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第106話 新装備お披露目

 王都中央ダンジョン、第三層。


 湿った空気。


 岩壁。


 そして。


 エリアサーチへ映る巨大反応。


「いた」


 セイルが短く呟く。


 少し離れた位置。


 アースドラゴン。


 相変わらず巨大だった。


 だが。


 前回とは空気が違う。


「なんか前より落ち着いてるね」


 リリスが言う。


 レナも頷いた。


「戦い方分かってるから」


 前は未知だった。


 今は違う。


 動き。

 硬さ。

 攻撃範囲。


 全部知っている。


 だから。


 怖さより先に、

 “勝てる”という感覚があった。


「よし」


 バルトが新しい盾を構える。


 ドラゴンボーンシールド。


 重い。


 だが今は、その重さが心地良い。


「行くぞ!!」


 バルトが飛び出した。


 直後。


 アースドラゴンが咆哮する。


 巨大な爪が振り下ろされる。


 だが。


 ガギィィィンッ!!


「……おぉ!」


 バルトの身体が、

 ほとんど下がらない。


 以前とは明らかに違った。


「止まった!!」


 リナが叫ぶ。


 バルト自身も少し驚いていた。


「マジかこれ……!」


 そのまま咆哮。


「挑発!!」


 アースドラゴンの視線が、

 一気にバルトへ向く。


 前衛固定。


 完璧だった。


「セイル!」


「うん」


 セイルが動く。


 速い。


 前より明らかに。


 低く潜り込み、

 アースドラゴンの脚元へ滑り込む。


 振る。


 斬る。


 ギィンッ!!


 硬い。


 だが。


「……入った」


 以前より深い。


 ドラゴン鱗へ、

 確実に刃が食い込んでいた。


「すごっ!」


 リナが目を輝かせる。


 その瞬間。


「ファイアー!!」


 リリスの炎が炸裂する。


 以前より安定していた。


 暴れない。


 ブレない。


 純粋に強い。


 アースドラゴンが嫌そうに顔を上げる。


「レナ!」


「分かってる!」


 矢が放たれる。


 ヒュンッ!!


 以前より速い。


 そして鋭い。


 アースドラゴンの首元へ、

 深く突き刺さる。


「通った……!」


 レナ自身が驚いていた。


 その時。


「ウィンド!!」


 リナが加速する。


 風。


 身体強化。


 新しい短剣。


 全部噛み合っていた。


「速っ!?」


 本人が一番驚いている。


 アースドラゴンの側面を、

 一気に駆け抜ける。


「これ楽しい!!」


 完全にテンションが上がっていた。


 そして。


 セイルが後ろへ飛ぶ。


「合わせる!」


「うん!!」


 リリス。


 リナ。


 同時に頷く。


 前回より早い。


 迷いがない。


「アイスランス!!」


「ファイアー!!」


「ウィンド!!」


 三属性。


 激突。


 蒸気。


 圧縮。


 暴風。


 そして。


「メルトストーム!!」


 ドゴォォォォォォン!!


 超高熱蒸気爆発。


 アースドラゴンの上半身が、

 一気に吹き飛ぶ。


 巨体が崩れ落ちた。


 ズゥゥゥゥン……


 静寂。


 数秒後。


 リナが笑い出した。


「前より楽だった!!」


 バルトも笑う。


「盾やべぇなこれ!」


 リリスは杖を見つめている。


「魔力全然暴れない……」


 レナも新しい弓を見る。


「かなり違う……」


 そして。


 セイルは新しい剣を軽く振った。


「……使いやすい」


 その一言だけだった。


 だが。


 ガンドが聞けば、

 かなり喜びそうな感想だった。

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