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第113話 坑道爆発

「下がれバルト!」


「おう!!」


 バルトが即座に後退する。


 ドラゴンボーンシールドを構えながら、

 通路側へ飛ぶ。


 その瞬間。


 無数のアーミーアントが、

 一気に押し寄せてきた。


 壁。


 床。


 天井。


 全部黒い。


「うわぁ……」


 リリスが少し引く。


 だが。


 セイルは冷静だった。


「リリス」


「うん!」


「最大」


 その一言で、

 リリスの空気が変わる。


 杖を握る。


 魔力集中。


「ファイアーウォール!!」


 ゴォォォォォ!!


 以前より巨大な炎壁。


 坑道全体を塞ぐ。


 熱量が違う。


 だが。


 アーミーアントは止まらない。


 燃えながら突っ込んでくる。


「リナ」


「任せて!!」


 ハイウインド。


 暴風。


 炎がさらに膨れ上がる。


 熱風が坑道を埋める。


 その瞬間。


 セイルが剣を構える。


「アイスランス」


 巨大氷槍。


 それを。


 炎へ突っ込ませた。


 直後。


 ジュォォォォォッ!!


 蒸発。


 超高温蒸気。


 さらに。


 ハイウインドが、

 それを圧縮する。


「逃げろ!!」


 セイルが叫ぶ。


 全員が通路を駆ける。


 そして次の瞬間。


「メルトストーム!!」


 ドゴォォォォォォォン!!!


 坑道が爆発した。


 白い蒸気。


 衝撃。


 暴風。


 熱波。


 全部が通路を飲み込む。


 アーミーアント達が、

 一瞬で消し飛ぶ。


 ソルジャー級すら、

 蒸気へ飲まれて消えた。


 爆音が、

 第二層全体へ響く。


 そして。


 数秒後。


 静寂。


 誰も喋らない。


 ただ。


 後方から湯気が流れてくる。


「……やりすぎた?」


 リリスが小さく言う。


 その瞬間。


「熱ぃぃぃぃぃ!!!」


 バルトが叫んだ。


 全員振り向く。


 鎧から湯気が出ていた。


「死ぬ!!」


「鎧の中サウナだぞこれ!!」


 リナが吹き出す。


「湯気すごい!!」


「笑い事じゃねぇ!!」


 リリスも少し慌てる。


「ご、ごめん!」


 だがセイルは冷静だった。


「アイスボール」


 ボシュッ。


 氷球がバルトへ直撃。


 ジュゥゥゥ……


 さらに湯気が増えた。


「極端なんだよお前ら!!」


 完全に蒸されていた。


 だが。


 その空気もすぐ消える。


 セイルが後ろを見る。


 エリアサーチ。


 反応確認。


 そして。


「……減ってない」


 全員止まる。


「え?」


「今ので?」


 リリスの顔が引きつる。


 セイルは静かに頷いた。


「数、多すぎる」


 坑道奥。


 まだ大量反応。


 埋まっている。


 しかも。


 さらに奥。


 巨大反応。


 動いていない。


 だが。


 確実にいる。


 レナが小さく呟く。


「これ……」


「ギルド案件じゃない」


 数秒。


 そして。


「レイド案件だ」

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