↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
104/123

第104話 王都観光

「今日は休みです!!」


 朝。


 銀灯亭の食堂で、ボルトンが高らかに宣言した。


「武器完成まで数日!」


「なので本日は王都案内を行います!!」


 リナがすぐ反応する。


「やったー!!」


 リリスも嬉しそうだった。


「実は全然見れてないもんね」


 王都へ来てから。


 ギルド。

 ダンジョン。

 アースドラゴン。

 鍛冶。


 ずっと忙しかった。


「まずは中央市場へ行きます!」


 ボルトンが胸を張る。


「王都名物の屋台街もありますよ!!」


「食べる!」


 リナ即答。


「まだ早い」


 セイルが冷静に言う。


「朝ごはん食べたばっか」


「別腹!」


 意味は分からなかった。


 王都中央市場。


 そこは別世界だった。


「うわぁ……」


 リリスが目を輝かせる。


 人。


 露店。


 香辛料の匂い。


 焼き肉。


 果物。


 魔導具。


 武器。


 全てが並んでいる。


「エルムより全然広い……」


 レナも少し驚いていた。


「ここは王都最大市場ですからね!」


 ボルトンが得意げに言う。


「毎日地方から商品が——」


「うまっ!!」


 話の途中でリナが屋台肉を食べ始めていた。


「聞いてください!?」


 完全にいつものだった。


 しばらく歩く。


 リリスは甘い果物串を見つけて喜び、

 リナは屋台を渡り歩き、

 レナは本屋や地図屋へ興味を示す。


 そして。


 セイルだけ違う方向を見ていた。


「……」


 視線の先。


 生活魔導具店。


「また便利そうなの見てる」


 リナが呆れる。


「便利そうだよね?」


 否定しない。


 店先には小型魔導ランタンや、

 自動点火器、

 簡易冷却箱などが並んでいた。


 セイルの目が少し真剣になる。


「これは便利」


「そればっかだね!?」


 リナが笑う。


 その時だった。


「ん?」


 セイルが足を止める。


 露店。


 小さなアクセサリー屋。


 並んでいるのは、

 安価な髪飾りや腕輪だった。


 セイルはその中から、

 赤い小さな髪飾りを手に取る。


「これ」


「え?」


 リリスが止まる。


 セイルは普通に渡した。


「似合いそうだね」


 数秒。


 リリスが固まる。


「……え?」


「髪が赤いから」


 セイルは本当にそれだけだった。


 だがリリスの顔が赤くなる。


「え、えっと……」


「似合う?」


「うん」


 真顔だった。


 破壊力が高い。


 その横で。


 リナが止まる。


「……えっ?」


 空気が変わる。


「なんでリリスだけ?」


「たまたま」


「たまたまで髪飾り買う!?」


 リナが叫ぶ。


 リリスはまだ赤い。


「えっと……ありがとう」


 嬉しそうだった。


 レナが小さく笑う。


「リナにも買えば?」


「?」


 セイルが本気で意味を分かっていない顔をする。


 ボルトンは横でニヤニヤしていた。


「青春ですねぇ……」


「うるせぇ」


 バルトが即答する。


 王都。


 大きな街。


 知らないものだらけ。


 だが。


 そんな時間は、少しだけ心地良かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。