


セイルは頷く。


「せっかくだし」



三人は、

慎重に中へ入る。


狭い通路。


古い石壁。


途中には、

朽ちた木材も残っていた。


「採掘場っぽいね」


リナがランタンを向ける。


レール跡。


壊れたツルハシ。


本当に昔、

坑道だったらしい。



その時。


セイルのサーチ改が、

強く反応する。


奥。


右壁。


魔力反応。


かなり濃い。


「……こっち」


三人が進む。


そして。


小部屋へ出た。



「……え?」


リナが声を失う。


壁。


そこに、

黒銀色の鉱石が埋まっていた。


普通の岩じゃない。


微かに光っている。


しかも——


魔力を感じる。



レナが目を細める。


「これ……」


セイルも近づく。


触れる。


冷たい。


でも内部に、

魔力が流れている感覚。


その瞬間。


頭の中へ文字。



『魔鋼を確認しました』



セイルが目を見開く。


「魔鋼……?」


リナが振り向く。


「知ってるの!?」


「いや……」


知識じゃない。


レシピと同じ。


触れた瞬間、

理解が流れ込んできた。



レナが周囲を見る。


「これって……」


壁一面。


全部。


魔鋼鉱脈だった。



静寂。


そして。


リナが小さく言う。


「……やばくない?」


かなりやばかった。



セイルのサーチ改が、

さらに奥を捉える。


まだ続いている。


鉱脈。


かなり深い。


つまり——


未採掘。


誰にも見つかっていない。



レナが真顔になる。


「これ、

勝手に掘っていいの?」


現実的だった。



セイルも考える。


確かに。


ダンジョン。


ギルド管理。


勝手に持ち出していいのか分からない。



その時。


リナが壁を見る。


「……でもちょっとだけなら」


三人の視線が合う。


少しだけ。


本当に少しだけ。


試しに。



セイルが剣の柄で、

軽く叩く。


カンッ——


普通の岩と違う音。


小さな欠片が落ちる。


黒銀色。


魔力を帯びた鉱石。



その瞬間。


全員が理解した。


これ、

絶対高い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ