第125話 支える者
「ジェネラルが…まだいる」
セイルの言葉に、
空気が重くなる。
しかも。
今目の前にいるだけで二体。
これ以上増えれば、
完全に押し切られる。
「チッ……!」
ヴァルクが舌打ちする。
その瞬間。
ジェネラルの一体が突っ込んだ。
ドゴォォォン!!
「ぐぁっ!?」
穴②側の盾役が吹き飛ぶ。
完全に崩れる。
「前が下がった!!」
リリスが叫ぶ。
その時だった。
「右前衛、回復薬!」
レナが即座にマジックバッグへ手を入れる。
ポイッ!!
小瓶が飛ぶ。
「うおっ!?」
吹き飛ばされた冒険者が、
ギリギリで受け取る。
「飲んでください!」
さらに。
レナは次の矢を引き抜いた。
黄色。
「麻痺矢」
ギリッ……
弦を引く。
狙い。
一切ブレない。
「今止めます」
放つ。
ヒュンッ!!
麻痺矢が、
ジェネラルの脚へ突き刺さる。
ビクッ!!
巨体が一瞬止まる。
「今だ!!」
ヴァルクが踏み込む。
「強撃烈!!」
ドゴォォォォン!!
重い一撃。
さらに。
セイル。
二刀流。
右。
左。
止めない。
「二段切り」
ザザザザッ!!
四連撃。
同じ場所へ、
一気に斬撃が叩き込まれる。
ギシャァァァァ!!
ジェネラルが大きく体勢を崩した。
その瞬間。
【三段切りのレシピを取得できます】
【取得しますか?】
「YES」
頭の中へ感覚が流れ込む。
三連撃。
さらに繋げる技術。
だが。
今はまだ使えない。
条件不足。
「またなんか覚えたでしょ!?」
リナが叫ぶ。
「うん」
「戦闘中に成長しすぎなのよ!!」
だが。
その後ろで、
レナは冷静だった。
「麻痺矢残り九本」
「毒消しあと六」
「回復薬はまだあります」
次々と、
マジックバッグから物資を取り出していく。
ヴァルクが少し驚いた顔をした。
「お前ら、
後衛管理しっかりしてんな」
レナは普通に答える。
「後でギルドに請求しますので」
一瞬沈黙。
そして。
「今それ言うか!?」
リナが吹き出した。
だが。
ヴァルクも少し笑っていた。
「嫌いじゃねぇ」
その時だった。
セイルの顔が変わる。
「……待って」
「今度はなんだ」
「前」
全員が視線を向ける。
暗闇。
その奥。
大量の赤い目。
さらに。
大きい。
ジェネラル級反応。
一つ。
二つ。
三つ。
「……嘘だろ」
ゴルドの声が低くなる。
セイルは静かに言った。
「こっちに来る」




