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第126話 最大出力

「こっちに来る」


 セイルの声で、

 全員の顔が変わる。


 暗闇の奥。


 赤い目。


 大量。


 さらに。


 ジェネラル級が三体。


「……冗談だろ」


 ゴルドが息を吐く。


 前衛はもう限界に近い。


 この数を正面から受ければ、

 押し潰される。


 ヴァルクが即座に判断した。


「下がるぞ!」


「間に合わない!」


 レナが叫ぶ。


 数が多すぎる。


 通路が埋まる。


 逃げ切れない。


 その時だった。


 セイルが短く言う。


「撃つ」


 リリスとリナが、

 一瞬で意味を理解した。


「あー……」


 リナが少し引く。


「またあれ?」


「最大出力で」


 セイルが言う。


 ヴァルクが眉をひそめる。


「なんだ?」


 リリスが杖を構えた。


「……巻き込まれないでくださいね?」


「は?」


 次の瞬間。


「ファイアーウォール!!」


 ゴォォォォォ!!


 巨大な炎壁。


 坑道全体を塞ぐ。


 さらに。


「ハイウインド!!」


 暴風。


 炎が膨れ上がる。


 熱量が一気に上がる。


「お、おい……」


 ヴァルクの顔が変わる。


 まだ終わらない。


 セイルが剣を前へ向けた。


「アイスランス」


 巨大氷槍。


 それが。


 炎の中心へ突き刺さる。


 次の瞬間。


 ジュォォォォォッ!!


 超高温蒸気。


 圧縮。


 暴風。


 熱。


 全部が混ざる。


「逃げて」


 セイルが即座に走り出した。


「は!?!?」


 ヴァルク達が混乱する。


「走って!!」


 リナが叫ぶ。


 全員が全力で通路を駆ける。


 そして。


「メルトストーム」


 次の瞬間。


 ドゴォォォォォォォォン!!!!


 坑道が爆発した。


 熱風。


 蒸気。


 衝撃波。


 全部が後方から押し寄せる。


「うおぉぉぉ!?」


 ゴルドが吹き飛びかける。


「熱っっっっ!!」


 バルトが叫ぶ。


 鎧から湯気が出ていた。


「また俺だけ地獄なんだけど!?」


「盾役だからでしょ!!」


 リナが叫び返す。


 だが。


 その直後。


 後方から、

 無数の断末魔が響いた。


 ギシャァァァァ!!


 ギギギギギ!!


 ジェネラルの咆哮。


 さらに。


 ドガガガガッ!!


 崩落音。


 数秒後。


 静寂。


 全員が止まる。


 ゆっくり後ろを見る。


 そこには。


 黒く焼けた坑道。


 蒸気。


 そして。


 ジェネラル級すら、

 倒れ伏していた。


 沈黙。


「……なんだ今の」


 ヴァルクが真顔で言う。


 リリスが少し視線を逸らした。


「合体魔法です……」


「合体……?」


 ヴァルクの顔が引きつる。


 ゴルドも完全に固まっていた。


「お前らC級だよな?」


「多分」


 セイルが普通に答える。


「多分ってなんだよ!?」

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