Ⅰ 1-6
自身の気付きに自然、貴教の表情は綻んだ。
「ビックリさせんなよ。も〜、まーじでビビったわ」
貴教は辺りをキョロキョロと見回して、
「カメラどこ? カメラ? ドッキリでしょ?」
と、“テ〇アイ”一行の方に近付いていった。
「何を言ってるんだ? お前は?」
橋下〇というよりもやはり兵〇和也がようやくここで口を開いた。
「またまた~。もう、イジワルなんだから~」
貴教はポンポンと“和也”の肩を叩いた。
「もういいから。ほら、いつもみたく、もう、♪ジャッジャジャーンって、あのエフェクトかまして、『ドッキリカ〇ラ』って看板持った人出しちゃっていいから。はいはい、ネタバレネタバレ。もう本っ当。完全に騙されちゃったよ」
「だから、何を言っているんだ? 貴様は?」
「いいからいいから。それともこれ人間性クイズの方? 『お笑いウルトラク〇ズ』? た〇しさんとこの。お笑いは心外だなあ。これでも僕はミュージシャンなんだけどなあ」
貴教は笑顔で更にポンポンと“和也”に「甘える力」を発揮したのであるが…。
「よせって云ってんのが解かんねえのか! 草が!」
そう言って“和也”は頬杖を付いていない方の手で貴教の手を叩き落とした。
(マジか)
背筋が凍りつく様な感覚を覚えた。同時に脳内が無数のクエッションマークで溢れかえる。
(えっ? ちょっと待ってよ。こんな芝居じみたのがドッキリでも人間性クイズでもないってどういうこと? 帝〇の構成員はギリ普通に黒服でOKとしたって、いや、ちっともOKじゃないけど、わざわざ担がせて運んできたバカでかい籐の椅子に“徹”、もとい“和也”って、もうこれギャグ以外の何ものでもないじゃん。これがおふざけとか悪戯とかじゃないって、どういう世界線なんだよ)




