第124話 崩壊寸前
「うそでしょ……」
リリスの声が漏れる。
酷かった。
前衛は後退。
盾役が一人膝をついている。
後衛も壁際まで押し込まれていた。
しかも。
ジェネラル二体。
「まずいな……」
ヴァルクの顔が変わる。
このまま崩れれば、
穴②は飲み込まれる。
その瞬間。
「後ろだぁぁぁ!!」
誰かが叫ぶ。
アーミーアント達が一斉に振り返る。
そして。
ヴァルクが笑った。
「挟んだぞ」
次の瞬間。
「強撃烈!!」
ドゴォォォォォン!!
後方からの一撃。
ソルジャー級ごと、
アーミーアントが吹き飛ぶ。
「なっ!?」
穴②側の冒険者達が目を見開く。
「援軍!?」
「違う、横から来た!?」
その隙に。
セイルが飛び込む。
二刀流。
右。
左。
止まらない。
ザザッ!!
群れの中央を切り裂く。
「速っ!?」
穴②の剣士が驚く。
だが。
数が多すぎる。
ジェネラル二体が同時に動く。
ドゴォォン!!
一撃。
盾役が吹き飛ぶ。
「がぁっ!?」
「まずい!」
その瞬間。
バルトが割り込んだ。
ドラゴンボーンシールド。
正面受け。
ドゴォォォン!!
「ぐっ……!!」
重い。
だが。
止めた。
「お前ら下がれ!!」
怒鳴る。
その後ろで。
「キュア!!」
フィリアが光を飛ばす。
毒。
疲労。
負傷。
少しずつ回復していく。
そして。
リナが両手を前へ出した。
「ハイウインド!!」
暴風。
後方のアーミーアント達が吹き飛ぶ。
「今!!」
ヴァルクが踏み込む。
ジェネラル一体へ。
「強撃烈!!」
ドゴォォォォン!!
さらに。
セイル。
横へ滑る。
二刀流。
右。
左。
止めない。
連続。
同じ場所を切り裂く。
その瞬間。
頭の中へ感覚が流れ込む。
右。
左。
繋げる。
止めない。
【二段切りを習得しました】
次の瞬間。
セイルの動きが変わった。
「っ!?」
ヴァルクが目を細める。
右。
左。
さらに。
右。
左。
今までより速い。
滑らか。
連続。
「二段切り」
ザザザッ!!
一瞬。
四連撃。
ジェネラルの脚へ、
一気に深い傷が刻まれる。
ギシャァァァァ!!
ジェネラルが大きく揺れた。
「今のなんだ!?」
穴②側の冒険者が叫ぶ。
だが。
セイル本人も少し驚いていた。
「……攻撃回数が増えた。」
「だから今なんて言った!?」
リナのツッコミが飛ぶ。
だが。
その空気も一瞬だった。
セイルの顔が変わる。
「……まずいな」
「今度はなんだ」
ヴァルクが即聞く。
セイルは奥を見る。
さらに奥。
大量反応。
そして。
「ジェネラルが…まだいる」




