Ⅰ 5-10
レイズナーでも古いのにマジンガーZ…。
推理小説や刑事物のドラマで描かれる法廷というのも実際は大分違うし、有り得ない事とか、やっちゃいけない事とかも普通にあるというが、此れは少々逸脱し過ぎていないか? “テ○アイ”ルックの黒服がいきなり自宅に押しかけてきて、目に前に現れた“和也”が令状を読み上げ退散する。次に来た時は(此の時は“和也”はいなかった)拘束され手錠を掛けらえた上で、アイマスクに大音量ヘッドフォンを付けさせられ、予備審問とかいう吊るし上げ同然の法廷(?)に引きずり出され裁かれる。而も、其の予備審問というのが、そもそも本番とは全く関係が無い(掃除のおばちゃん談)のだという。
(やっぱ、政府の裏にはデ○ープ・ステート……。いや、此処ア○リカじゃなくて、抑々ニッポンなんですけど。でも、俺の扱いなんてニッポン人に対するものでも、ニッポン国によるものでも、ニッポンの法の沿ったものとは絶対違うよな。そういう扱いじゃねえよな。無茶苦茶だよな。小説やドラマとは違うにしたって逸脱し過ぎだろ。だとしたら、やっぱり、デ○ープ・ステートというべきものが実際に存在して……)
堂々巡りである。
そんな風に考えていると、やがて「“ドリームチーム”を結成したところで果たして勝てるものか?」と腰が引けてしまい、「どうしたって勝てないんじゃないのか? たとえ無罪でも」という方向に思考は曳かれはじめる。何しろ貴教は根っからのネガティブなのだ。
(この裁判最初から俺に勝てる余地なんかないんじゃないのか?)
ここでそんな貴教の内心を察した様にばあちゃんが提案してきた。
「いったん田舎に帰るかい? お前はまだいろいろと将来に仕事ある身だ。田舎に、SIGA県内に退けば随分煩わしさから解放されるんじゃないのかい?」
確かに、SIGAに退けば楽になるのかもしれない。何しろ故郷である。謂わば、マ◯ンガーZではないが、貴教にとっては“鐡の城”である。自分でいうのもなんだが、此れ迄、イ○ズマロックフェスやSIGA観光大使としてはじめ色々と貢献してきた筈だし、言う迄も無く地縁は深く、有権者・有力者に顔見知りは多い。若しかしたら彼らは必要以上に自分の為に尽力してくれるかもしれない。
(だけど……)
「…ばあちゃん。それは出来ないよ。それじゃ誰かに迷惑を掛けちまうまうかもしれない……」
第一、貴教が地元の為、SIGAの為に働いてきたのは、自分の王国をつくる為じゃない。恩を売っておいて、いざという時に籠城する為の城を築いていたつもりは毛程も無い。純粋に地元の為に、SIGAの為に、自分なりに貢献したかったからである。事ある毎にあちらこちらで、「将来のSIGA県知事」と言われることは珍しい事では無かったが、そんな布石を打っているつもりなどこれっぽっちもありはしないのだ。
「俺はこっちで頑張るよ。だから…」
スパロボで知っている人は多いとは思うけれど…。
あと水木のアニキの代表曲と云えば何と言っても「マジンガーZ」だから“鐡の城”も通じるとは思うけれども…。




