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第114話 今度こそ報告

「……帰ろう」


 レナが真顔で言った。


 誰も反対しない。


 今までとは違う。


 アースドラゴンとは、

 危険の種類そのものが違った。


 数。


 増殖。


 侵食。


 放置していい相手じゃない。


 フォーチュンスターは、

 一気に第二層を駆け抜けた。


 途中の魔物は無視。


 最短。


 全速力。


 そして。


 王都ギルド。


 扉が勢いよく開く。


 バンッ!!


「セリナさん!!」


 リナが叫ぶ。


 ギルド内が一斉にこちらを見る。


 セリナが少し驚いた顔をした。


「えっ?」


「今日はちゃんと報告です!!」


「そこ強調しなくていいです!!」


 セリナが即ツッコむ。


 だが。


 レナの表情を見て、

 すぐ空気が変わった。


「……何がありました?」


 真面目な声。


 レナも即答する。


「第二層に異常発生」


「未確認穴三箇所」


「マップ未記載」


「アーミーアント大量発生」


 ギルド内が静まり返る。


「……アーミーアント?」


 近くの冒険者が反応する。


 レナは頷いた。


「ソルジャー級確認済み」


「数は推定数千規模」


 その瞬間。


 空気が変わった。


 ざわっ……


 ギルド内が騒つく。


「数千!?」


「第二層に!?」


「冗談だろ!?」


 セリナの顔も真剣になる。


「クイーンは?」


 レナが一瞬止まる。


 そして。


「未確認」


「でも可能性高いです」


 セイルが静かに言った。


「奥に巨大反応」


「動いてない」


「多分中心」


 セリナの顔色が変わる。


 その時だった。


 奥の扉が開く。


「騒がしいな」


 ギルド長だった。


 だが今回は、

 前回と空気が違う。


 レナがすぐ向き直る。


「緊急報告です」


「第二層にアーミーアント群確認」


「穴三箇所」


「ソルジャー級複数」


「クイーン反応疑いあり」


 ギルド長の表情が消えた。


「……本当か?」


「セイルのエリアサーチです」


 その瞬間。


 ギルド長の視線がセイルへ向く。


 数秒。


 そして。


「お前が言うなら、

 多分本当なんだろうな」


 短い言葉。


 だが信頼が入っていた。


 ギルド長は即座に振り返る。


「セリナ」


「はい!」


「緊急招集」


「B級以上全員呼べ」


 ギルド内がざわつく。


「レイドだ」


 その一言で、

 空気が完全に変わった。


 笑いも雑談も消える。


 王都冒険者達の顔が、

 一気に戦闘のものへ変わっていく。


 そして。


 ギルド長はフォーチュンスターを見る。


「よく報告した」


 数秒。


 そして。


「今度は忘れなかったな」


 沈黙。


「そこなんですか!?」


 リナが思わず叫んだ。


 ギルド内に、

 少しだけ笑いが戻った。

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