第47話 新しい装備
数日後。
ラグナス。
ガンド工房。
カンッ——!!
金属音が響く。
熱気。
煙。
そして、
いつもの怒鳴り声。
「だからそこは冷ますなっつってんだろ!」
「分かってるよ」
ベルナが平然と返す。
ガンドが黙った。
リナが小声になる。
「やっぱ奥さん強い……」
⸻
「お、来たか」
ガンドが振り向く。
その横には、
加工済みの装備が並んでいた。
「出来てるぞ」
重い箱が置かれる。
リナの目が輝く。
「おぉー!!」
⸻
まずはレナ。
ベルナが弓を差し出す。
以前と同じ弓。
だが——
弦だけ違う。
白銀色。
細い。
シルクスパイダー糸製。
「張ってみな」
レナがゆっくり引く。
その瞬間。
目が変わった。
「……軽い」
「だろ」
ベルナが少し笑う。
「戻りも速い」
「連射向きだよ」
レナが何度か試す。
弦の音が静かだった。
以前より、
明らかにブレが少ない。
「すご……」
珍しく、
素直に感動していた。
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ガンドが腕を組む。
「木だけじゃ飛ばねぇ」
「弦も武器だ」
職人の声だった。
⸻
次はリナ。
ガンドが杖を渡す。
先端魔石。
以前のものより、
淡い緑色が強い。
洞窟ウルフ主の魔石。
加工済み。
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「魔力流してみろ」
「う、うん!」
リナが魔力を流す。
ブォッ——
風が巻いた。
以前より、
明らかに反応が速い。
「わぁっ!?」
リナがびっくりする。
ガンドが笑った。
「風の通りが良い」
「相性良かったな」
リナが嬉しそうだった。
⸻
最後はセイル。
ベルナが軽鎧を持ってくる。
洞窟ウルフ革を使った、
軽装鎧。
動きやすさ重視。
「前出るなら、
最低限は着な」
セイルが着てみる。
軽い。
思ったより動ける。
「すごい……」
「重いだけが防具じゃない」
ベルナが当然のように言った。
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リナがセイルを見る。
「あ、ちょっと冒険者っぽい」
「今までは?」
「なんか旅人」
レナが吹き出す。
セイルが苦笑した。
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その時。
ガンドが腕を組む。
「ただし」
空気が少し変わる。
「装備だけじゃ強くならねぇ」
職人の目だった。
「使いこなして初めて武器だ」
ベルナも頷く。
「壊すなよ」
「特にあんた」
リナを見た。
「えぇっ!?」
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ボルトンが後ろで笑う。
「修理代は金貨一枚ですぞ!」
「営業しないで」
レナが即ツッコんだ。
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そして——
その日の午後。
フォーチュンスターは、
再びラグナス地下坑道へ入っていた。
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「右!」
レナの声。
ヒュンッ!!
矢が飛ぶ。
ダークバットの額へ命中。
以前より速い。
しかも静かだった。
リナが驚く。
「速っ!?」
レナ自身も少し驚いていた。
「……引っかかりがない」
シルク弦。
予想以上だった。
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「前、二体!」
セイルのサーチ改。
洞窟ウルフ。
以前より、
位置把握が速い。
「いける?」
リナが風を集める。
「余裕」
レナが短く答えた。
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戦闘開始。
以前より明らかに連携が良い。
レナが牽制。
セイルが前衛。
リナが風で制御。
役割が、
さらに噛み合い始めていた。
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リナが杖を振る。
「ハイウィンド!!」
ドゴォォッ!!
暴風。
以前より、
発動が速い。
風圧も強い。
洞窟ウルフがまとめて吹き飛ぶ。
リナが目を輝かせる。
「すごっ!?」
ガンドの言葉通りだった。
相性。
装備。
素材。
全部が噛み合えば、
戦いは変わる。
⸻
新しい装備。
新しい力。
そして、
さらに奥へ続くダンジョン。
フォーチュンスターは、
少しずつ——
本物の冒険者へ近づいていた。




